表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/111

美しく魅力的に描こう (キャラ作画5)

 

 今回は、キャラを「どのように美しく魅力的に描くか」です。


 難しいようで、基本は簡単。



 

 まず、初心に立ち返ります。




 1.「重心をずらす」



 重心をずらすと、身体が傾きます。


 わたしたちは、傾いたものを見た時、ある印象を受けます。


 それは、



 不安定感。



 まんまですねー。


( つみ木を思い出してね )


 で、この不安定感を感じると、それに伴なって、ベクトルを感じるわけです。動きと量。


 それにより、



 不安、はかなさ、無常、可憐、かわいい、柔らかさ、若々しさ、かっこよさ



 などを次々に連想して感じるのです。



挿絵(By みてみん)



 オモシロいでしょ。


 なので、そういうのを表現したい時は、積極的に重心をずらしましょう。



 全体の重心だけじゃなくって、腹の重心、胸の重心、頭の重心が、ちょっとずづズレているのがいいかも。垂直にならないようにしましょう。

( なっていいのは軍隊や警察などの起立シーンとか…… )



 前に傾けると、積極性が上がって、元気で強気、のり気な感じ、


 顔を腕に向けて傾けると、阿弥如来像のような、やわらかく、献身的な優しい感じ、


 横にフワッと傾けると、スタイリッシュ、都会的で華麗な感じ、


 とか、いろいろバリエーションがあります。




 次に、



 2.「体の軸をひねる」



 

 上下半身を左右に、雑巾をしぼるように、ひねったり、イナバウワーのように、背筋をぐっと反ったりします。


 すると、どうでしょう。


 まるでバネのように、元の安定した軸に戻ろうとするエネルギーを感じるじゃぁありませんか。



 重力とは違った、身体の力学的なエネルギー。


 そのエネルギーにともなって、



 活動的、躍動的、スピード感、野性的、若々しさ、楽しさ、期待感、挑発的、セクシーさ



 などを感じるわけです。



挿絵(By みてみん)



 有名な菱川師宣の「見返り美人図」、これは典型的な「ひねり」です。


 見る人は、この背景が何もない静かな人物画に、ぎゅうっとギリギリまで絞った緊張を、意識的または無意識的に感じます。


 で、さらに言うと、これはただ単に、背中を見せているのではありません。


 お尻を見せつつ、「胸と腹を見せない」でいるのです。


 つまり、この美人は性的なアピールをしながら、「隠したい秘密がある」と思わせている。


 うまいですね。名画ですねー。





 それから、



 3.「腕や足で身体を隠す」



 腕組みをしたり、足を組んだり、手足で、顔や胸、股間などを守ろうとするような「しぐさ」をさせます。


 この、身体を守ろう、隠そうとすることで、



 清楚さ、慎重さ、上品さ、高貴、高嶺の花、豪華、高級感、厚み、



 などを、感じちゃうんですね。


 ガバッとおっぴろげで見せちゃうよりも、隠そうとしたほうが魅力的。



挿絵(By みてみん)



 どうでもいいけど、チラリズムはその辺の心理がはたらく結果でしょうね。





 4.「伝統的な型」



 長い年月を経て、もっとも洗練されたもの。



 それが「型」。



 各種武術や、能や日本舞踊などの芸能。礼儀作法。それらの型をそのまま用います。


 簡単なようで難しい。


 指先の一本一本にまで、「気」がこめられた美しさ。



 たとえば、男子学生が、弓道部の女学生を見て、胸キュンしちゃうのは「理」にかなっているのです。


 当然です。あたりまえ体操。



 ぜひ使ってみましょう。





 とまあ、いくつかのコツを挙げましたが、


 実は、


 1から4のコツを使わない場合もありです。


 例えば、素朴な感じ、ナチュラルな感じを出したい時とかね。



 また、


 1から3のコツをまとめて使うと、複雑で不思議な感じが出て来ます。


 ミステリアスなキャラを描く時はいいかもしれませんね。





 それから、視点。


 絵の中を人物を、上から見る(フカン)か、下から見る(アオリ)かで、キャラと鑑賞者の力関係が表現できます。


 上から見ると(フカン)、人物を下位に見るので、キャラのかわいらしさ、弱さなどが強調されます。


 下から見ると(アオリ)、人物を上位に見るので、キャラのかっこよさ、強さなどが強調されます。




 さあ、これで、あなたも「上手に見えるキャラ」が描けるはず。


 試しにいろいろ描いてみましょう。


 もしうまく描けなかったら、その絵を見せてくださいね。お直ししましょう。





 次回は、実践編。


 お楽しみに!








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