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2-3



後悔の念が込められるのを感じ、レイはもどかしくなり、少し声を強めて言う。




「責めませんよ。僕は、エリオットさんに助けてもらったので」




エリオットはピクッと反応する。




「それにマリーさんも、条件付きですけど、許してくれましたよ」




レイが言うと、エリオットはゆっくりと顔を上げる。相変わらずの綺麗な顔立ちは、暗闇の中でもよくわかった。




(やっぱりイケメンは、どこに行っても映えるな……)




レイがそんな事を思っていると、




「今、余計な事を考えただろう」




と、エリオットが端正な顔を歪めながらレイを見ていた。




「ま、また、顔に出て……?」 




レイがハッとしながら手で顔を包む。




「いや、冗談だ」


「え、え〜……」




エリオットのまさかの発言にレイは戸惑った。




「変な事考えていたんだな」




レイは「うっ」と反応し、弁解の言葉を探す。すると、エリオットが溜め息を吐いた。




(あ、いつものエリオットさんだ)




そう思いながら、レイはどこか安堵を覚える。




「エリオットさん、晩ご飯食べましょう」




切り替えるようにレイが声を掛けると、




「食事はいらないと、いつも言っているが」




と、目を泳がせるエリオット。


レイは(まただ)と、マリーとエリオットのやり取りを思い起こし、内心笑った。




「マリーさん曰く、お腹を空かせてたら、何にも出来ないらしいですよ」




レイが注意するように言うと、怪訝そうなエリオットの顔が向けられる。「同じ事を…」と言わんばかりの呆れた眼差しに、レイは思わず微笑んだ。


するとエリオットは何故か驚いた顔を見せる。




「?」




レイが首を傾げると、「仕方ないな」と、エリオットがゆっくりと立ち上がった。




「悪かったな。お前の部屋に居座って」




エリオットが謝罪を述べる。それに対しレイは横に首を振った。




「いいえ。……僕の部屋、エリオットさんの居場所でも良いですよ」




レイがいつもの無表情だが、柔らかい口調で言うと、エリオットはフッと笑った。




「不思議だな。お前は……たまに、大人の顔を見せる時がある」


「え、そうですか?」




レイは目を瞬かせ、エリオットを見る。




するとエリオットが、口元に拳を当て頬を上げた。




「はは……その顔は子供っぽいな」




エリオットが声を上げて笑う。それを見てレイは目を見開いた。




(エリオットさんも、こんな風に笑うんだ…!)




初めて見たエリオットの表情に、レイは嬉しくなる。


そして、思い出したように口を開いた。




「エリオットさん…!」




名前を呼ばれ、エリオットはレイを見る。




「まだ、魔法を使うのは、怖いんですけど……魔法の事、これからも色々教えて下さい…!」




レイが「お願いします」と頭を下げる。




すると暫くの沈黙。




ダメなのかな…と諦めの気持ちで頭を下げ続けていると、頭上から溜め息が聞こえた。




「……出来る限り、お前の力になろう」


「!」




その言葉にレイはパッと顔を上げる。そして胸の奥から何かが込みあがり、思わずガッツポーズをしていた。


エリオットはそれを見て驚いたようで、コホンと咳払いし、視線を逸らした。




「……そんなに、嬉しいのか」




ポツリと呟くエリオット言葉に、レイは、自分が満面の笑みになっているのに気付いた。




(こんなに嬉しいのは、エリオットさんから学べるから…? それとも、魔法を使いたいから?)




レイは自分でも驚きながら、首を傾げた。


すると、エリオットが扉の方へと足を向ける。




「おい、何を突っ立ってる。下に行くんだろ?」


「!」




エリオットがドアノブに手を掛けながら振り返る。




レイはエリオットの後を追い、マリーの待つ一階へと降りて行った。




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