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第4話「会議は踊らず、されど進む」


 10個小隊の編制が完結してから2週間たったある日、会議が行われた。



「シロウ君、訓練は想像以上の成果だ。これなら勝率は8割を超えるだろう。ありがとう」


 最初に訓練についてねぎらいをした伯爵は、残りの2割をどうにかするため、作戦会議をしたいと思う。と続けた。クーデターの作戦は大きく分けてルーメルア王国国王一族の救出、在王国騎士王国軍の排除、騎士王国から派遣されている代官の排除……この3つだ。後ろ2つはそれなりの練度があれば遂行可能だろうが、国王一族の救出は完全な特殊戦だ。


 どうにか並レベルまで訓練したが、特殊戦能力の付与はできていない。撤退支援と陽動攻撃で2個小隊、救出部隊に1個分隊ぐらいは必要だな。1個分隊の特殊戦能力付与なら何とかなるか?……しかし、狙撃部隊なしはキツイな。



「そうか……では、救出部隊の指揮を頼みたい。できるか?編成その他は任せる」


「わかりました。分隊員にレシアとレーム、リッツ、パメラ、モリスの5名を指名します。よろしいですか?」


「え!?私?」


「許可する」


 意見具申に対して即答に近い決断、伯爵は良い指揮官だと言える。まぁ、部下がのちの歴史も認める優秀なものが多い場合に限るんだが。


 歴史上、権限移譲型指導者の中で優柔不断と誹られる無能は、問題が発生しメッキがはがれるまで優秀であると思われていた政治大好きマンが本業そっちのけで国難を政争に利用したりしているからであったりする。つまり、犬のしつけが鳴っていなかったから無能と言われるだけだ。現状、そういったしつけを怠ると政争に走るような人材(そういった奴に限って本業は優秀なものである)はいるものの上手く制御できている。有能よりな指導者というわけだ。



 その後も会議は2時間ほど続き、終わったのは昼過ぎだった。



…………


「これより!特別訓練を実施する!」


 これまでの訓練とは違い、訓練に参加するのは俺含めて6名だけだ。鉄パイプとベニアで作った仮設のCQB訓練施設だ。


 編成は俺が分隊長、近接戦闘能力に優れ貴族であるレシアがポイントマン兼交渉役、経験豊富でオールマイティかつ分隊長経験のあるレームが副分隊長兼小銃手、精密射撃でトップの成績を持つリッツが分隊上級射手、高度な戦闘センスを持つパメラとモリスがシューターとしてレシアの援護…前衛偏重な編成だ。


 これを1週間で訓練し、作戦を成功させられるだけの練度に持っていくのは難しいぞ。本来であればHVT収容戦闘課程訓練も受けさせたいが時間がないため特殊部隊応用市街戦闘訓練課程のみの受講とする。まぁ特殊部隊応用市街戦闘訓練課程も本来は3週間かけて行う訓練なんだが、いろいろと端折る予定だ。



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