第22話 九十九日目 〜朝〜
小説というよりは音声作品の台本をイメージして書きました。
小説だと思って読むと文がぐちゃぐちゃなので台本だと思って読んでください。
気分が乗ったら続きを書きます。
おはようございます、ご主人さ……あっ。
……ふふ、いつもはねぼすけさんなご主人様も、流石に今日はもう起きているみたいですね。まあ、今日までお寝坊をしているようでしたら、ちょっぴり怒ってしまうところでしたけど。
……ふふ、冗談です。今日は待ちに待った旅行の日ですから、ご主人様も楽しみで早く目が覚めたのですよね。
ほらご主人様、まだ出発まで時間はありますし、荷物の準備は昨日終わらせたといっても、朝の準備は大切です。そんなにのんびりしている時間はありませんよ。早く朝食を食べて、旅行の準備をいたしましょう?
はい。今日はたくさん動くことですし、朝食は腕によりをかけて作りました。ぜひ沢山召し上がって下さい。あっ、でも、食べすぎてお腹が痛くならないようにしてくださいね?
きゃっ。もう……ふふ、そんなに鳴いて急かさなくてもあめちゃんのご飯を忘れたりしませんよ。あめちゃんも一緒に食べましょうか。
〜〜〜
ごちそうさまでした。
ふふ、少し張り切りすぎて作りすぎてしまったかもしれませんね。ご主人様、普段よりかなり沢山お食べになっていましたけど、無理はしてはいません……よね?
……!も、もう、ご主人様はまたそうやって恥ずかしいことを堂々と……ま、まあ喜んでいただけたならよかったですけど。
……こほん。それでは私は出発前の準備をしてきます。ご主人様も忘れ物がないように、しっかり準備して下さいね。まあご主人様が何かを忘れても、私が最後に確認するので大丈夫だとは思いますけど……それでも万が一ということはありますから。
〜〜〜
お、お待たせしました。もう私は準備ばっちりです。
…………
……あの、どうでしょうか、この服……
普段は大事にしまっている、ご主人様からいただいた髪留めとチョーカーを着けてみたんです。その、今日は特別な日ですから。本当はペンダントも着けたかったのですけど、チョーカーと一緒に着けるのは難しくて。
わ、私なりに精一杯おしゃれしてみたのですが、もしかしてご主人様の好みには合っていなかったでしょうか……?
……ご主人様?
あの、ええと、ご主人様ったら。
可愛すぎて見惚れてた……って、も、もう。大袈裟すぎますよご主人様。この服自体は何度も見ているじゃないですか。この着合わせは今日が初めてですけど。
それにそんなことを言ったらご主人様だって、その、か……かっこいい、です、よ?
……
……ご主人様?
……あっ、も、もう!このくらいのことで真っ赤になって固まらないでください!こっちまで恥ずかしくなるじゃないですか!
ほ、ほら、早く行きますよご主人様。御者の方を待たせてはいけませんから。
〜〜〜
〜♪
ご機嫌だね、って……当たり前じゃないですか。
私、当然ですけど旅行なんて行ったことがありませんし、人間用のちゃんとした馬車にも乗ったことがありませんから。ご主人様が旅行券を当ててくださった日から今日をずっと楽しみにしていたんです。
それに今回の旅行はあめちゃんも一緒で2人と1匹、家族みんなでの旅行です。ご機嫌にならないほうが不自然なくらいでしょう?
そんなことを聞くなんて、もしかしてご主人様はご機嫌じゃないんですか?
……ふふ、すみません。少しいじわるな質問でしたね。はい、今回の旅行は家族みんなで楽しみましょう♪
あっ、ほらご主人様、あそこに見えるのが私たちの乗る馬車でしょうか。たまに街を走っているところを見かけますけど、まさかあんな豪華な乗り物に私が乗れる日が来るなんて思ってもみなかったので楽しみです。
こんにちは。本日はよろしくお願いいたします。
はい。……はい。わかりました。ここから乗れば良いのですね。はい。よろしくお願いいたします。
ほらご主人様、御者の方を待たせてはいけませんし、早く乗って出発しましょう?
