第3層 おかしな仲間
第3層
不安はあったが、安全にはかえられない。
という事で、同行者になる仲間を募る事にした。
ダンジョン挑戦者専門のギルドでパーティーの募集をしたステラ。
「誰か一緒に行動してくれる人いないかしら」
その胸の内は不安でいっぱいだった。
すると、すぐに効果は出た。
「君が仲間を募集してるのか? えっ、かわいい!」
そんなステラに、仲間になりたいという人物が現れた。
ステラがかわいいわけないので、ちょっと言動がおかしいところがあるが、こちらが無能王女だと知っても普通に接してくれる。そんなとても良い人だった。
その人物の名前は、ツェルトだ。
自己紹介をしたあと、ツェルトはすぐにステラになついてくれた。
「なあなあ。ステラって呼び捨てでいい? 俺もツェルトって呼び捨ててくれてもいいからさ。えっとその彼氏とかいる?」
「ツェルトね。いいわよ。これからよろしくね」
「後半無視された! 俺ちょっとは本気で聞いたんだけどな」
明るい性格で、ちょっとふざけているのが特徴だ。
きっとおべっかを言っているのだとステラは思った。
無能王女と呼ばれている人間を好きになるような人がいるわけがないのだから。
そんなツェルトは、ステラと同じで、ダンジョンに挑戦してまだまもないらしい。
「じゃあ、さっそくダンジョンにいこうぜ! あでっ!」
「前をよく見て歩かないからよ!」
そしてそそっかしい性格である事も判明。
ステラは何となく、すぐに死にそうな人だな思ってしまった。
なので、彼の面倒をみるために自分がしっかりしなければと思った。