侍女の仕事ってどこまでですか?
小説の一話って皆さんどうされてるんですかね?
キリの良い所まで書くとどうしても
長かったり短かったりとバラバラになってしまう作者です(´-`).。oO
どうしたらまとまるんでしょうか?
謎です。
あ!ブックマークつけて頂きありがとうございます!!
とってもとっても嬉しい限りです!
レイとソフィアは侍女に続き
フローラの部屋にある扉の1つを開け別室に移動した。
そこはお茶やお菓子などを準備する部屋のようで狭い部屋だったが
カップやお皿などが整理されて置かれていた。
「レイ、ソフィアここがフローラ様の部屋専用の給仕室よ。
ティータイムや他のご令嬢がお越しの際はここで準備してからお部屋へ持っていってね。
紅茶の入れ方は侍女長に教えてもらっているかしら?」
「はい、紅茶の入れ方と給仕の仕方は教えて頂いてます。」
「そう、なら態々話さなくても大丈夫そうね。
まだ、私の自己紹介が済んでなかったわね。
私の名前はタバサよ。
2人には私のサポートを主にしてもらうからよろしくね。」
「「よろしくお願いします。」」
タバサはくすんだ金髪をしっかりと後ろで束ねており、目は薄い茶色をしている。
表情は大らかそうな女性だ。
「よろしい、他の仕事はその場その場で指示するからまずは、紅茶を入れて貰えるかしら?
貴方達の手際を見せてほしいの。」
そう言うとタバサは邪魔にならない位置まで下がった。
「はい、畏まりました。
ソフィア今はまだランチティには早いからイレブンジスに合う紅茶を用意しましょう。」
レイツビアがソフィアにティータイムの名称を伝えて何を用意するか決める。
これも、5日間でマーサに叩き込まれた特訓の成果である。
ティータイムは多くて7回
少ない人だと3〜4回となり
レイツビアが言ったイレブンジスとは
朝食と昼食の間に行うティータイムの名称だ。
「イレブンジスだと、あんまり香りの強いものは避けた方が良かったわね…。
これなんか、いいかも…。
レイ茶葉はこれでいいかしら?」
頭の出来は良くないが仕事の出来るソフィア
マーサに厳しく指導されただけあってそつなく茶葉を選んでいく。
「うん。それなら良いと思うわ。
私がお湯を準備するからカップとポットお願いね。」
「はいよ〜。」
仕事を与えられて緊張が解けてきたらしいソフィアは緊張と共に言葉遣いも元に戻ってきている。
(ソフィア…お主侍女長がおらぬとなると元に戻るのか………此奴やっぱり大丈夫かのぉ)
レイツビアは少しソフィアをじと目で見たがソフィアにはまったく気づかれなかった。
ため息を堪えてお湯を沸かすレイツビア。
お湯を沸かす為に魔法で空気中に水を出し
その下でまた魔法を使い火をおこす。
これもマーサから教えてもらった給仕方法の1つである。
もちろんレイツビアからすれば何て事のない魔法でソフィアもこのぐらいなら生活魔法として使えるぐらいには魔力を有していた。
「え!?えっ!ちょっ!ちょっと待って!」
後ろで待機していたタバサが急に声を上げた。
「どうされましたか?」
キョトン顔でソフィアがタバサを見る。
「どうされましたか?っじゃなくて!
レイ、貴方もう魔法の訓練を受けたの?」
タバサがレイを見つめ大きな声で質問してきた。
「えぇ、侍女長から5日間の特訓にティータイムでのお湯を作る為の魔法を習いましたよ?
