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7-3



「!」


「え……そうなのか?」




ロリエンの問いに、レイはびくっと反応し、ギルミアは驚愕の目でレイを見てくる。


ギルミアは、レイから魔力を感じない為、魔力を持っていないと思い込んでいたようだった。


すると、ロリエンがレイの腕を見た。




「その腕輪(リング)は、700年前の三種族の戦争の際、人間達によって開発された、私達エルフや獣人達の魔力を封じる為の拘束具です」


「「!」」




レイもギルミアも驚きを隠せずにいた。




「その腕輪のせいで、貴方は"ディメント・ショック"という病に侵されています」


「?」




初めて聞く言葉に、レイは怪訝な表情を見せる。ギルミアはどこか納得した様子を見せていた。


二人のそれぞれの反応を見て、微笑むロリエン。




「魔力を持つ者は、常に微量の魔力を放出しています。その魔力が放出されずにいると、魔力が内部に溜まり、身体に異常をきたすのです」




レイが説明を聞き、「なるほど」と呟く。


ロリエンは続けた。




「ダイモンリリーの事を質問した時、ウィアは、あの植物から"甘い香りがした"と言いました。甘い香りに感じるのは、ディメント・ショックの症状が見られる方に多いのです」




レイは言葉を失う。


それがきっかけで、魔力を持っていると気付いたロリエンに、底知れぬ恐ろしさを感じた。


ロリエンは穏やかに続ける。




「つまり、貴方は魔力が使えます。そして、貴方を保護してから二週間程経つのですが、その腕輪のくすみ具合からして、貴方の魔力は相当大きいと思われます。通常ここまでなるのに1ヶ月は掛かるでしょうからね」




レイは腕輪へと視線を下ろした。


このくすみは、魔力を抑える事でなっていたんだ、とレイは汗を流す。




「その腕輪には、ドラゴンの絵が描かれている……つまり、貴方を連れ去っていた人間国は、『ドラコ国』でしょう」


「ド、ドラコ国?」


「!?」




レイは聞き覚えのある国の名前を復唱する。その横でギルミアが目を見張り、顔を歪めるのをレイは見た。




「えぇ。ドラコ国は、"ドラゴン"の恩恵を受けた唯一の国と言われています」




レイは『ドラゴン』という言葉に身体を強張らせた。


その様子をジッと見つめるロリエン。


チラリとギルミアの方を見て、すぐにレイへと視線を戻した。




「貴方がここで目を覚ました時に、連れ去っていたのは、『ゲニウスではないか』と聞きましたね? 貴方はゲニウスからも何かしらのアプローチを受けていた」




レイは、もう逃げられない、と確信した。


ロリエンは、もう自分の正体を分かっている。


レイの足が震え始める。




「この二つの団体で共通するのは、『ドラゴン』ですね」


「…!」




レイは思わず一歩後ろへと足を踏み出す。




「ドラゴンと言えば、今年の"鑑定の儀式"で、ドラゴンの混血の子供が現れたと、世間では大騒ぎになっています。……その子供の出身は、アグリ村だという事も」




穏やかな口調と表情のロリエンの瞳は、鋭くレイを映していた。ギルミアは小刻みに身体を震わせている。




「もう、わかったでしょう」




ロリエンがニコリと笑い、眼鏡を押し上げる。




「貴方がその、世間を騒がすドラゴンの申し子……『レイ・シェルマン』さんですね?」




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