第17話 五十三日目&五十四日目
小説というよりは音声作品の台本をイメージして書きました。
小説だと思って読むと文がぐちゃぐちゃなので台本だと思って読んでください。
気分が乗ったら続きを書きます。
……
……
……はぁ……
ご主人様、今日は帰りが遅いです。いつもならもうとっくに帰ってきている時間ですのに。
遅くなる時にはいつも前もって教えてくださるのに、今日は遅くなるなんて聞いていません。それどころか今日は早く帰れるかもしれない、なんて話していました。
……心配です。もしかして、何かあったのでしょうか。
も、もしご主人様に何かあったら……
……
い、いえ、考えすぎですよね。たまたま、たまたま遅くなっているだけでしょう。もうそろそろ帰ってくるはず……ですよね。
……
……!
ご、ご主人様!お帰りなさいませ。
も、もう、今日はどうしたんですか。帰ってくるのが随分と遅かったじゃないですか。心配していたんですよ。
お疲れのようですし、すぐお風呂にしますか?もちろん、すぐ入れるように準備はしてありますよ。
はい、わかりました。では私は夕食を温めておきますから、ご主人様はお風呂でゆっくりなさって下さい。
〜〜〜
ご主人様、どうしたんでしょう。今日は特にお疲れみたいです。
元々早く帰る予定だったのですし、仕事場に行ってから急に大きなお仕事でも入ってしまったのでしょうか。あそこまで疲れ切っているご主人様は初めて見る気がします。
どうにかして、疲れを癒して差し上げたいですけど……何をしたら良いのでしょう。
耳かき……は喜んでくださるでしょうけど、疲れを癒すのとはまた違うような気がします。
ご主人様の好きなものをたくさん作って差し上げるとか……って、今日の夕食はもう作ってあるんでした。
添い寝?一緒にお風呂?プレゼント?
う〜ん、難しいです。なんだか少し考えがズレてきている気がしますし。
ま、まあとりあえず夕食を温めましょうか。夕食を一緒に食べながらご主人様に色々と聞いてみましょう。
〜〜〜
あっ、ご主人様。お風呂から出られたのですね。
夕食の準備ができていますよ。今日は特にお疲れのようですけど、夕食は食べられそうですか?
分かりました。では今運びますので、少しだけ座ってお待ち下さい。
いただきます。
ご主人様。今日の夕食はいかがでしょうか。
そうですか、それは良かったです。
あの、ご主人様。今日お仕事に行く前には早く帰れるかもしれない、と仰っていたのに、どうしてこんなに遅くなってしまったのですか?
急に他のお仕事の人数が足りなくなった、と……
それでご主人様がそのお仕事を手伝っていたのですね。
他の仕事仲間の皆さんに頼られるなんて、流石はご主人様です。
……他の方を助けるのはもちろん良いことですし、その優しさはご主人様の魅力ですけど、無理はしないで下さいね。今日のご主人様、大分無理をしていたように見えます。
ご主人様が帰ってくるのが遅いと、私も不安になってしまいますし……
は、はい。もちろんお仕事なので仕方ない部分もあると思います。ただ、私はご主人様の体調が心配で。
そ、そうですか?それなら良いのですが……
あっ、もう食べられたのですね。お粗末様でした。お皿はそのままで大丈夫ですよ。今日はお疲れでしょうし、歯を磨いてもうお休みになられて下さい。
はい。後片付けは元より私の仕事ですから。ええと、明日もお仕事でしたよね。朝はしっかり私が起こしますから、ご主人様は安心して……え?
……明日のお仕事、無くなったのですか?今日のお仕事が大変だったから?
そうだったのですか、それは良かったじゃないですか。なら明日はゆっくり身体を休められますね。朝は起こしに行ったりしませんから、ゆっくりお休み下さい。
はい。ご主人様、お休みなさいませ。
〜〜〜
ご主人様、やっぱり疲れています……
明日のお仕事がお休みになったのは良かったですけど、やっぱり私もご主人様に何かしてあげたいです。
私にもできること、何かないでしょうか?
