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ひねくれカウント、1限目

僕はいつもより弾む足取りで、教室へ向かった。


「おはよう」


「おはよう、宇田くん」


僕は意外にも、自分から挨拶をする方だ、これは小学生からの習慣だろう。


「今日教育相談だよね?」


「そうだよ、多分宇田くんは今日だろうね」


「さっきまで教育相談のこと忘れててさ、なんだかラッキー。」


「いいなー僕は渡辺だし、最後の方だな」


すると、チャイムが鳴った。


僕は席に着く。


目の前には先程の渡辺くんがいるから、その面でもラッキーだろう。


「おはようございます。」


先生が入ってきた。


落ち着いた先生で、体育会系、とは程遠い。


「起立、礼、おはようございます」


(なんだよこれ、わざわざ礼とかいらないんじゃないか、多分ほとんどの人は昔からやってるから、とかいう単調な理由で、違和感とかないんだろうけど。)


こんなことを度々思う。


ひねくれカウント3…


僕のひねくれって、嫌味も混じってるよな。


今更こんなことを思ったところで、分かりきっていることだった。


自分のこういうところが嫌なんだから。


「今日から教育相談です。まずは1番~5番までの方からやっていきます。」


僕は5番だ。今日の一番最後。


「それでは今日も1日頑張りましょう。」


僕はこの先生のそこまで力の入っていない、「1日頑張りましょう。」が心地よくて好きだ。


力が入っていたり、元気いっぱいだと、なんだか嘘くさく感じてしまう。


そう、今朝いた正門の教員のように。


ここもひねくれているのだろう。


1限目は化学。教科自体にはひねくれ要素はないのだが…


「おはようございます、号令お願いします」


「起立」


(お願いします。)


「では教科書78ページ開いてください。」


この先生の授業は、驚かさせるほど、時間ぴったりに終わるし、多分先生の計画通りに授業が進んでいるのだろう。


(こういう人って、日常でも時間にきっちりしているのかな、たまにはルーズになったりしないのかな)


「おはようございます。」


いつも遅刻する佐田が入ってきた。


「時間にいい加減なのはかなり良くないですよ。」


「すみません。」


「そうだぞ佐田、時間はみんなのためにあるんだ。」


(ああ、面倒臭いことになった。)


生徒指導の先生が見回りをしていたのだ。


佐田は連れていかれた。


生徒指導に見つからなければこんなことは滅多にないのに。


「はい、では切り替えて。」


授業が再開された。


いつも通り、授業は進み、終了のチャイムが鳴り終わったころ、授業は終了した。


やっぱり細かく計画された授業なのだ。


佐田の指導がなければ、チャイムと同時に終わっただろう。


恐らくひねくれは出ず1限目を終えた。


たまにこの先生に対してひねくれた考えをすることがあるので、心配だった。


僕はこの後の教育相談で話したいことがある。



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