第4話 十日目
小説というよりは音声作品の台本をイメージして書きました。
小説だと思って読むと文がぐちゃぐちゃなので台本だと思って読んでください。
気分が乗ったら続きを書きます。
ご主人様、起きてください。
もう朝ですよ。ご主人様~?
やっと起きましたか、ご主人様。おはようございます。
もう朝食の準備ができていますよ。今日は朝からお仕事が入っているのでしょう?早く起きて支度しないと遅刻してしまいます。私は向こうで待っていますから、早く着替えて来てください。
今日の朝食は昨日ご主人様が買ってきてくれたパンです。早くいただきましょう、ご主人様。
あ、ちょっと待ってください。服にゴミがついています……はい、取れました。もう、急いで準備するから気づかないんですよ?ご主人様はもう少し早く起きたほうがいいと思います。
それでは、いただきます。
……ん、このお店のパンは何を食べても美味しいですね。ご主人様が通うのも分かります。
今日の仕事は簡単だから早く帰れそう、と。分かりました。いつも通り留守は私にお任せください。
あ、もう行かれるのですね。行ってらっしゃいませ、ご主人様。
〜〜〜
……よし、これで洗い物は終わり。
次は洗濯です。ふふ、今日はお天気がいいですし、早く乾きそうです。
……ご主人様に買われてから今日でもう10日。この家での家事はもう完璧……なはずです。多分……
ご主人様は私に痛いことをしませんし、その、えっちなこともしようとしません。やっぱり不思議な人です。一人暮らしですし、家事に手がつけられないほど忙しい仕事でもありませんのに。
どうしてわざわざ私を買われたんでしょう?
ご主人様は家事のため、とおっしゃられていましたが……
……理由がなんであれ、ご主人様が私に良くしてくださっていることは事実です。私は奴隷として、ご主人様のお役に立たなければ。
これで家事は終わりました。ちょうどもう少しでご主人様が帰ってくる時間ですね。
そういえば冒険者ってどんなことをするお仕事なんでしょう?町の人からの依頼をこなす仕事としか知りませんし、少し気になります。夕食の時にでも聞いてみましょうか。
もし私がもっと大きくて強ければ、お仕事でもご主人様のお役に立つことができるのに。こんなちんちくりんじゃあきっと足を引っ張ってしまうだけです。
でも人のために頑張るご主人様の姿、かっこよさそうです。ちょっと見てみたいかも、なんて……
って、ダメですダメです!私ったら何を考えているんでしょう。お仕事中の留守を守るのは私の仕事、それをおろそかにするわけにはいきません。
あ、そうです。ご主人様が帰ったらすぐお風呂に入れるように、準備をしておかないと。
〜〜〜
おかえりなさいませ、ご主人様。
お風呂の準備はできていますよ。まだ時間は少し早いですが、すぐ入られますか?
わかりました。それでは私は夕食の準備をして待っていますね……ってご主人様、その袋はなんですか?
あ!これはあのパン屋さんのメロンパンですね!ふふ、ありがとうございますご主人様。今すぐ食べたいところですが、今食べてしまうと夕食が食べられなくなってしまうので我慢します。明日の昼食にいただきますね。久しぶりのメロンパン、とっても嬉しいです♪
はい。それではお風呂にどうぞ。お仕事でお疲れでしょうし、ゆっくりしてきてください。
いただきます。
ご主人様、今日の夕食はいかがでしょうか。ここに来てもう10日とはいえ、まだご主人様の好みを把握しきれているわけではありません。好みと違う味付けでしたら、遠慮なく教えてください。
大丈夫、美味しい、と。ありがとうございます。もし今後も何かあれば、ちゃんと教えてくださいね。
ところであの、ご主人様。ご主人様のお仕事は冒険者とのことでしたが、冒険者というのは普段どんなことをするお仕事なのですか?ご主人様はあまり家でお仕事の話をしませんし、もし嫌でなければ少し教えていただきたいです。
冒険者に興味があるのか、ですか。興味がないといえば嘘になりますが、どちらかというと冒険者というよりはご主人様のお仕事に興味があるというか……
良いのですか?嬉しいです。では教えてください、ご主人様のお仕事を。
今日していたのは町周辺の安全確保、と。やはり町の人の安全を守るお仕事なのですね。安全確保とは、具体的にどんなことをするのですか?