とは言っても、私にできることといえば奴隷としてのご奉仕くらい。ご主人様のお仕事の疲れを癒すなんて……
……!
そ、そうです。なぜこんな簡単なことに今まで気づかなかったのでしょうか。
これなら、きっとご主人様は喜んでくれるはずです。それに、お仕事の疲れを癒すことだってできます。
明日はこれで、ご主人様をたっぷり癒して差し上げましょう。
〜〜〜
翌日
〜〜〜
あっ、ご主人様、起きられたのですね。おはようございます。
ふふ、よくお眠りになられていましたね。もうお昼前ですよ。昨日のお仕事の疲れは取れましたか?
そうですか。では今日一日休めばきっと明日には治っているでしょう。病気とかではなくて良かったです。
もうこんな時間ですし、朝食は昼食と一緒にしましょう。今朝食を食べては昼食が食べられなくなってしまいますから。
それで、その、ご主人様。まだ昼食までは時間が少しありますし、私がご主人様の疲れを癒して差し上げようと思うのですが、いかがですか?
昨日のご主人様、とても疲れていて辛そうでした。一晩寝てだいぶ良くなったとはいえ、まだ疲れは残っているのでしょう?今日一日休めば良くなるとは思いますけど、治るのは早いに越したことはないですし。
はい!お任せくださいご主人様。ご主人様の奴隷兼恋人として、私が完璧に疲れをとって差し上げますね。
何をするのか……ですか?
はい、それについては昨日しっかりと考えておきました。今回はマッサージをしようと思います。
マッサージといっても種類がたくさんありますけど、今回は全身がお疲れのようですし色々試してみたいんです。
……な、なんでそんな微妙なお顔をしているんですか。そんな心配そうな顔をしなくても大丈夫ですよ。安心してください。確かに誰かをマッサージした経験はありませんけど、本は読みましたから。
それに私は耳掃除だって初めての時にすぐうまくできたんです。今回だってきっとうまく出来るはずです。
……なんで更に微妙なお顔になるんですか。さては私の腕を信用していませんね?
百聞は一見にしかずです。まず最初は肩たたきをしますので、ご主人様はこちらのイスにお座りください。
はい。それでは行きますよ。本では肩こりによく効くと書いてありましたけど、肩を叩くだけですからあまり効果は期待しないでくださいね。
ええと、確か肩のこの辺りを……とん、とん、と……
とん、とん、とん、とん……
とん、とん、とん、とん……
とん、とん、とん、とん……
……あ、あの、ご主人様?先ほどからずっと黙られていますけど、もしかして私の肩たたき、何か間違っていたでしょうか?
やっぱり肩を叩くだけですから、あまり気持ち良くないのでしょうか……?
……え?違う?気持ちが良いからつい黙っていた……?
そ、そうなのですね。も、もう、紛らわしい反応をしないでくださいよご主人様。少し心配になったじゃないですか。
それでは、やり方は今のままで合っているということですよね。このまま続けますよ。
とん、とん、とん、とん……
とん、とん、とん、とん……
ふふ、リズムよくご主人様の肩を叩くの、なんだか少し楽しくなってきました。本には同じ位置ばかり叩かずに少しずつずらすと良いと書いてありましたし、そろそろ少しずつ叩く位置をずらしてみましょうか。
とん、とん、とん、とん……
どうですか?ご主人様、気持ちいいですか?
ふふ、嬉しいです。ご主人様、とっても嬉しそう。最初から上手くいくなんて、やっぱり私にはご奉仕の才能があるのかもしれません。
とん、とん、とん、とん……
とん、とん、とん、とん……
〜〜〜
とん……とん……とん……とん……
……すみませんご主人様、少し休憩させてください。
はい……普段両手をこうして動かすことなんてないからでしょうか、なんだか手がすぐ疲れてしまいました。
い、いえ。まだやりたいマッサージはありますから。肩たたきは休憩ですけど、その間は他のマッサージをさせていただきます。
次のマッサージは……肩揉みです。肩を揉む、とのことですが、どうやって揉んだらいいんでしょう?本では肩を手のひら全体でつまむようにしていましたけど、こう、でしょうか……?
