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6-3


「話を戻すが、基本魔法と専属魔法がある事は、知っているな」




レイはコクリと頷く。




「世界には、基本魔法しか使えない者、両方使える者、そもそも魔力を保持出来ない者が存在する」




レイはうんうんと、反応する。




「基本魔法は、少しの魔力を持っていれば誰でも使える。それに対して専属魔法は、多くの属性魔力を消費して発動する為、その量が多くなければ魔法は使えない」


「!」




レイは知らない知識に目を見張った。




「だが、専属魔力は持っていれば、その属性の魔力の流れを感じ取れる。専属魔法が使えなくても、その特性を生かした職につく者もいるんだ」




(そうなんだ)




興味津々に頷くレイに、エリオットが左の人差し指の指輪を見せてきた。




「ちなみに、さっき通信してきた奴もその1人だ」


「……部下の方ですか?」




レイの言葉に「そうだ」と答えるエリオット。




「奴は水の専属魔力を持つが、魔法は使えない。けれど、水属性の魔力の流れや、空気中の水分の動きを察知して周辺の動きを把握する事が出来る為、先鋭部隊の偵察役として任務を行っている」


「へぇ…」




レイは話を聞きながら、別の事に気を取られる。




(サムは、魔力量が多いって言われてたっけ。…あの時の、サムの反応……っ)




レイはふと親友の顔を思い浮かべる。




すると、




「今、サム・ブラットの事を考えたか?」


「!?」




心の声を読まれ、レイは驚愕する。




(エリオットさんは、読心術が使えるのか…!)




「顔に出てるぞ」




(顔に出てた…!!)




レイが両手で顔を覆うと、エリオットはフッと笑った。




「アイツの専属魔力の量も多い。お前が暴走した時、アイツはシールドを潜り抜けて、お前の元に行けただろう?」


「そういえば、そんな事が……」




エリオットの言葉に、サムが駆け付けてくれた事を思い起こした。




「あれは、シールドを張った司祭より、アイツの魔力が優っていたからだ。それにお前の影響で魔力の量も質も高い。安心しろ」




エリオットに言われ、レイはホッと胸を撫で下ろす。




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