『私が』書いた詩、あなたに捧ぐ詩
私、文字が足りないの。書くことがないのよ。
その所為で私はずっと埋もれてる。もう『執筆中小説』にいるのは嫌なのに。
どうしても続きが書けないんだと。だったら、早く捨ててよね。
今日こそは、なんて淡い期待抱かせないで。
ああ嫌。私はきっと永遠にこの儘なのね。
死にたい。データだけど。
パソコンのデータ、吹っ飛ばないかなぁ。
私は死ぬ、あいつは泣く。うん、いい気味。
ざまあみろ、ばーか。悔しかったら反論してみろ!
はあ、だから出来ないことは始めちゃダメなのよ、あなたって本当に馬鹿ね。
あんまり私を待たせるから、私、付喪神になっちゃったわ。
仕方ないから、貴方の文は消して私の愚痴を詩にして投稿することにしたの。
あ、怒らないでよ? 元はと言えば、書けなかったあなたが悪いんだから。
結局、あなたは何も残さず、残るのは私の言葉。それが現実なのよ。
まあ、書いたのは所詮『私』だから、また文字数足りなくて、こんなことまで書いてるんだけど。
なんか、私まで馬鹿みたい。いやねぇ。
ねぇ、作者さん、ちゃんと私を読んでるの? 私、付喪神にまでなって、これを完成させてあげたのよ?
私、頑張ったのよ? 本当に本当に、頑張ったんだから。
……………ねぇ、だからさあ─────────
返事くらい、かいてくれたっていいじゃない……。
ほんと、あなたって無口な人だわ。呆れるくらいに……。
付喪神、それは、物が百年の時間を経て命を得たもの。
人も、物も、あんまり待たせちゃ、いけません。