……よいしょ…と。
わぁ、座るところがふかふかです。なんとなくこういう乗り物の座るところは少し硬いイメージがあったのですが、こんなに柔らかいんですね。旅行用のものだからでしょうか?
ふふ、まだ出発もしていないのに、なんだかわくわくしてしまいますね。この辺りの道は普段も通っていますのに、馬車の窓から見るとなんだか違って見えます♪
……あっ、はい。乗り終えました。出発していただいて大丈夫です。はい。よろしくお願いいたします。
ほらご主人様、出発するみたいですよ。
ふふ、動いたらどんな感じなんでしょう。いくら御者の方は扱いに慣れているとはいえ、お馬さんが引くのですから少しくらいは揺れますよね。あっ、あめちゃんは大丈夫でしょうか?
……きゃっ。す、すみません。動き出すことはわかっていましたのに、少しびっくりしてしまいました。動き出すときは少し大きく揺れるんですね。
……ちょっとご主人様、何を笑っているんですか?
え?あめちゃんの方が落ち着いている……?って、もうご主人様、からかわないでください!
だいたい、あめちゃんは動じなさすぎなんです。驚くどころか普通にくつろいでいるなんて、のんびり屋さんにも程があります。……まあ、そこがあめちゃんの可愛いところでもあるんですけど……
え?すぐ驚くところも可愛い、って……そ、そんなところ褒められても嬉しくないですっ!
もう、全くご主人様はいつも調子が良いんですから。
……あっ、ほら見てくださいご主人様。ご主人様の仕事場をもう通り過ぎましたよ。いつもなら行くまでにかなり時間がかかりますけど、馬車ならすぐなんですね。
今はまだ朝ですけど、到着予定はお昼前でしたよね。一体おうちからどのくらい離れたところまで行くんでしょう?……ほんのちょっとだけ怖くなってきましたけど、ご主人様と一緒なら大丈夫、ですよね。
あめちゃんを連れて行けて良かったです。おうちにあめちゃんを置いたまま、こんなに遠くには行きたくありませんから。きっと、ずっとあめちゃんのことを考えてしまって旅行を楽しめませんし。……ま、まああめちゃんの性格なら普通にずっとおうちで寝てたりしてそうですけど……
ふふ、初めての旅行に興奮してしまって、なんだかいつもよりたくさんお喋りしてしまいます。
それもこれも、ご主人様が旅行のチケットを当ててくださったおかげです。そもそも、このチケットがなければ旅行に行こうだなんて考えもしませんでしたから。
ご主人様、ありがとうございます♪
……
……じ、自分で言っておいてなんですが、少し恥ずかしくなってきました。どうしてしまったんでしょう、やっぱりちょっと変ですね、今日の私。
え?割といつものこと……?も、もう!ご主人様!本当に怒りますからねっ!!
〜〜〜
だんだん歩いている人が多くなってきました。雰囲気もなんだか賑やかで、いつもの街とは全然違います。
もうそろそろお昼前ですし、もう到着でしょうか?
ん……っ!ふぅ。ふふ、いくら座るところがふかふかとはいっても、流石にこの時間ずっと座りっぱなしは腰が痛くなってしまいますね。
あっ、馬車が止まりましたよご主人様。どうやら着いたみたいです!うわぁ、すごく素敵な街……!えっと、も、もう降りてもいいんでしょうか!?
あぅ、す、すみません。で、でも見てくださいご主人様。見たことのない建物ばかりで、本当に素敵な街並みなんです。これは落ち着いていられません。
あっ、御者さん。はい。ここまでありがとうございました。もう降りても良いのですか?
