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洞窟のケイオス教

男を追い続けていくと、森に辿り着く。行き慣れた森だが、地面を見ると無数の足跡がずさんに刻まれている。

街の荒らした連中がつけたのだろう。そんなやつらにこの森が荒らされたと考えると、憤りも感じられた。


…男は木々をかわしながら、ある洞窟に入っていく。小さな入り口で足を止めるワンダーズ。

洞窟…狭く、暗く、身を隠すには丁度良い場所だ。ここからはいつでも戦えるように、常に構えた方が良い。

互いの顔を確認し合い、水気を帯びた洞窟の地面に足を踏み出す。


やはり暗い…少し先に進むとすぐに足元が見えなくなり、所々、洞窟の隙間から差し込める僅かな光が光源となる。この隙間が無くなってしまえば、完全な暗黒の世界と化してしまう…そんな不安がつきまとう。


だがその心配はないようだった。しばらく歩いていくと、洞窟の奥に松明の火が見えてくる。

そんなに大きな洞窟ではない。ここがゴール地点だろう。つまり、あの男もこの先に…。

息を揃えて、更に進む。



…洞窟の奥には、少し広い空間が広がっていた。

松明が壁にかけられ、一番奥に祭壇のような物がある。

そこで、あの男が両手を広げ、何かを唱えているようだった。

上を見ると、立派な絵画が飾られている。その絵は、白い竜のような生物が聳え立ち、火に包まれた街が広がる、不穏なもの。

「おい!絵画鑑賞してんじゃねえ!こっち見ろ!」

ラオンがナイフを向ける。

男は、微笑みながら振り返る。その顔は、以前よりも更に不気味さを増したように見える…。

そして、彼は両手を向ける。その手には、警察に没収されたはずのブレスレットが。

まずい!そう思ったれなが叫ぶ。

「あれを見ちゃだめだ!!ついでに耳も塞げ!!!!」

言われた通りにするワンダーズ。


「お前らは何故、人を助ける?」

「うるせえわー!!」

れなにはこの攻撃は効かない。自分が一番動き回れると分かっていたれなは拳を構えて走り寄っていく。


…更にもう一つ、思いがけぬ事が起きた。

どこからともなく黒い光弾が飛んできて、男を吹き飛ばす!


「おお!?」

れなは走る足を止め、横を見る。そこには、ドクロが片手を構えて立っていた。

そう、ドクロもまた、大して物事を考えていないのだ。

「頭の悪さなら、れなに負けてないわ!」

二人は肩を揃えて男に走っていく。男は立ち上がろうとするが、二人は飛び上がり、彼の顔面に拳を叩き込む!

どうやらこの男、催眠術しか攻撃手段がないようだ。ほとんど抵抗して来ず、あの厄介さが嘘であるかのようにスムーズに攻撃を当てられる。

最終的に男は完全なダウンしてしまった。

「やった!」

ハイタッチする二人。あとはこいつを再びムショへぶち込むだけだ。

次は街の方のモンスター達を片付ける。れなが男を抱え、皆は出口へと走っていく。



…だがそんな中、粉砕男と葵だけはその場に残り、絵画を見上げていた。


「…この絵画、前に歴史書で見た気がするわ」

「ああ、俺もどこかでこれを見た」

絵画に触れる粉砕男。絵画自体には特に魔力も感じられず、ごく普通の物のようだ。


しかしその絵の何とも言えぬ迫力は…言葉では表せないものだった。

「まあとにかく、今は街のモンスターを倒す事だな!」

ひとまず、二人はその場を後にした。




街で戦いを繰り広げるワンダーズ。次々に拳を打ち込み、魔法使いモンスター達を倒していく。数ばかりでそこまで強いモンスターではなく、この調子ではあっという間に終わりそうだ。


…しかし、皆は戦いに夢中で、気づいていなかった。

街の上空から見下ろす、一人の怪人…赤いマントを羽織り、青い肌を持つ異様な者の存在に。

「混沌に楯突くか…」


その怪人はマントを翻し…その姿を消してしまった。

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