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○○王子と婚約者の私

雪山王子と婚約者の私

掲載日:2023/12/30

応募の都合上……本文は千文字で終わりです……。

 私の婚約者は王子様。

 王位継承順位は、そこそこ低い。

 ご公務とかも、本当にそこそこ。

 殿下はいつも暇そうで、だけど、ここしばらくは北の隣国に出掛けていた。


「でんかーっ! 今日も婚にゃっ……くっ……にゃむむむむさむっ!」


 寒い!


「なんで今日に限ってここはこんなに寒いのですか!」


 ここは殿下と私専用の研究室だ。

 暇人殿下は日夜この部屋で得体の知れない研究に励んでいる。


「やあ、婚約者殿……」


 雪と氷に覆われた研究室。

 そこには氷の貴公子————


「今日に限らず君は美しい……」


 ではなく!


「それはどうもありがとうございます! 部屋もお世辞も寒過ぎです!」


 鼻水を垂らした、私の王子様。

 何か嵩張かさばる物を抱えている。


「お世辞ではないのだが……まずはこれを着てくれ……」


 渡された物を広げてみる。

 人が一人収まる大きさだ。


「なんですかこれ?」


 白くて大きなのっぽの……円錐えんすい形。


「『雪山スーツ』だ! 頭からかぶれば、雪山でも寒くない!」

「はぁ」


 言われた通りにかぶってみる。雪山の着ぐるみだ。


「確かに、少しも寒くないですね。これはすごいです」

「そうらろうそうらろう……」


 殿下の鼻水が凍ってる……。


「それで……なんでこんな物を持って、こんな寒い部屋に立っておられたのですか?」


 風邪を引きたいんですか?


「いやその……北の国は存外寒くてな……それと雪山が美しく……今の君のように……」


 美しい着ぐるみ……。


「それで雪山型の防寒着を作って、着心地を試そうと……」

「なんで自分で着ないんですか」


 殿下はガタガタと震えている。


「一着しかないんだ……俺が着たら君が寒いだろう……」


 正直意味不明なんだけど……。


「まずはここから出ませんか? お体に障ります」


 扉に手を掛ける。


「あれっ、かない」

「凍り付いてしまったか……」


 うそでしょ!?


「だっ、誰か! 誰か助けて!」


 ドンドンと扉をたたく。

 すると、後ろでドサドサッと音がした。

 振り向くと、雪に埋もれた————


「殿下!」

「婚約者殿……俺はもう駄目だ……愛してる……」


 頭に雪山を載せた殿下が、息も絶え絶えにそう言った。


「誰かーっ!」

「あの……婚約者殿……」

「誰か来てーっ!」


 ドンドン、ドンドンドン。

 ドサドサドサッ、ドサドサ————


  *


 外から扉を壊してもらい、私たちは脱出した。

 殿下は熱を出して寝込んでしまった。


「殿下、今日も婚約者の私が様子を見に来ましたよ」

「君が毎日お見舞いに来てくれる。雪山の着心地は最高だ」


 何を言ってるんだか。

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