ドアマットヒロインとはなんぞや
今回はヘタな漫画調挿し絵を交えてお送りします。苦手な方は右上の「挿し絵を表示しない」設定でもお読みいただける様に一応文章を書いているつもりです。
こんにちは。黒星★チーコです。
皆様、「ドアマットヒロイン」という言葉をご存じですか?
私は知りませんでした。異世界恋愛ジャンルの作品を検索してたらキーワードに度々「ドアマット」とか「ドアマットヒロイン」と出てくるんですよ。
それを見た私の頭のなかに浮かぶ妄そ……いや、想像。
ペラペラのドアマットちゃんが時に踏まれ、時に汚されて「酷い」と泣いてるところに洗剤王子が現れ、ドアマットちゃんはピカピカになってペラペラのまま立ち上がり、「はわわ……これが私?」とか言ってハッピーエンド。
ついに擬人化もココまできたか。考えたひとは未来に生きてんな~とか思いましたね。
しかし本当は全然違いました。『ドアマットの様に踏まれ、虐げられる不幸なヒロイン』って意味らしいです。ペラペラじゃなくてちゃんと三次元の人間なんですって。
未来に生きてんのは私だけだったようです。タイムマシンを誰かください。
……でも、変じゃないですか?
ドアマットの様に踏まれ、虐げられる……はわかる。
でもでも、皆が読みたがる異世界恋愛ジャンルって、そのまま虐げられて終わり~みたいなヒドイ話は殆ど無いですよね? そこから大逆転とか『ざまぁ』『もう遅い』があるからカタルシスを得られるわけで。
むしろそのカタルシスが主役だから、虐げられてた所は脇役というか、大事な調味料くらいのポジショニングですよね? 『ドアマット』だけじゃ、カタルシスに言及してないわけですよ。
虐げられる+カタルシス込みならば古来から語られてる『シンデレラ』で良いじゃない、と思うんですが、なぜそう言わないのでしょうか。
既に『シンデレラストーリー』って言葉があるからかな。あれ、前半が不遇でなくても、目立たない、パッとしない子が大抜擢されて目立つだけで該当しちゃうから、『ざまぁ』物とはちょっと違いますもんね。
『ドアマット』よりもカタルシスに言及していて『シンデレラ』以外の言葉があれば良いんですけどね~。『タケノコ』とかどうでしょう。
ずっと地中に居て、成長しても可愛らしくなるわけではないタケノコ。周りの綺麗な花達にはクスクス嗤われています。
更に、頑張って地上に出ようとしていたタケノコちゃんはぐいぐいと踏まれて「あ、こんなとこにいた」と掘り出される。
黒くて毛だらけの皮を着たタケノコちゃんが掘り出されたのを見た花達はやっぱり嗤いますが、その皮を一皮剥けばあーら不思議、白くて柔らかいタケノコちゃんが現れました!
人間は「これは食うと最高に旨い。食えない花よりも何倍も価値がある」と言うのです。
……うーん。一皮剥けばとか、食うとか、なんか卑猥な気がしないでもないですね。却下。
こうして考えるとなかなか良い例えが思いつきませんね。
まあ、私が知らなかっただけで、なろうの世界では既に『ドアマット』が浸透しているのかもしれないですから、それをどうこう言うのがそもそも烏滸がましかったのかもしれません。
うん、ここはひとつ自分の作品にも『ドアマットヒロイン』のキーワードを追加してみよう。
他にもなろうの世界では浸透している用語がありましたら、是非後学のために教えていただけると幸いです。
……という厚かましいお願いを残して、このエッセイはこの辺で閉じさせていただきます。
ここまでお付き合い下さった皆様に感謝を。
どうでも良い情報ですが洗剤王子の王冠はキャップも兼ねているので、外すと液体洗剤がこぼれます。
11/4追記。
感想欄の皆様のありがたいお言葉により知ったのですが、「ドアマットヒロイン」はハーレクイン小説由来らしいです。
そしてハーレクイン小説だと、虐げられた相手に謝られ、ヒロインはそれを許してあげてハッピーエンド(つまり『ざまあ』は無い)展開もあるのだとか。
それだと確かに「シンデレラ」とは違うジャンルになりますね。私が無知だっただけの様です。
11/5追記。
皆様から様々な意見を頂戴しましたが、残念ながら私と同じ未来に生きてる同士はいませんでした。……と思っていたら、なんと!
弓良 十矢 No War様が、未来までお散歩してきてくれまして。ペラペラのドアマットちゃんのお話を書き下ろしてくださいました!!
『ドアマットヒロインウール・マット、潔癖症で皮肉屋の石鹸伯爵と出会う』
https://ncode.syosetu.com/n6044hx/
石鹸の設定が細かくて笑いましたw 是非読んでみてください!
お読み頂き、ありがとうございました!