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第7話 十三日目

小説というよりは音声作品の台本をイメージして書きました。

小説だと思って読むと文がぐちゃぐちゃなので台本だと思って読んでください。

気分が乗ったら続きを書きます。

…………んっ……


ふぅ、熱……はもうないみたいですね。ちゃんと治ってよかったです。


……?なんだか右手が暖かいような……


って、ご主人様?!なんでご主人様が私のベッドに寄りかかって寝てるんですか?!


お、おはようございます。って、いやいや。それどころじゃないですよご主人様。なんでそんなところで寝てたんですか。しかも毛布も何も掛けずに。


私は確かに昨日の夜寝付くまで手を握っていて欲しいと頼みましたけど、私はすぐ寝ついたので私の部屋からもすぐ出られたはず、ですよね?


手?右手がどうかしたんですか…………あっ。


私、まだご主人様の手を握ってる……


あ、あの、もしかして。もしかしてなんですけど、昨日の夜手を握ってから、今までずっと手を握ってくださっていたのですか?


わ、私が手を握ったまま離さなかった……?


そ、そんなの、私が寝付いたら無理にでも手を離して部屋に戻ればよかったじゃないですか。なんでわざわざこんなところで、しかもそんな無理な体勢で寝るなんて。


起こしたくなかった、って……


……っ、……なんで……なんで。なんでご主人様は私にそこまで優しくするんですか……


私を甘やかしたって何にもならないのに……こんなに優しくされると私、もっと……


……ご主人様が本当に優しい人で、私に対する行動に裏がないこともわかっているつもりです。


でも。でもその優しさが、私に対する哀れみから来ているのなら。身寄りのない奴隷の私に同情して、ただの善意で私に接してくれているのなら。


もう、私に優しくしないで……



……きゃっ!ご、ご主人様、そんな急に抱きつかれては困ります!


な、泣いていたから?私が?


泣いてないです!それに、さっき私にはもう優しくしないでと言ったでしょう。早く離れてください!


……え?善意だけじゃ、ない……?


だ、だったらなんで……こんな私なんかに……


…………好き、だから……?


ご主人様が、私のことを好きだから……?


嘘……ですよね?私が変なことを言ったから、好きだって言って誤魔化してるんですよね。


だって優しくて立派な冒険者のご主人様が、私を好きになる理由なんてどこにもありませんし。


は、はは……ご主人様、いくら言葉に詰まったからって、女の子をこんなふうにからかっちゃダメですよ。


一瞬でも、本気にして喜ぶ子だっているんですから……


……きゃっ!く、苦しいですご主人様!なんで腕を離すどころか強くなってるんですか!?


嘘じゃない、本気……?


も、もう、しつこいですよご主人様。さっき言ったことは取り消しますから……きゃっ!


……本当に、本当なのですか?ご主人様は、私のことが好き、なのですか?


……っ!嘘じゃ、ありません、よね。ご主人様は、私のことが、好き……なんですよね。


その言葉、信じます。私の知るご主人様は、こんなところで嘘をつくような酷い人ではありませんから。


…………私、ずっと言わないつもりでいたんです。


いくら普通の生活をさせてもらっても、所詮私はご主人様の奴隷ですから。


でも、ご主人様が私を好きだって言ってくれるなら。


もう我慢しなくてもいい、ですよね。


私も、ご主人様が好きです。大好きです。


この気持ちがいつからなのかはわかりません。気づいたら好きになっていたんです。


お仕事を頑張っているところも、美味しそうに私のご飯を食べてくれるところも、すぐ照れるところも。全部全部、大好きなんです。


昨日も似たようなことを言いましたけど、お仕事を休んでまで私の看病をしてくれたこと、とても大切にされている感じがして本当に嬉しかったんです。


生まれてから今まで、こんなに大切に、優しくされたことなんて一度もなかったから。


私、まだまだ足りないところもありますけど、ご主人様に見合う女性になれるよう頑張りますから。


私を、ご主人様のお嫁さんにしてくれますか?



