表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FLOWER GARDEN  作者: wakame
1/3

荒んだ心

額にじんわりかいた汗を拭ってくれるかのように

夏の心地よい風が通り抜けていく。


高校受験に追われている僕には

こんな些細な風までも幸せに感じてしまう。


両親は弁護士。そこそこ裕福な家庭に生まれ、

そこそこ綺麗な容姿に生んで貰った僕は

周りの人間から観たら、「幸せ」なのだろう。


しかし、そんなことは決してあるはずがない。

どんな人間にも悩みはあるもの、そして尽きないものなのだ。


僕の場合は、両親からの圧力。

いわゆる、プレッシャーというやつだ。


「完璧な息子」


これが両親の口癖。


物心ついた時には塾に通っていて

「秋人はあの子の分も頑張るの。」

そう言われて生きてきた。

 

「…あの子って誰なの?ママ…」

まだ幼かった僕は純粋に知りたかった。



「…」

しかし母親は顔を曇らせただけで、何も答えようとはしない。

聞いてはいけない事なんだと、物分りの良い振りをした。

それからは一度も尋ねることはしなかった。


勿論、今でも「あの子」が誰だかわからない。


誰かもわからない「あの子」の分も僕は

頑張らなければならない。



「こんな生活、もう終わりにしよう。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