ほらご主人様、もう降りても良いみたいですよ。早く降りて、少しでも長く旅行を楽しみましょう♪
……
わぁ、本当に素敵な街……
なんて言ったらいいんでしょうか。趣があるというか、伝統的というか……とにかく独特な雰囲気です。私たちの街とは本当に全然違うんですね。背の高い建物がほとんどないので、私くらいの背でも街を見渡せます。
それに、あまり見ない服を着た方が多いですね。ちょっとひらひらしていますけど、スカートでもなさそうです。上の服と下の服が一緒になっていて、作りとしてはドレス……に近いんでしょうか。
ご主人様はあの服、ご存知ですか?
……浴衣、ですか。はい、初めて聞きました。浴衣、とっても可愛いというか綺麗というか、とにかく素敵です。
馬車を使ったとはいえ、数時間移動しただけですのに。こんなに街並みが変わるなんてなんだか不思議ですね。
あっ、そういえばご主人様、旅行の予定はあまり決めていないとおっしゃられていましたけど、この後は泊まるところへ行く以外特に何も決めていないのですか?
そうなんですね。確かにここまで普段と違う街なら退屈するなんてことはないでしょうし、特に何も決めずに歩いていた方が楽しいかもしれません。
はい。それでは出発しましょうか。あめちゃん、はぐれないように着いてこないとだめですよ?
〜〜〜
〜♪
ただ街を歩いているだけですのに、どうしてこんなに楽しいんでしょう。普段、ご主人様と一緒にお買い物する時も楽しいですけど、やっぱり今日は特別楽しいです。
ご主人様も、そう思っていただけていますか?
ふふ、そうですよね♪良かったです。こんなに楽しいと、時間を忘れてしまいそうですね。
気付いたらもうそろそろお昼時ですし、休憩がてらどこかで昼食でも……ん?
なんだかあのお店、人が並んでいます。
物を売っているお店で並ぶ、というのも珍しいですし、何かご飯を売っているお店でしょうか。ちょうど良いタイミングですし、見に行ってみましょう、ご主人様?
このお店は……お蕎麦屋さんでしょうか。
普段お買い物するお店では普通に売っていますし、おうちでも何度か食べましたけど、よく考えたら近くにお蕎麦屋さんってありませんね。
こんなに並んでいるということは、よほど美味しいお蕎麦屋さんなんでしょうか。お蕎麦、そんなに食べ終わるまでに時間がかからない印象ですし。
ご主人様、せっかくですし昼食はここにしませんか?今から並ぶとなると、少し遅くなってしまうかもしれませんけど……なんとなく気になるんです。
それに、せっかく旅行に来ているのですから、その場所で人気の食べ物を食べてみたいです。私の料理のレパートリーが増えて、ご主人様をもっと喜ばせてあげられるかもしれませんよ。
はい!私は待つのへっちゃらです。それではご主人様、列の後ろへ参りましょうか。
ふふ、おうちの周りにはこんなに行列のできるお店ってほとんどありませんから、新鮮で楽しみです♪
〜〜〜
ごちそうさまでした。
ふぅ……とっても美味しかったですね、ご主人様。少し量が多くて最初は食べられるか心配でしたけど、美味しかったので全部食べれちゃいました。
やっぱりお店で食べるのとおうちで食べるのは全然違いますね。あんなに上に乗せるものの種類があるだなんて知らなくて、びっくりしました。
ふふ、ご主人様もたくさん食べられてましたね。……美味しかっただけに少し残念です。あめちゃんにはいつものご飯しかあげられないので、普段と変わりません。
猫さんと一緒に食べられるお店でもあれば良いのですが……そんなお店ありませんよね。あめちゃんにはいつもより少し良いご飯をあげて、それで我慢してもらいましょうか。……本人は全然気にせず毛繕いしてますし。
ふふ、さてご主人様、お腹もいっぱいになったことですし、お昼からはどこへ行きましょうか?
……あっ、ほとんど決めていないとはいっても、良さげなところを調べてきてくださっていたんですね。流石はご主人様です。
ご主人様のおすすめなら私はどこだって大丈夫ですから、調べてきたところへ行ってみましょう?
ふふ、じゃあここからはしっかりエスコートしてくださいね、ご主人様♪