もみもみ、もみもみ……
もう少し強く、ですね。分かりました。
もみもみ……
ま、まだ強くですか?これ以上強くすると逆に痛くなりそうなんですけど、ご主人様がそうおっしゃるなら…….
もみもみ……
大丈夫ですかご主人様。痛くありませんか?
はい。分かりました。ではこのままの強さで揉ませていただきますね。
もみもみ、もみもみ……
もみもみ、もみもみ……
ご主人様、これ、本当に気持ち良いんでしょうか。やっている私からしたら、くすぐったそうなだけであまり気持ち良さそうとは思えないのですけど……
は、はあ。ご主人様がそうおっしゃるなら……
もみもみ、もみもみ……
もみもみ、もみもみ……
今更ですけど、ご主人様の肩をこんなに触ったことなんて、今までなかったので新鮮です。やっぱり男の人ですから、女の私と比べると大きくて、がっしりしています。
ふふ、肩が凝っていて固いのか、元々このくらい固いのか、よく分かりませんね。
もみもみ、もみもみ……
もみもみ、もみもみ……
〜〜〜
……ふぅ。
はい。肩揉みはこれでおしまいです。
まだやりたいマッサージもありますし、肩揉みだけをずっとするわけにもいきませんから。
そんなに気持ちよかったのですか?ふふ、それはよかったです。またして欲しくなったらおっしゃってくださいね。いつでもして差し上げますから。
ええと、次にするマッサージは足つぼマッサージです。
冒険者のお仕事はたくさん歩くものだと、先日ご主人様のお仲間さんたちから聞きました。昨日のお仕事でもきっとたくさん歩いて、足が特にすごく疲れていると思うんです。冒険者の方は仕事柄、足を痛めやすいということも聞きました。
なので今日は、私がご主人様の足を癒して差し上げます。
そんな、汚いからなんて遠慮なさらないでください。何をおっしゃっているんですか。ご主人様のお身体に汚い場所なんてありません。それにご主人様は昨日お仕事から帰ってきてすぐお風呂に入られたじゃないですか。
私は今日、ご主人様のお仕事の疲れを完璧に癒して差し上げると決めているんです。ほらご主人様、ここに寝転んでください。しっかりリラックスしてくださいね。
私の読んだ本によると、足の疲れには足つぼマッサージが本当によく効くらしいんです。この本には足つぼの場所も書いてありましたし、これを見ながら押すのでご主人様は心配なさらないでください。私が適当に押すわけではありませんから。
それではまず右足からいきますね。ご主人様はそのまま寝転んでリラックスしていてください。すぐ気持ち良くなるはずですから。
えっと、右足のつぼは……えいっ!
きゃっ!ど、どうされたのですかご主人様。そんなに大きな声を出してはご近所の方に迷惑ですよ。
え?痛い……?
い、痛かったのですか!?も、申し訳ありませんご主人様!確かにこの本の通りに押したはずなのですが、どこを間違えてしまったんでしょう……
もしかしたら勢いよく押し過ぎてしまったのかもしれません。今度はゆっくり力を入れますから、痛かったらすぐおっしゃってくださいね。
えっと、位置はここで合ってるから、こうして……
ゆっくり、ゆっくり……よいしょ、と……
どう、でしょうか。今度はゆっくり押してみたのですが、気持ちいいですか?
そ、それは良かったです!先程はやっぱり勢いが強すぎたのですね。それではこのまま続けますので、ご主人様はまた寝転んでいて大丈夫ですよ。
よいしょ……
よいしょ……
……あの、ご主人様。先程からたまに少し痛そうな顔をしている時があるのですが、大丈夫ですか?
もしかして本当は痛くて、気持ち良くないんじゃ……?私に気を使う必要なんてありませんから、痛い時はちゃんとおっしゃってくださいよ?
え?痛いけど、気持ち良い……?
……?
