1,プロローグ
~中学~
「誕生日おめでとう」
蓮の爽やかで透き通るような声が部屋に響く。
今日3/4、私、木原みよの誕生日だ。
名前の由来は見ての通り、3と4でみよだそうだ。
今日は木原家と柊家が集まって私を祝福してくれている。
「あ、ありが…とう」
改まった会話に、戸惑っている自分がいた。
きっと自分自身では分からないが、顔が引きつっていたと思う。
でも蓮は、気にしないように
「これ、!」
と、頬を掻きながら私に一本のカーネーションを渡した。
「またカーネーション?」
半ば呆れ気味に言いながらも受け取った。
内心嬉しかった。
「誕生日は毎年コレって決まってんの!!」
ふてくされたように頬を膨らます蓮。
そう、15本目のカーネーション。
今までも蓮は忘れずにカーネーションをくれた。
「はいはい、ありがとう」
私はわざとらしく言って頭を撫でてやった。が、
くそ、頭に手が届かねぇ。
私は諦めた。
「頭、撫でてくれんの?」
蓮はその場でしゃがんだ。
まるで懐いてくる子犬のように。
私は可愛くて仕方がなかった。
弟みたいな存在の蓮。
恋愛的な感情なんて考えたこともなかった。
ゆっくりのんびり書きます!!!
見てくれると嬉しいです´ `*