私だけじゃなくてソフィアもこのぐらいなら出来ますけど?」
タバサはレイツビアの言葉を聞き口をポカーンと開け、
そのままの顔でソフィアにも目線を移す。
「えぇ、えぇ、習いましたとも侍女長の特訓の中でもいっっちばんキツイ特訓でした。」
そう言ってソフィアはまた死んだ目をしながら遠くを見つめた。
しかし、手だけはカップを磨き、着々と紅茶の準備を進めている。
流石、頭ではなく心で感じるタイプの人間である。
「貴方達…どんな特訓受けたのよ………。」
タバサは死んだ目をしたまま手を動かすソフィアに同情の眼差しを向けた。
タバサが驚いた理由は
通常生活魔法はどの人間にも使える物であるが教育を受けてない者が使っても水魔法であれば精々バケツ3杯分を一日出せる程度しかなく
レイツビアが行った2つの魔法を同時に使いお湯を沸かすともなるとそれなりの魔力コントロールが必要で誰でも簡単に行える訳ではないのだ。
付き侍女になる者達も新人となればまだ使えない者も多く、大体は先輩の侍女に手伝って貰いながら、習得していき1人で熟せるようになれば紅茶入れでは一人前と認められる。
それをマーサはレイツビアとソフィアに5日間で仕込んでいた。
理由はこれまたレイツビアが軽々やってのけた為、ソフィアにも振られたという
ソフィアからすれば有難迷惑ともとれる理由だった。
「そうだったのね…それなら私が手伝えなくても紅茶入れは大丈夫かしら?
もちろんお湯だけ出来ても紅茶を美味しく入れられないなら任せる訳にはいかないけど…」
タバサはそう言葉をこぼすが
別室には既に紅茶のいい香りが漂っている。
レイツビアからお湯をポットに入れて貰いソフィアが程よく蒸らしてカップに注ぐ。
余談だが、ソフィアの紅茶はマーサからお墨付きを貰うくらいに美味い。
誰しも特技があるものだと、褒められているのか馬鹿にされているのか分からない言葉をマーサから貰っていた。
「タバサさん紅茶の準備が出来ました。
この先はどうしたらいいでしょうか?」
レイツビアがタバサに問いかけると
タバサがカップに歩みより
香りと温度を確かめひと口飲んだ。
「あら、私が入れるより美味しいじゃない。
凄いは貴方達!!5日でここまで覚えてるなんて!ティータイムの時間把握も完璧だったし流石侍女長から声がかかるだけあるわね!」
タバサは紅茶を飲んで感心してようにレイツビアとソフィアを見つめた。
「これならティータイムの準備は貴方達だけで完璧ね!
私も自分の仕事にも専念できるしとっても有難いわ!
ティータイムの時はお願いするわね。
さっそくだけど、もう一回紅茶を入れて貰える?
フローラ様にお出ししましょう。」
「「はい!」」
タバサからも紅茶を褒められ
今度はフローラにも紅茶を用意し始める。
ピクっ
(ん?何だ?廊下に人の気配があるが…。)
「タバサさん…」
「ん?どうしたのレイ?」
「今日、フローラ様へのご来客はお有りですか?」
「…?いいえ、今日フローラ様に来客はないはずよ?どうして?」
「いえ…予定があるなら把握しておこうと思っただけです。」
(来客がないのに部屋の前から人気配とはおかしいのぅ。警備兵はこの部屋の前には待機しておらぬし……。ふむ…確かめるべきかの)
「ソフィア、悪いんだけどお湯作り変わって貰える?フローラ様に紅茶をお出しするなら厨房からお菓子を貰ってこようと思うの。」
「あっ!そうね!紅茶を出す時はお菓子も付けさないって侍女長も言ってたもんね!
任せて!紅茶なら1人で準備できるから。」
ソフィアに紅茶を頼み部屋から出ようとしたレイツビアだがタバサから声がかかった。
「お菓子なら私が取ってくるわよ。
紅茶入れも完璧だし、私もする事ないからお菓子ぐらい取りに行くわ!」
「いいえ、タバサさんが態々お菓子を取ってくる事など無いですよ。
この通りソフィア1人でも紅茶ぐらい入れれますし、フローラ様からお声かけがあった時に1番対応できるのはタバサさんですし私が行きますよ。」
そうレイツビア言うとタバサは目を泳がせながら扉の前に立った。
「いや、や、やっぱり私が行くわ!
貴方達は紅茶は入れれるようだけど紅茶に合うお菓子を厨房にオーダー出来ないでしょう?
私ならフローラ様の好みも把握してるからここは私が行った方がいいのよ。」
さっきからタバサの挙動が明らかにおかしくなっていた。
それこそ、いつもは鈍感なソフィアにさえ
疑わしげな目線を向けられるほどに。
「タバサさん、何かやましい事でもあるんですか?
