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第7話「ロスタイムはまだか……?」

第3章第7話「ロスタイムはまだか……?」


……………


「あと10分で着く。その服をなんとかしておいてくれよ」


 騎士王国軍(コマンド部隊)が無事全滅し、敗残兵を収容し撤退したのを確認してから俺らもスパキャットに乗り、クライルへの帰路についた。


 運転席、助手席、後部座席、上部ターレット席に5人。そのターレットの下のスペースに1人を詰め、後部カーゴスペースに4人という超ツメツメ状態だが、荷物がほとんどなくて荷台が空いていたから何とかなった。


 問題は、服が破かれて色んなところが見えかけていることだ。ギュウギュウ詰めで目をそらしても見える。ルームミラーから見えるぐらいには……


「それは私のコートでどうにかするにして、……シロウ、エリカさんみたいにならなくて良かったわね」


 おい!言うなよ!


 止めようとするがとき既におそし。


「聞きたいことがあるのだけど」


 終わった……


「エリカっていうのは………そこのグミの前任なんだが、まずはこいつに聞いてくれ」


 とりあえず、道連れにしようか。


「え?ちょっと……

 はぁ〜 エリカさんは私と同じで、マークスマンだった人で分隊先任下士官だった人よ。最先任だったから、分隊の次席指揮官で頼れる姉御キャラだった……」


「まぁ、俺の師匠でな。…いろいろな事を教わった。分隊では俺とバディを組んでいろいろな任務をこなした。辛いことも、楽しいことも色いろ体験した。


……もう一人の家族だと思っていた」


 その次を知っている奴は気まずそうに顔を外に向ける。それでだいたいわかってきたのだろう。レシアが口を開きかける。


「ある作戦が終わった後、乗っていた飛行機が墜落して……死んだ。原因は給油作業員のミスによる燃料切れだった。その後、補充要員が入ってきた。その補充要員に押し出される形でグミが俺のバディになった」


 まあ、言わせないが



 ここまでなら不幸な話で済むんだがな。言うべきか、それとも……




「ヤードポンド法とメートル法の混用なんてよくある話だ。だからそのときは気が付かなかったが、そんなミスは起こらないように対策がされていた。と言うことに気がついてから調べたら事故ではなく、暗殺だったと言うことが分かった」


 悩んだが結局言うことにした。レシアの顔色は……


 まぁ、想像通りかな。聞かないほうが良かったかも……と言う表情から理不尽に対する怒りが見え隠れする顔に変わった。


「その暗殺の首謀者だが、今この世界にいる。まだ移動していなければ騎士王国にいるはずだ」



「わたs「おっと、そろそろ着くな」……」


 悪いがなけなしの…安っぽいプライドを守らしてくれよ。コレばっかりは自分で解決したいのだ。だからかぶせた。まぁ、なんだかんだ言って付いてきそうだけど、それは考えないようにしよう。計画だけご立派に作るのに途中から行き当たりばったりの出たとこ勝負。俺っぽくていいじゃないか。

 レシアも誤魔化されているの気づきつつ取り敢えず、保留にしてくれた。



…………



 街に入ってからレシアがぶり返してきたがそれを振り切り、第2地域防衛(軍団)司令部の総司令官代理執務室——つまり俺の部屋だ——に入り、パソコンの電源を入れる。


 さて、書類仕事だ。まずはテンプレートを開き、誘拐事件の報告書と戦闘報告書、損害報告書、補給要求書、都市警備状況の調査司令書を書く。それから第2方面憲兵連隊と司令部首席監察官に対して第158独立警備大隊に対する水漏れ調査の司令書、各方面軍への警備強化の稟議書を出す。それと、各部隊に対して非対称戦の予備研究予算請求の根回しを手配する。


 いい加減、A4コピー用紙とボールペンの導入以外の改革をして事務効率を上げたいが後回しだ。業務効率を向上させるための改革を行う時間を捻出できないため、とにかく無心になりテンプレートに文字を打ち込んでいく。すべての書類をプリントアウトし、サインしたときには夕方になっていた。


