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終わりと始まり
睡眠薬を頬張った瞬間
異常な吐き気が一瞬襲ってきたが、その後激しい眠気に襲われた。
その眠気に逆らわず静かに瞳を閉じた。
暫くすると吸い込まれる感覚に襲われた。
目を開けるとそこは、黒い渦の中だった。
例えるなら、ブラックホールが一番正解に近いかもしれない。
多少の恐怖感はあったが
そのまま身を任せることにした。
また意識が遠のいていく。
これが死ぬって事なのかな
そんなことを思いながら再び瞳を閉じる。
もう僕が、瞳を開けることは一生無いだろう。
と、悟った瞬間、ブラックホールの先から激しい光が差してきた。
あまりにも眩しいそれは、僕の重い目を再び開かせた。
「…んっ」
思わず声がでてしまう。
次の瞬間、黒い渦の中から巨大な手が現れ、
僕の体をわし掴みにした。
そして光の指す方向へ投げたのだ。
まるでドッジボールのボールのように投げられた僕の体は
すぐに光の先へ飛ばされた。。
眩しさと恐怖で思わず閉じてしまった瞳を
恐る恐る開けてみた。
その先にあった風景に思わず息を呑む。
「...っ」