言っている意味は分からない事もないですが
私達は新人ですので、タバサさんのサポートとしてここに配属されています。
ですので、フローラ様の好みなどは指示くださればご用意できます。
それとも、私がお菓子を取りに行くのに何か不都合がごさいますか?」
レイツビアは顔色を変えずタバサに質問をするとタバサの顔が一気に青ざめた。
「ふっ不都合なんてないわよ!
第一その態度何なの?私は貴方達の先輩よ?
先輩の優しさを分かりもせずやましい事があるのかですって?
失礼にも程があるわ!この事は侍女長にも報告するから!
貴方達今日でクビよ!!
こんな失礼な子この王宮にいらないわ!」
一瞬で青ざめた顔を真っ赤にしたタバサは怒鳴るようにレイツビアに捲し立てた。
(動揺が手に取るように分かる者だのぅ。ここまで分かりやすいと逆にカマをかけるのがアホらしいくなるわい。)
レイツビアは呆れ顔でタバサを見た。
「そうですか、それは報告して頂いて構いませんので扉通して頂けませんか?
今日でクビという事でしたが侍女長より直接言われるまでは付き侍女としてフローラ様にお仕えいたします。
早くお菓子を取りに行かないと紅茶が冷めてしまいますよ?」
そう言いつつレイツビアはタバサを押しのけ別室を出て廊下に続く扉へと向かった。
「ちょっと待ちない!」
タバサが後を追って別室から出てくる。
「タバサ?レイ?どうしたの?」
部屋で静かに読書をしていたフローラは急に大きな声で部屋へ入ってきたタバサを見て目をパチパチさせている。
「フローラ様!!申し訳御座いません。
やはり見習いには付き侍女はまだ任せられないようで、この者は本日付けで解雇いたしますので!!」
タバサはフローラに頭を下げながらそう言うと横目にレイツビアを睨む。
「え?解雇…?どうゆう事?」
「フローラ様解雇のお話しはまだ侍女長まで通っておりませんので、
後ほど決まりましたらご報告いたします。
今紅茶の準備を致しておりますので
少々お待ちください。」
レイツビアはいたって冷静にフローラに頭を下げた。
タバサの目線は一切無視している。
「えーっと、そうなのね……
良く分からないけれど紅茶の時にお話しを聞かせて貰ってもいいかしら?」
フローラはまだ困惑しているようだったが
とりあえずは言葉を飲み込み
レイツビアへ事情を聞くつもりにしたらしい。
「はい、後ほどご説明させて頂きます。
私はお菓子を厨房より受け取ってきますので一旦失礼いたします。」
「えぇ…お願いね。」
「……!!!え!ダメよ待ちなさい!
今日でクビって言ったんだからお菓子の準備を何てさせられないわ!」
タバサがまた声を荒げたが
レイツビアは何食わぬ顔で扉を開けた。
扉を開けるとそこに
衛兵の服を着た男が立っており
手にはお菓子が入った箱を持っている。
「どうされたんですか?ここは離宮内ですよ?衛兵と言えども勝手に歩き回ってはいけない場所だとお分かりで?」
レイツビアは廊下に気配がある事を分かっていたので驚く事もせず
衛兵に厳しい目線を向けた。
「い、嫌、あのフローラ嬢宛てに菓子が届いていたから上司から届けるようにと言われたんだ!!」
「上司?貴方何処の配属兵ですか?
その上司に言われたのなら上司にもお話しを聞かなくてはいけませんね。
ここは離宮、個人宛の荷物は全て監査を通して朝決まった衛兵からまとめて各付き侍女に渡されるのですよ?
それを今の時間に届けるのはおかしくありませんか?」
「おかしくないわよ!!貴方今日から配属だから何も分かってないのよ!
偶に渡し忘れがあった時はこうやって届けて下さるのよ!
新人なんだから知ったような口聞くんじゃないわよ!」
後ろからタバサが捲し立てレイツビアを怒鳴る。
「そうですか…それは大変失礼致しました。
ですが、事前連絡もなく持ってくるのですか?それにお菓子と仰いましたけど
その箱一度も開けた様子がないようですが?」
「はぁ?そんなの監査した後ちゃんと箱を閉めるに決まってるでしょ?
