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第6話「シエラチームか……心当たりが」



「01より各隊へ。パッケージを確保。繰り返す。パッケージ確保。現在ポイントデルタへ移動中。各隊、状況報告」


«11より01へ。予定通り衛兵隊を引き付けている。王城周辺の残存兵力は少数と思われる»


«21より01へ。第3地区に敵中隊が待機中。第2ルートで撤退してくれ»



「こちら01、了解(アイコピー)



 作戦目標の確保に成功した俺達は無線で状況を確認し、撤退ルートを決定。第2ルートを進む。



 何度か巡回兵を交わしながら1階東側の食材搬入用通用口へ進むが、残り30メートルと言うところで先頭を行くレシアが立ち止まる。



«停止。見張り、4名»


 彼女がハンドサイン教えてくれた。俺は強行突破を図ることを伝え、分隊員の3人にに目標を割り振る。


 自分を含め4人とも狙いを定めたのを確認し、カウントする。



 5、4、3、2、1ーーー


「撃て!」

「「「「!?」」」」



 4丁のエムヨンから発射された.300BLK弾はサプレッサーと併用することでほとんど無音で4人の見張りを即死させた。



 よし、気づかれていないようだ。死体を物陰に隠し、撤退ルートを進む。



「来てくれ!見張りが死んでいる!!」

「侵入者か!?警報を鳴らせ!!」



 3分ほどしたとき、死体が見つかってしまった。まだ王城の外にすら出ていない。しかし、警報がなってしまった。とにかく急がなければ、


「「ッ!!」」

「てk〔バタ〕」


 敵の伝令にバッタリと出会ってしまったが狙撃により風穴を開け倒れた。どういうことだ?


「01より21へ。今の狙撃は誰がやった」


«21より01へ。まだ射撃していない。ポイントホテル方面からと思われる»


 無線で確認するが撤退支援小隊ではないと言う。ポイントホテルからというがそちらに部隊を配置した覚えはない。どういうことだ?


«……ザザ こちらシエラチーム。貴隊を支援する。そちらから見て2時方向400の路地から敵小隊が接近中。注意せよ»


 突然、無線に割り込んできたシエラチームとやら、聞き覚えがある声だがとりあえずいま気にしない方向で行く事にして、撤退ルートを急いで進む。


 敵がいればシエラチームや21小隊が警告し、俺たちがサプレッサーの付いたエムヨンから発射された.300BLK弾のダブルタップで叩き込み、沈黙させる。


 ライフルでは距離が近すぎ数が少なければ、暗闇と物陰を利用して背後に回り込み、コンバットナイフで喉笛を掻き切る。これはレシアが得意としていることだ。

 逆に距離があれば、21小隊やシエラチームが殲滅する。

 そうして、俺達は撤退に成功したあと、シエラチームと顔合わせをしたのだが……



「何故あなたと仕事をすると必ずやかましくなるのよ?プライス大尉なの?」


 知らんがな。今回は比較的静かにやっただろ。と思ったがそれを口にするほど子供ではない。言ったところで最終的にバレた(ダイナミックだ)という事実は変わらないし、余計お説教(小言)がひどくなるのは分かり切っている。


 そろそろ、察しがついているだろうがシエラチームは俺が地球で小隊長をしていた部隊員で構成されていた。小隊と言っても12人だから分隊程度なのだが日本国国防情報総局参謀情報局情報システム管理・運用部テロ組織調査分室第5調査係直接行動小隊という日本らしく長ったらしい名前の部隊の隊長をしていた。隊長の階級が中尉であり、必要に応じて他部署所属の分隊級部隊を部隊に組み込むことを前提とした編制になっているから小隊規模相当なのだ。


 たいていの場合、統合参謀本部(JCS-)情報局別班(IST)と略されることも多いこの部隊は常勤要員5名と非常勤要員7名を合わせて12名と小規模(というか1.5個分隊ぐらいしかない)だが国防情報総局国防情報総監直轄部門特務支援課(トリプルエス)や統合作戦本部中央指揮通信システム団特殊情報作戦通信支援別班、国防情報総局特種情報収集局、地球写真偵察局、第101特別情報連隊、調布中央情報旅団特別情報支援活動中隊(SISAC)などから最大で40名程度の増強を受け世界中で「荒事と後ろ暗い仕事」をする集団だ。だから、多分シエラチームというのは特殊部隊(スペシャルフォース)のSか隠密情(ステルス)報作戦(オプス)部隊(フォース)のSからとったのだろう。もしかしたら狙撃部隊(スナイプセクション)のSかもしれない。


 ちなみに情報であるがSISACは自衛隊が自衛軍に昇格する際に陸上自衛隊陸上総隊隷下部隊の中央情報旅団のさらに隷下である現地情報連隊の直接行動中隊と航空自衛隊基地警備教導隊の一部を統合再編する形で編制された部隊だ。沖縄国際空港の開港に伴い、廃港となった旧那覇空港の跡地に配備されたことからシーサー部隊と呼ばれている。SISACのほかに、自衛軍那覇統合航空基地には航空自衛軍の第9航空団(第301飛行隊のF-35BJ20機と第204・205飛行隊のF-15EXJ40機他、連絡機等)や戦術救難団の救難ヘリコプターと海上自衛軍の第2護衛隊群所属のヘリ空母<伊吹>用にCERBERUS(サーベラス)を搭載した早期警戒型ヘリコプターMCH-101やP-1哨戒機部隊、陸上自衛軍第15師団ヘリコプター大隊の攻撃・強襲兼用ヘリコプターMH-60Lブラックホーク部隊などがいる。この那覇基地の拡充により不安定の弧と呼ばれる東シナ海から西アジアにかけての一帯に戦闘任務を含む海外派兵を繰り返している自衛隊改め、国防自衛軍の先鋒部隊として十分な作戦能力を有する混成部隊を直ちに編成可能となっている。




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