本当のおっぱい
果てしなく広がる砂利道に、1人の少年がいました
空は青く晴れて、鳶が鳴いています
風が少し強いです
お天道様が真上で爛々と輝いています
少年はいつまでも続く砂利道を
てくてく
てくてく
と歩いていきます
すると前からAカップのおっぱいがやってきました
Aカップですから、とてもスレンダーで小さいおっぱいです
Aカップのおっぱいは
少年を見ると
「私のおっぱいはAカップなのよ、凄いでしょう」
といいました
少年はAカップの何が凄いのかさっぱりわからないので
「何が凄いんだい?」
と尋ねました
するとAカップは
「少年は若いから何もわかってないのね、
Eカップのような下品で大きい醜悪な胸とは違う
この素朴な均衡美や
小さい胸に秘められた美しさや、
可愛らしさも、愛らしさも
少しだけ膨らんだ丘陵のような曲線美も
わからないのね」
と嘆くようにいいました
しかし少年は
そのあまりにも小さなおっぱいを見て、言いました
「僕もおっぱい無いからAカップなのかな?」
Aカップは激怒しました
「Aカップのよさがわからないなんて、やっぱりお子様ね、
あなたの胸はまな板でしょう?
私の胸は折り畳みの財布を広げて地面に置いた時くらいには盛り上がっているわ、
それがどうしようもなく美しいの、
男の胸と一緒にしないでよね」
「へぇ、そうなのか、」
少年は納得しつつ
心の中に『もやもや』を残しながら
Aカップと分かれて
また歩き始めます
少年はいつまでも続く砂利道を
てくてく
てくてく
と歩いていきます
すると前からEカップのおっぱいがやってきました
Eカップですからとっても大きなおっぱいです
Eカップのおっぱいは少年を見ると
「私のおっぱいはEカップなのよ、凄いでしょう」
といいました
少年はEカップの何が凄いのかさっぱりわからないので
「何が凄いんだい?」
と尋ねました
するとEカップは
「少年は若いから何もわかっていないのね、
Aカップのような貧相で乳臭い胸とは違う
絢爛でふくよかなこの機能美や
大きく弾力のある胸の柔らかさや、芳しさも、
丸いお椀を逆さに置いたような芳醇な山のお肉の美しさも
わからないのね」
と嘆くようにいいました
しかし少年は
そのあまりにも大きなおっぱいを見て、言いました
「大きい駄肉をぶら下げて、肩を凝らす事が何の自慢になるんだい?」
Eカップは激怒しました
「Eカップのよさがわからないなんて、やっぱりお子様ね、
あなたの胸は硬いマットのようでしょう?
私の胸はやわらかくて、大きくて、とっても気持ち良いの、
そしてどうしようもなく美しいのよ、
何もわかってない男が偉そうな事言わないでよね」
「へぇ、そうなのか、」
少年は納得しつつ、
心の中で『もやもや』を残しながら
Eカップと分かれて
また歩き始めます
少年はいつまでも続く砂利道を
てくてく
てくてく
と歩いていきます
すると前から、おっぱいの伝道師
『おっぱいマイスター』がやってきました
おっぱいマイスターは少年を見ると
「いまさっき、どうしようもないおっぱい2人を見なかったかね?
私の『おっぱい道』の弟子なんだが」
と聞きました
少年は尋ねました
「おっぱい道ってなんですか?」
おっぱいマイスターは柔らかく微笑むと
紳士に、そして真摯に答えました
「おっぱい道とは、より良いおっぱいを目指して、日々、美しさを磨き、
おっぱいの素晴らしさを悟り、己の誇れる『本当のおっぱい』を目指す教えのことさ」
少年はそれを聞いて答えます
「僕はさっき、おっぱい2人を見たけど、2人とも、
『どうしようもないおっぱい』じゃないみたいでした、凄く自慢げでしたから、
『どうしようもないおっぱい』の人は見ていないのだと思います」
そう答えると、
おっぱいマイスターは少し顔を顰めて
「いや、その2人であってるよ、確かにあの2人は良いおっぱいだ、
だが同時に、どうしようもないおっぱいでもあるんだよ」
少年は聞きました
「どうしてですか」
するとおっぱいマイスターは空を飛ぶ鳶を見つめながら答えました
「どんなに形が良くても
どんなに大きくても、小さくても、
それを自慢するようじゃだめだ。
確かにあの2人は自分のおっぱいを好きだし、
誇りだと思っている、
それは確かに素晴らしい事だけど、
やはり、彼女たちのソレは心のどこかで誇りではなく驕りになっているんだよ
心の底から自分のおっぱいを愛しきれていないんだ。
そして何より、他者のおっぱいを愛さない限り
自分のおっぱいの真価を知ることはできない。
彼女たちはその心がまだできていない、だから『どうしようもないおっぱい』なんだ
本当の所、おっぱいには大きさも弾力も肌の色も関係ない。
ただ、愛と誇りを持ち、『他者のおっぱいすらも愛せるような者が持つおっぱい』
だけが心底美しい『本当のおっぱい』なんだよ」
「そうか――――――なるほど、そうなのか」
少年の中のもやもやはその瞬間に完全に晴れて
心から納得しました
その少年の笑顔を見て
おっぱいマイスターも微笑みます
少年は
清清しい気持ちで
おっぱいマイスターと別れて
そこまでも続く砂利道をまた歩き始めます
そうしていつしか
どこまでも続く砂利道は、
やがて、美しい夕日を背景にした町へと変わり行きます
少年は少し立ち止まると
「あの2人、立派な『本当のおっぱい』になれるといいな」
と
そっと優しく呟いて、
町の中の自分の家を目指して
また歩き始めました
「本当のおっぱい」 完
私はなんでこの話をかいたのでしょうか、
それは、私の頭がいかれてるからだと
友達はいいました、
たぶんそうなのでしょう。