……ありがとうございます、ご主人様。とっても、とっても嬉しいです。


……っ!あ、れ……なんで、私、泣いて……


嬉しいのに……涙が止まりません……


ふふ、涙が止まらないのに、幸せな気持ちでいっぱいです。


私が落ち着くまで、抱きしめていてくれるのですか?


ふふ、ありがとうございます。いつでもご主人様は優しいですね。ご主人様の腕の中、やっぱり落ち着きます。



〜〜〜



……さっきの私のセリフ……?


や、やっぱり急にお嫁さんは飛躍しすぎだったでしょうか!?最初はやはりお付き合いから始めるべきで……


ちょ、ちょっとご主人様!笑わないでくださいよ!


もう、ついさっきまで良い雰囲気でしたのに。なんですぐこう普段通りに戻っちゃうんでしょう。


た、確かにあのまま寝てしまって全然起きなかった私が1番の問題ではありますけど……


しょ、しょうがないです。我慢していたことをやっと伝えられたんですから。疲れて寝てしまうのも当然というものです。


……でも、本当に夢みたいです。まさか私が、ご主人様とお付き合いできるなんて。


あの、ご主人様。こんなことを聞くのは良くないとわかっているのですが、本当に私なんかで良いのですか?


えっ?”私なんか”は禁止?


た、確かに私がよく使う言葉ではありますけど……


……わかりました。ではこれからは”私なんか”を使わなくても良いような女性を目指しますね。


え?違う?今のままで十分魅力的だから……?って、な、何言ってるんですかご主人様!急にそんな恥ずかしいこと言わないでください!


……でもよく考えたら私もさっきから恥ずかしいことばかり言っていますね……


と、ところであの、ご主人様。私はいつのまにかご主人様のことを好きになっていましたけど、ご主人様はいつから私のことを好きになったのですか?


じ、自分で聞いていてかなり恥ずかしいですけど、どうしても気になります。教えてください。


最初に会った時に一目惚れした……?


あ、あの。つまりご主人様は、まだ私が奴隷商人の元にいた時から私のことが好きだったのですか!?


確かにご主人様はそこまで多忙で家事ができないような感じではありませんし、本当はなぜ私を買ったのかずっと疑問ではあったのですが、まさかそんな理由があったなんて……


いえ!こんなことで引いたりしませんよ!


もしご主人様があの場所で私を見つけてくれなかったら、きっと私は今頃生きる気力を失っていました。大袈裟に言ってなんかいませんよ。奴隷とはそういうものですから。


ご主人様、私をあの場所から連れ出してくれてありがとうございました。ご主人様のおかげで、あの日から今まで私はとっても幸せです。


ふふ、やっぱり照れましたね。自分では恥ずかしいことをさらっと言えるのに、私に言われるとすぐ照れるんですから。


……あの、ご主人様。今日から私たちは恋人同士になったのですよね。そこで1つお願いがあるのですが、良いですか?


……私、ご主人様とキスがしたいです。


こういうことはその場の流れでするものなのかもしれませんけど、ご主人様の性格じゃそれは無理な気がしますし。


その、奴隷ではありますけど私も一応女の子ですし。好きな人とのキスには憧れがあると言いますか……


良い、ですか……?


…………んっ……


……んっ……


……はぁ……2回もしてしまいました……


私はもちろん初めてでしたけど、ご主人様は……?


ご主人様も初めてだったのですね。ふふ、ファーストキス、大好きなご主人様と交換しちゃいました。


お顔が真っ赤ですよ、って言いたいところですけど、顔が熱いので私の顔もきっと真っ赤ですね。


ご主人様とのキス、なんだか今までに感じたことのない気持ちよさでした。また、したいです。


ご主人様もですか?ふふ、もう私たちは恋人同士なんですから、好きなだけキスしても良いんですよ♪



……ご主人様、大好きです。


これからずーっと、私と一緒にいましょうね。

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