 出来上がった書類を書類箱に入れ、延長戦(ロスタイム)の準備を始める。最初にスキルを操作する。ライトエフェクトと共にドイツ製の自動小銃(アサルトライフル)、HK433が召喚される。エイムポイントのCOMP M5ダットサイトと4倍率のブースター、MAWL-DAライトデバイス、MOEグリップが装着されているのを確認し、ガンケースに入れ、ロッカールームに行く。


 ロッカーを開け、戦闘服……マルチカムブラックのコンバットシャツを着る。そしてコンバットパンツを履いて、ニーパッドを装着。TTGDリガーベルトをしめる。


 ベルトをしめたら、いつものトレッキングシューズを履き、紐を縛り、余った紐を編み込みにねじ込む。


 TTGDリガーベルトの上に被せる様にアウターベルトを腰に巻き、コンバットサスペンダーの位置を微調整する。これで、ファーストラインの重量を腰と方に分散させ、疲労を軽減できる。


 ベルトの左腰前方にダブルピストルマグポーチを、その少し後ろにはFASTマグポーチを取り付け、さらに後ろにはタニケットポーチとロールアップタイプのダンプポーチを取り付けてある。


 腰の右側はパンツベルトから吊るされたホルスターがあり、その後ろと腰の後ろ右寄りにはフラグポーチと40ミリグレネード弾ホルダーが2つずつ取り付けてあり、M67フラグとM84スタンダードが2つずつ入っている。


 セカンドラインギアは機動性を重視して、D3CRMマイクロチェストリグを選択、カンガルーポーチにP-MAGを3本入れる事ができ、正面に多目的ポーチとそれを挟むようにバンジーコード式のピストルマグポーチが2個という構成のコンパクトながら大容量なチェストリグだ。今回はマルチミッションハンガーV2を併用する。


 多目的ポーチにはヴィクトリノックス・クラシックSDとMS-2000Mストロボライト、モジュラーバンテージを入れる。その下のマルチミッションハンガーにはENVG-C暗視装置とフリアースカウト赤外線単眼鏡、MVGカウンターウェイト、予備バッテリーを入れる。


 背中側は左側に万が一、一日で終わらなかった時のために日帰り前提としてはやや大きめの容量50オンスのハイドレーションシステムを、右側にファーストストライクレーションとエマージェンシーブランケット、BICライター、シェラカップが入った多目的ポーチを設置し、ハイドレーションシステムの上にライフルマグポーチを1つ付け、中にAN/PRC-152無線機を入れる。


 右の肩ベルトにガーバーMk2ナイフをパラコードで括り付け、左の肩ベルトには同じくパラコードでPTTスイッチを括り付ける。PTTスイッチから伸びるコードの端子は軽量な骨伝導イヤホンと咽頭(スロート)マイクにつなげる。咽頭(スロート)マイクは若干の圧迫感があるが、直接無線機を近づけたり、ブームマイクを使ったりする煩わしさよりはましだ。


 ベルトキット(FASTライン)チェストリグ(SECONDライン)のセットアップが終了したら、次は身に着けるもの、上からやっていく。つまりヘルメットだ。


 ヘルメットはNVGマウントと割り切り、オプスコアのFASTベース・ジャンプ・ミリタリーを選択。これは防弾性能をオミットした耐衝撃仕様で、訓練や捜索救難任務などを想定した超軽量タイプだ。正面のレールにNVGをいったん取り付けガタツキの有無と、後ろのレールにNVGカウンターウェイトとストロボライト用ポーチが取り付けられていることを確認し、NVGを取り外す。


 よし、ヘルメットの確認はOKだ。ヘルメットを被り、あごひもで固定し、微調整をする。次に、首元にスカーフを巻きシャツの中に砂などが入らないようにする。次に、関節サポーターの位置を再確認。次にコンバットシャツを着るためにいったん外したG-SHOCKを左手に再度巻く。最後に、ベルトのカラビナでまとめてあるオークリーのファクトリーパイロットグローブを手にはめる。


 40㎜グレネード弾を30発入れたM18A1対人用地雷キャリアーとHK433、M79を肩にかけ、何か抜け落ちているものがないか確認する。


……よし。抜け落ちているものはないな。


 ロッカーを閉め、鍵をかけて地下の射撃訓練場でゼロイン調整をした後、庁舎正面に止めておいたATVに乗り北に向かう。


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