第1話「抗日解放戦線幹部暗殺作戦」
西暦2035年12月某日 1154時
ウクライナ北部、プリピャチ
………………
ウクライナ北部、キエフ州に位置する無人の都市の、寂れた広場を一望できるホテルの一室の中で、蠢く影が二つあった。
「ターゲットの車は見えたか?」
狙撃地点に到着するまでの間、周囲の草木に身を潜め、敵の哨戒線を越えるのに役立ったーー今は逆に目立ってるがーーギリー・スーツを身に纏ったその男、江坂士郎は隣で伏せる、自分と同じく木の葉の塊のようなギリー・スーツを羽織る観測手の相棒の言葉に「ああ、確認した」と短く返答をした。相棒の声色は、女のモノだった。
「こちらでも確認した。――作戦主目標、エドワードと認定。青いSUVの後部座席に座っているグランサンをかけた、白人か?」
「肯定だ。奴を当該目標と認定」
士郎は右眼で覗くニコン製のライフルスコープ越しに、相棒から告げられた男の胸を照準に捉え、答えた。
「射撃準備」
相棒の声に従い、士郎はグリップを握る右手で狙撃銃のセイフティを解除した。得物は米国レミントン製の命中精度と拡張性に優れたボルト・アクション式狙撃銃である、MSRの.338ラプア・マグナム弾仕様、カスタマイズはブラック・オプティクスのFX1000スコープだけというシンプルなものだ。
隣でスポッティング・スコープを覗く相棒――エリカ・エドワーズからそう言われ、意識をスコープの向こうへ意識を向けた。
「風は、南から毎秒1メートル弱。射距離は……520メートル。お前なら余裕だろう。打ち下ろしになる、気をつけろ」
観測手のエリカが告げる情報を頭に入れながら、少しずつ狙いを修正していく。風は追い風。
そうして、狙いを定めた。狙うはスコープの先、520mの彼方に立つドイツ系の白人男性。
「発砲準備」
エリカの言葉に従い、人差し指がそっと引鉄に触れる。
「――――ファイア」
瞬間、ライフルの銃口から強烈な閃光が瞬いた。
長い銃身を潜り抜けて放たれた.338ラプア・マグナム弾は緩やかな孤を描きながら、520m先の目標へと正確に飛んでいく。耳をつんざくように強烈な火薬の撃発音が奴らに聞こえる頃には、既にエドワードの胸が丸々吹き飛んで、挽き肉が如く無残な様相を見せていた。
「ヘッド・ショット、ターゲット・ダウン確認。お見事だぜ、シロウ」
倒れたエドワードの死骸をスポッティング・スコープ越しに確認したエリカは、少し高揚したような口調で、手元で軽くガッツ・ポーズを決めながら言った。
「OK、任務完了だ。とっととずらかるぜ」
「そうだな。こんな所とはさっさとおさらばしたい」
二人は立ち上がり、踵を返して走り出す。この後、見つかってしまい銃撃を受けながらフルトン回収されるという地獄を見たが作戦は成功した。
元ネタは、CoD:4のOne Shot,One Killです。と言ってもインスパイアを受けた。という程度ですが……
jin115.com/archives/52180679.html
を見る限り、バレて困るどころか自分からさしているのでパクリではなく。バレなきゃ始まらないわけでもないためパロディでもない。元ネタの制作者に分かってほしいわけでもないからリスペクトでもない。付いていけない人は突き放していくスタイルだからオマージュか、と言われるとそれも違う気がする。つまり、インスパイアしか残ってねーじゃん。となりました。