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7-1



するとエリオットが姿勢を戻し、レイを見下ろす。




「……魔力については以上だ」




少しだけ間を置き、視線を鋭くする。




「次は、実務に入る。魔力の在処、『もうひとつの真臓』を探してもらう」


「……」




そう言って腕を組むエリオットに、レイは一瞬思考停止した。




「……え?」




レイは聞き間違いかと思い、エリオットを二度見る。




(真臓を……探す? え、それは、どこに? さっきの話だと、自分の中にある……。ん? と言う事は、魔法を、使う……って事…?)




急な展開にレイが目を白黒させると、その表情にエリオットは眉をひそめた。




「どうした? やはり怖いか?」




(え……?)




「いや、優しさMAX……ッ!」




思わずツッコむ。




「は?」


「ご、ごめんなさい」




(昨日から思ってたけど、僕、実はツッコミも出来たんだ……)




怪訝な顔を見せるエリオットにすかさず頭を下げたレイは、自分の新たな一面の発見にしみじみ思う。そして、まだ自分には知らない部分があるかもしれないと少し前向きになった。




「……魔法、使えるかも」




ボソリと呟いたレイは、勢いよく顔を上げた。




「な、なんだ……?」




レイの意気込んだ視線に戸惑うエリオット。




「エリオットさん、僕にも、使えますか……魔法…」




意を決して伝えた思いは、エリオットを驚かせたようだった。


暫く意表をついたような表情を見せるエリオットは、静かに頷いた。




「もちろんだ。お前に出来ない事は何も無い」


「!」




エリオットの言葉がレイの背中を更に押した。




(……やってみよう)




レイも大きく頷くと、自身の手を見つめた。




(出来る……力の制御だって、やってみせる…ッ)




レイは、少し震える手をギュッと握り締めた。




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