100円で水彩画を描く前に(その5)100円で透明水彩画は描けるのか?
久しぶりに連休があったので、東京国立博物館に行ってみました。
「顔真卿の展覧会はやっているかな?」と思って行くと、とっくに終わっていて、
今は、特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」 が、やっていました。
すごい人だかり。
みなさま仏像が好きなのかな?
海外の人も多かったです。
貴重な歴史資料の数々。すばらしい仏画や仏像。
見事でした。
とくに国宝、騎象の帝釈天。
最強の武神なのに、細マッチョで、とってもハンサムでした。
なんでこんなにハンサム何だろうと思って、100均のスケッチブックにデッサンしてみました。
きっと、ポーズだけでなく、顔のバランスが整っているんでしょうね。
もしかして、おでこや、眉目、鼻頭、口、頤などの比率が単純なのかも。
見るだけでなく、絵を描いてみると、色んな発見があって面白い。
頭は、遠目だと、筒状の冠かなあ、と思いきや、実際、絵を描いてみると、結った髪でした。
昔の仏師さまはすごいですね。
ところで、絵の具の耐光性の試験結果。
たった1ケ月。雨や曇りの日もありました。
色褪せたところもなく、耐光性に、100均の絵の具も、とくに問題はなさそうです。
さて、100均の絵の具で、透明水彩は描けるのか?
いろいろ考えてみました。
そもそも、前回までで、100均の絵の具は、不透明水彩絵の具だと分かったので、単純に考えると、透明水彩は無理っぽいんだけれど、
そこをあえて工夫する、ってのが芸術なのです!
(うそ)
水遊びをするように、100円絵の具でたわむれてみました。
やっぱり、前回明らかになったように、乾いた紙上に、絵の具を水で薄めての重ね塗りは、あんまり良くないかも。
もともと低い色の鮮やかさが、さらに失われてしまいます。
かと言って、
濃く塗ると、発色が鈍く、色に艶がないので、白っぽく、安っぽくなってしまいます。
たぶん、この絵の具は、不純物が多いか、あるいは、使っている顔料の、可視光線を反射するスペクトルの幅が広いのかもしれません。
だから、混色をしていくと、白っぽさが目立ってくるのかも。
なので、色数、混色は最小限にして、濡れ場でびっちょり法を使えば、透明水彩っぽい、にじみを演出できるので、この方法を用いるとどうでしょう。
まずは、適当に葉っぱ。
それから、
先日、夕日がきれいだったので、ちょっとそれを思い出して描いてみました。
4色だけ使いました。ビル群は厚塗りで、白っぽさがでちゃいます。
空のグラデーションはある程度、表現できましたが、もうひとつ問題を発見。
顔料の粒子が荒い。
澄んだ空を描くと、絵の具の粒子のザラザラ感が表にでてきて、ゴワゴワした感じになっちゃいます。
上の、葉っぱとか描いた時には、そんなに気にならなかったんですけどね。
たぶん、砂漠とか、廃墟、ふるい写真や思い出シーンとか、描く題材によって、ぜんぜんイケルと思います。
ただし、今から描こうとしているのは、佐野すみれ先生の作品の絵。
先生の作品は、美しく、透明感があり、ちょっとダークな感じ。
なので、先生の作品には、透明水彩画が似合うと思ったけれど、100均の絵の具では、釣り合いません。
ウィンザー&ニュートンや、ホルベインの絵の具とかじゃないとダメですね。
と言うことで、透明水彩画はあきらめます。
じゃあ、100均の絵の具で何を描こう?
(あくまで、100円にこだわります)
うーん、困った……。
つづく。