ふむふむ、町の近くで魔物の溜まり場になっているところの見回りですか。もし魔物に出会えば退治もすると。
簡単な依頼でそれですか……思っていた通り大変そうなお仕事です。私はお役に立てそうもありませんね……
家事だけで十分……そう言っていただけるのは嬉しいですが、家事以外のことでもご主人様のお役に立ちたいです。何かないでしょうか。
はい。わかりました。今はとにかく家事を頑張りますね。どんなお仕事でもご主人様に満足していただけるよう頑張ります。
ごちそうさまでした。
ご主人様、今日も私がこの時間にお風呂をいただいても構わないのですか?ご主人様はお仕事でお疲れですのに。
わかりました。そうですね。ではお言葉に甘えて、お風呂をいただきます。洗い物はお願いしますね。
ご主人様、お風呂いただきました。洗い物ありがとうございます。
ところであの、ご主人様。前に耳掃除をしてからもう1週間近く経っていますし、今日も私が耳掃除をして差し上げましょうか?
耳掃除をするのって意外と楽しいんです。ご主人様も喜んでくれていたみたいですし、まだ寝るには少し早いです。あの、どうでしょうか?
まだ早いから遠慮する、ですか。1週間ではまだ早いんですね……そ、それでは次にご主人様が耳掃除をするときは絶対私に言ってくださいね。私が綺麗にしますから!
ふぁあ……ん。し、失礼しました。もう眠くなってしまったので、私は先に眠りますね。
おやすみなさいませ、ご主人様。
〜〜〜
よいしょ、と。
ふぅ、今日もご主人様のお役に立てたでしょうか。
ここでの生活にももうかなり慣れましたし、やっぱり家事以外でもご主人様のお役に立ちたいのですが……
冒険者のお仕事、は私には無理ですし。夜のお世話、はご主人様が望んでいませんし。……私はご主人様が喜んでくださるなら喜んでお世話するつもりですけど……
まあ、考えていてもしょうがないですよね。なにか思いついた時に始めましょう。
明日の朝も早いですし、今日はもう眠いです。
……おやすみなさい。
〜〜〜
…………はっ!……はぁ……はぁ……
……夢、ですか。
なんの夢だったんでしょう。とにかく怖い夢だったことは覚えているのですが……
すごい汗、早く拭かないと風邪をひきますね……
確かこの棚にタオルが入っていたはず。
……はぁ……はぁ……
体が震えています……なぜでしょう、汗はもう拭いたし、寒くもないのに……
急に怖い夢を見るなんて、はは、奴隷なのに幸せに過ごしている自分への罰、でしょうか。
……神様はいじわるですね。
……それよりどうしましょう。このままだと眠れそうにありません。身体もなんだかおかしいし、嫌なことばかり考えてしまいます。
ご主人様に会いたい……
ご主人様、今はきっとお部屋で寝ているでしょう。
こんな夜に急に起こすなんて、ご主人様は怒るでしょうか。
怒って当然ですよね。明日もお仕事があるのに、奴隷にいきなり眠っているところを起こされるんですから。捨てられてもおかしくないくらいの無礼です。
でも。
でもご主人様なら、きっと。
〜〜〜
……失礼します、ご主人様。夜分遅くに本当に申し訳ありません。
あの、申し上げにくいのですが、先ほど怖い夢を見てしまい、目が覚めてしまいました。あの、本当に申し訳ないのですが、奴隷の身で失礼とは分かっているのですが、その、今日はご主人様と一緒に……んっ!
ど、どうしましたかご主人様⁉︎急に私に抱きついて……
急に抱きつきたくなった……?なんですかそれ、はは、ははは……
……あ、れ……涙が……なんで……決してご主人様が嫌だったわけではなくて……あの……ただ……安心して……
……あの、ご主人様……もう少しこのままでも良いですか……?
このまま一緒に寝ても良いのですね……本当にありがとうございます。ご主人様に抱かれていると、安心できてとてもよく眠れそうです……
……ご主人様、ごめんなさい。
今は気持ちがごちゃごちゃで、うまく喋れませんけど、ご主人様の腕のなか、とても気持ちいいです。
ご主人様、おやすみなさい。
……ご主人様、大好き。