痛いなら、気持ち良くないのではないのですか?
……よく分かりません。でも、気持ち良いなら続けて大丈夫……なんですよね?
わかりました、それでは続けます。でも本当に痛くなったらちゃんと教えてくださいね。
よいしょ……
よいしょ……
これ、やっている私からしたら上手くいっているのかどうかがよく分かりません。どのくらいまで強く押せば良いんでしょうか。
よいしょ……
よいしょ……
〜〜〜
……ふぅ。これで右足も左足もここに載っているつぼは全部押し終えました。
ご主人様、どうでしたか?少しでも足の疲れは取れたでしょうか。
ふふ、そこまでお褒めいただけるなんて嬉しいです。この本を読み込んだかいがありました。
はい。これで私がしたかったマッサージは全ておしまいです。ご主人様、お疲れ様でした。
私はマッサージというものをしたこともされたこともありませんでしたから。正直に言うと少し不安なところがあったんです。でも、その不安は杞憂だったみたいですね。
ご主人様?先程も言いましたけど、次から疲れた時はすぐ私に教えてくださいね。しっかり私がマッサージで癒して差し上げますから。
ふふ、それでは私は昼食の準備を……あっ。
……えっと、あの、その。マッサージではないんですけど、親しい男性を元気付けられると噂で聞いた方法がまだひとつありまして。決して私が思いついたわけではないのですけど、その……
……
ご主人様、そのままベッドの端に座って、少しだけ目を瞑っていてもらえますか?
はい。ありがとうございます。私がいいって言うまで、絶対に目を開けないでくださいね。
……ふぅ。
ぎゅ〜〜〜っ。
ご主人様はいつもお仕事を頑張っていて偉いです。いつも私を守ってくれて、私のために頑張ってくれて、とってもかっこいいです。
ご主人様はそう思われていないかもしれませんけど、ご主人様はとってもすごい人なんですよ。お仲間さんたちも、みんなご主人様のことを褒めていました。
優しくて、かっこよくて、素敵なご主人様のこと、私はいつも考えているんです。今ごろ何をしているのかな、とか。早く帰ってこないかな、とか。
なので、疲れたり、大変だったり、何か苦しいことがあった時は、遠慮なく私に教えてください。色々なことに立ち向かって頑張っているご主人様はかっこいいですけど、ひとりで悩んだりなんて、そんなこともうしなくていいんです。今のご主人様には、私がいるんですから。
ふふ、よしよししてあげます。よーしよーし。ぎゅ〜〜〜っ。
大好きですよ、ご主人様…………んっ……
……
……
……はい。目を開けていいですよ。
その……いかがだったでしょうか。私の囁きとなでなでは、ご主人様を癒すことができたでしょうか。
私の気のせいなら良いのですけど、ご主人様はずっと疲れや悩みをひとりで抱えてしまっているようなところがありますから。今回はそれもお伝えしたかったんです。
あっ、もちろん嘘なんてついていませんよ。私が思っていることを口にしただけです。
読んだ本では、自分に対する本音を囁かれると男性は癒されると書いてあったのですが……もしかしてご主人様には当てはまりませんでしたか?
きゃっ、そ、そんな勢いよく首を振らなくても大丈夫ですよ。ふふ、癒されたのなら良かったです。
……でも、この方法はもうやりません。
なんで、って……そんなの恥ずかしいからに決まっているじゃないですか。面と向かって言うわけではないから大丈夫と自分に言い聞かせてからやってみましたけど、言っている最中顔から火が出るくらい恥ずかしかったんですから。
勢い余って、その、キスまでしてしまいましたし……ご主人様は癒せても、私が逆に疲れてしまいました。
も、もう一回って……ご主人様は私の今の話を聞いていなかったのですか?もう2度とやらないって言ったばかりじゃないですか。
恥ずかしがっている今の顔も可愛い……?今度は面と向かって言って欲しい……?
も、もう!元気になった途端にいじわるばっかり!ご主人様の今日のご飯は絶対好きなもの作ってあげませんからね!




