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BE DAYS!!  作者: 正葉
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プロローグ

初オリジナル作品です。

至らない所は多々あると思いますが、是非読んでください!

最初はプロローグなので短いです。

ブサイクとは罪なものなのだろうか?


否、そんなはずがない。ブサイクだって人間だ。

容姿という自分ではどうにもできない、遺伝子や運で決まるものに人生が左右されてよいわけがない。罪であってはいけない。

しかし残念ながら、こ現代において、ブサイクというものはほぼ需要がない。B専なんて人種はテレビの中だけで、俺は実際見たこともないし、信じていない。

そりゃそうなる、誰だって美男とブ男なら美男を選ぶし、美女かブ女なら美女を選ぶ。俺だってそうだ。


B専なんてものはブサイクも受け入れる私の心広い!と言わんばかりのあざとさにしか思えない。

そう、いつだって、世の中なんてものは平等を称して不平等なのだ。

そんな世の中なんて……。


「いっそ、全部消えればいいのに……」

「なにごちゃごちゃ言ってんだ?お前」

「とりあえず解放してくれないかな?」

「お前がさっさと金出したらな」


俺こと、十川武久とがわたけひさは今カツアゲにあっていた。

何を血迷ったのか、新学期だからといって、変にテンションが上がっていつもより早く家を出た。

そしたら、学校の最寄り駅のコンビニでたむろしていた不良グループに絡まれたのである。全くついていない。俺に絡んでいる不良A、B、C、Dは当然、簡単に解放してくれそうにない。道行く人は俺の方をチラ見してそそくさと過ぎ去って行くので助けもない。おら、こんな村いやだ。おっとこれは違うか。


まぁ別に助けがないのに関しては、なんの怒りもない。もしも俺が逆の立場なら同じようにしていただろう。もっとも被害者はいつも俺だからそんな場面に出くわすこともないだろう。なぜなら俺は……。

「お前本当ブサイクだなぁ」

不良グループの一人がその言葉を口にしてそれに対して周りのやつらがバカにしたように笑う。耳障りな笑い声が俺の聴覚を襲う。


しかし、残念ながらこいつらの言ってることは間違ってない、俺はブサイクだからである。

開いてるかどうか分からない目にまるっぽい鼻、だらしない口元にボサボサの頭と昔からよくバカにされたものだ。

人間というものはすぐ自分より下の人間をバカにしたがる。そういうとき、誰がどうあってもまず第一に人間の勝敗を分けるものが容姿なのだ。その点で俺は全戦全敗する。


だから俺は生きてきた中で散々この容姿をバカにされてきた。苦ではなかったと言ったら嘘になるがそれも最初のうちだった、慣れたのだ。


人間の慣れほど怖いものはない、いつからかいくらブスだの、キモメンだのと言われてもなにもおもわなくなった。おそらく、感覚が狂っている。

大方、こいつらも俺を見た目で判断してカツアゲしてきたのだろう。


登校中にコンビニでたむろしていたら、ブサイクなやついたからカツアゲしてやったぜとか学校でネタにされるのだろうか。アホらしい……。


「なに、ニヤケてんだ、ナメてんのか?あぁ?」

そんなことを考えていたのが顔に出たのか、不良が突っかかってくる。


「いや、暇なやつらだなと思って」

「ああ?」

「だってそうだろ?こんな朝っぱらから集合してカツアゲなんてご苦労なことで」

しまった、勢い余ってすごい煽ってしまった。


「おいおいこのブスなんか俺らのことバカにしだしたぜ」

「これはきょーいくてきしどうが必要だな」


そう言って不良たちがぞろぞろと近づいてくる。


「おいおい、4対1は卑怯じゃない?」

「はっ!!これは喧嘩じゃねぇリンチだ!」

「教育的指導どこにいったんだよ」


これのどこに教育の要素があるのだろうか?

まったく、これだから不良は嫌いなんだ。

単純で暴力的で本当に理不尽だ。


「うるせぇ!お前のその顔整形してやるよ!」


不良Aの拳が見事に俺の頬にヒットする。顔に強烈な痛みが走る。

でたよ、ブサイクを殴るときの常套句みたいなやつ、人の拳で整形できるならとっくにやってるよ!やらないけど。


「いってぇな、朝から殴るなよ……」

「これで終わりじゃねぇぞ!もう一発だ!」


そう言って再度、不良Aが俺に拳を振りかざす。こいつ初対面なのに俺のこと嫌い過ぎない?てか顔普通に痛い。

同じところをまた殴られたら嫌なので、すかさず手を顔の前にし、ガードしようとする。


「ぐあっ!」


この状況で俺以外出そうにない声がする、なによりなかなか殴られないので不思議に思ってガードを解いた。

すると、俺を殴ろうとしていたはずの不良Aが突然地面に突っ伏していた。

え?なに俺、秘められた力でも解放しちゃった?

よく見ると他のやつらもぶっ倒れてるし。なんだこれ?


「なんだこれとか思ってる?」

「うおっ!」


後ろから当然声がしたので、思わず変な声が出てしまう。


「ははっ、驚いた顔もやっぱブサイクだねっ!武久」

「お前かよ……」


振り返ると茶髪の青年そこにいた。

志田光しだひかる、俺の小1からの幼なじみだ。

俺の正反対のイケメンで、運動神経もよくてコミュニケーション能力も高く、基本的な家事もできる高スペック人間である。


「これお前が?」

俺はそう言って倒れてる不良たちを指す。

光は「助かったでしょ?」と満面の笑みで返してくる。この状況だとその笑顔こえーよ。


「まぁな、っでいつから見てたんだ?」

「武久が不良たちに暇人どもがぁ!って煽り始めたときから」

「ならもっと早く助けろよ、てかそんな言い方してない」

「すぐ助けたんじゃ面白くないし、一発ぐらい殴られてくれないと正当防衛にならないでしょ?」

「なんか色々おかしくない?」


この場合、正当防衛が成立するのは俺が反撃したときだろう。こいつは関係ないはずだ。そうなると俺は殴られ損だったのではないだのではないだろうか?

まぁ、すぐに助けなかったのは引っ掛かるけど助けてもらったという事実に変わりはないし、こいつには一応、礼を言っておこう。

改めて言うのも照れくさいが。


「まぁ、その、あんがとな助けてくれて」

「武久ーなにしてんだよー、あまり時間ないよー」


無視かよ。ってかもう先にあいつ行ってるし!

切り替え早いな、おい……。


変に照れてしまったことと家を早く出たことを後悔しながら、俺は光を追いかけるように走り出した。

口の中が切れていたみたいで、吹き抜ける風が頬を刺激する。


「……痛い」


新学期、十川武久、今日から高校二年生だ

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