何言ってんのよ!」
タバサは強気でレイツビアに話すが
目の前にいる衛兵はかなり緊張した顔をしてこちらを見つめている。
(はぁ、これじゃ埒があかん。何処からどう見てもこの2人がグルだと分かるじゃろうに…)
「そうなのですね、では、そのお菓子から匂う毒はどう説明されるのですか?」
レイツビアの発言にタバサと衛兵は驚愕したように目を見開いてみせた。
レイツビアは竜王族なので人より遥かに鼻が効く、人間には無臭でもレイツビアにはしっかりと毒特有の匂いがするのだ。
「なっなっ何ですって!!毒!!?
アンタいい加減にしなさい!!!!
これ以上変な事言うとクビじゃ済まされないわよ!!」
タバサはまだ強気でレイツビアに話すが
顔は明らかに青ざめている。
「いいえ、変な事など言ってませんよ。
確かにその箱から毒の匂いがします。
もう一度監査に通せば分かる事ですので
こちらは私が預かります。
衛兵の方それをこちらにお渡し下さい。」
そうレイツビアがタバサの声を撥ね付け
衛兵の持っているお菓子に手を伸ばすと
「クソッッ!!もう無理だろ!!こいつを殺してその後あの嬢ちゃんも殺してとんずらするしかないぞ!!!
金は後からたんまり貰えるんだ!
おい!タバサお前あの嬢ちゃん逃げないように抑えとけ!!
俺がすぐに片付けてやる!!」
衛兵姿の男は持っていた菓子を床に捨て
腰に刺していた剣をぬいてレイツビアに斬りかかった。
(はぁぁ単細胞め…そんな低レベルで我に敵うはずなかろうに。)
レイツビアは冷静に斬りかかってきた男の懐に潜り込みみぞおちに一発入れた。
かなり手加減したがそれでも
元々が竜王族のレイツビアの一撃はかなり重くその場で男は崩れて落ち気絶した。
「ふんっ!手ごたえがないのぅ。
さて………タバサさん、貴方もこの方と一緒にお昼寝いたしますか?」
フローラを抑える為部屋に入ろうとしたタバサだが仲間の男があさっりとやられてしまい部屋に入る前にレイツビアから腕を掴まれてしまった。
「な、な、なっ!アンタ何者よ!!!!
なんで!?アイツを一撃って……
おかしいわよ!!アンタ侍女でしょ!?
何でそんなアンタが…………」
「何でと言われても、出来るのだからただそれだけの事ですよ?
とりあえず抵抗しないで貰えますか?
面倒なので。」
レイツビアはタバサの腕を背中に持っていき拘束するとフローラの部屋へ入りソフィアを呼んだ。
「失礼します。フローラ様こちらも後ほど説明いたしますので少々お待ち下さい。
ソフィア!縄持ってきてちょうだい!
ついでに衛兵も呼んできて!」
「え!?衛兵?縄?
アンタ何してんのぉぉおおおおおお!!!
タバサさんに手なんてあげたら
クビ所か独房行きになるじゃない!!!!
ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!
私も同罪って事で独房行き??
そ、そんな、嫌ぁぁあぁあぁあああ!!!!」
「ソフィアうるさい……。」
そんなソフィアの絶叫が離宮に響き
呼んだ訳ではなかったのに警備兵がフローラの部屋へと押し寄せてきた。
そして、レイツビアとソフィアは事情聴取の為丸一日無駄にした。
(…今回、我は侍女としての仕事をするはずじゃったのに、警備兵の仕事までする事になろうとは………。今回の観察はかなり荒れそうじゃな。)
レイツビアは思案顔でこれから先の事を考えるとため息をつきたくなった。
あのさー
悪い奴ら短気すぎん?おバカすぎない?
え?大丈夫?ってぐらい
ぺらっぺらな人物しか書けてないんですけど、
これが作者の限界です(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎
本当素敵な小説を書いている皆さん日々尊敬しております。
ここまで読んでくださり有難うございました。