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水面と海と人魚姫
きらきら輝く水面の青を
海の底から見上げてた
太陽の光がきらきら光って
よせて、かえして、さざめいて
それは私が知っている
一番綺麗な景色だった
けれど、あの日、あの夜に
嵐に荒れる海の中に
落ちるように沈んでくる
貴方を知って、色褪せた
世界の全てが色褪せた
今の私の目には世界の全てが
この静かな海の世界が
穏やかで、けれど味気なくて
何かが欠けているようにすら、思えて
何度も何度も水面を見上げる
水面の先に広がる世界は
貴方を含めて、きっと、たぶん
きっと、もっと美しくて
もっと、きっと鮮やかで
ーー私がそれを諦めきれずに
手を伸ばすまで、あと少しーー
ーー水面へ浮かぶ泡のように、人魚の恋はとまらないーー
人魚姫のお話が、童話の中では結構好きです。




