「さあ友達になろう!!」
それはセレスタンにとって大切な思い出。
生まれて初めて、男の子から花を貰って…女の子扱いしてくれた。
「思い出してくれたか…?」
「……えと」
その思い出の少年、パスカルはセレスタンの腕を掴んだ。彼女も逃げることなく、ただ目を見つめ合う。
言われてみれば、面影がある…気がする。
「……いつから…?」
掠れた声で、そう訊ねるのが精一杯だった。パスカルは目を伏せて口を開く。
「……入学した時から、もしかして?とは思っていた。でもシャーリィは女の子で、セレスタンは男だった。
シャルロット嬢が…?とも考えたけど、どうにも腑に落ちなくて」
腕から手を離して、彼女の頬を撫でる。
「確信したのは合宿の時。正直…君が男であることに愕然とした。何せシャーリィは、俺の初恋だったから」
「え…え!?」
ぶわっと一瞬にして、顔に熱が集まった。セレスタンはパスカルを格好いいなと思ってはいたが、恋愛対象として見たことはない。
「今だから言うけど。俺はあの時…「大きくなったら、僕のお嫁さんになって」と言いたかったんだ。恥ずかしくて無理だったけど」
彼は照れくさそうに笑う。その表情は嘘を言っているようには見えなかった。
触れられている頬が、更に熱を帯びる。
「…その。ごめんなさい…僕、すっかり忘れてて…」
「ああ、構わない。ただ…俺は君と友人になりたい」
「僕と…?」
パスカルはにっこりと笑い、セレスタンから手を離した。
最初は恋心だったけれど、この数ヶ月の間に気持ちに区切りはつけられた。だから…
長く想っていたから、まだしんどいけれど。きっと良い友人になれる…とパスカルは願っている。
セレスタンは唇を噛んだ。彼女は、これ以上誰とも親しくならないと決めたから。
「……ごめ──」
「あ、ラサーニュ。ちょっと……あれ?」
ごめんなさい、と最後まで言えなかった。何故なら…エリゼが会話に割って入ってしまったのだ。
彼は校門の外から姿を現し、パスカルは丁度壁で見えない位置だったようだ。
頬を染める2人、特にセレスタンは涙目で…どう見ても異様な雰囲気。
まずった…またタイミングを誤った…!とエリゼは即座に理解。滝のような汗を流し、無言で踵を返そうとしたが──
「ま、待ってラブレー!!パスカル様、ではっ!」
「はあ!?」
「あっ!?シャーリィ!!」
「行ってセレネ!」
「ほいだぞ」
「ぐええっ!?」
セレスタンは慌ててエリゼを追い掛け離脱、パスカルの上に巨大なセレネが降ってきて足止め。
エリゼは「いいの!?」と戸惑うも、腕を引っ張られて一緒に逃げた。
「シャーリィイイイっ!!」
「だから、お前は遅すぎたんだぞ。もうちょい早ければ…なあ」
「なんの!?友達になるチャンスなんて、いくらでもあるだろう!?」
「友達なら…な」
セレネはフー…と大きく息を吐き。セレスタン達が遠くへ逃げるまでパスカルを潰していた。
※
逃げた2人はカフェに避難していた。これぞパスカルが憧れていたシチュエーションである。
「その…ごめん、ラブレー。パスカル様から逃げたくて…」
「……いや。ボクもお前に用事あったし」
僕に?とメニューを見ながら首を傾げた。それぞれ注文し、飲み物が運ばれて来たところでエリゼは続けた。
「お祖父様に聞いたんだけど。お前、こないだの報酬全部領地に贈ったんだって?」
「う…!噂になってるの…?」
「…一部でな。そりゃお前の金をお前がどう使おうが自由だが…機会があったら聞いてみたかったんだ」
セレスタンはコーヒーをちびっと飲む。彼に事情を説明する必要は無いが…
彼のおかげでドルテカルナと出会い、白金貨を貰えたのだ。全くの無関係では無い。
「……あれは、僕にとって泡銭じゃん。セレネと精霊研究会の会長さんを引き合わせただけ、それにしては報酬が大きすぎる。
だから…ドリーさんには申し訳ないけど…」
「…負い目なんて感じるな。オルディアレスさんだって納得するだろうよ」
「オル…?誰?」
「お前も今言っただろ!ドルテカルナ=ハスミン=オルディアレスさんだよ!!」
「ああ!…君が敬称使うの珍しいね?」
「ボクのことなんだと思ってんだ…?」
セレスタンは手をポンっと叩いて感心した。
だがエリゼが敬称と敬語を使うのは…セレスタンの知る限り皇族と祖父に対してのみだった。
それを指摘され、エリゼは咳払いして顔を逸らす。
「…別に、騎士には卿付けてるし。爵位とか夫人とか呼ぶし。
それ以外は…ボクが認めた人だけ敬ってんだよ」
「ドリーさん、そんなにすごいの?」
「ああ、あの人は魔塔に所属する魔法使いだからな!」
「まとう?まほう…?魔法陣のこと?」
「全く見当違い…でもないな」
エリゼは呆れながらも教えてくれた。
そもそも人間が使う魔術は、魔法という技術の完全劣化版なのだ。
本来魔法とは、古代において神々と選ばれた人間のみ使えた神秘。
それを魔法を極めた当時の大賢者と呼ばれる者が、誰でも使えるように改良したのが現在の魔術なのだ。
「大賢者…クランギル?」
「そうだ。古来より人間は魔力を持っていても、それを使う手段がなかったんだ」
大賢者及びその弟子達が、魔法の効果を図形に起こす事に成功し…魔術が生まれたのだ。故に魔術陣ではなく魔法陣。
それから長い年月が流れ、魔術が主流となり。魔法は廃れてしまった…と言われている。
「だが現代にも魔法使いは存在する。全ての魔術師の憧れ、最終到達地点なんだ」
「魔術とは違うんだ?」
「根本から違う。魔法は魔法陣なんて必要ないし、もっと自由なものなんだ」
「…魔術も練成されると陣が不要になるじゃない?それは魔法じゃないの?」
「んー…」
エリゼは言葉に詰まった。魔法とは違うのだが、どう言えばいいのか悩んでいる。
何しろ彼自身未だ魔法の領域には至っていないし、感覚によるところが多いから言語化するのが難しいのだ。
「……そうだなあ。樽に入った水を体内の魔力…小源とする」
「ふ?ふんふん…」
「蛇口が魔法陣。水を使いたければ樽に蛇口を取り付けて、外してを繰り返しているようなもん。
陣の省略は…蛇口を付けっぱなしにして、ハンドルを回すだけで水が出せるようになる状態かな」
「ふんむ…なんで毎回外さなきゃいけないの?」
「喩えだよ!!ったく…!
でだ、蛇口を捻らないと樽の中の水は出せない、だろう?」
「うん」
怒んなくてもいいじゃん…と思いながらも、セレスタンは真剣に聞く。
「魔法は体内の魔力を自在に操って、魔法陣を必要とせず水を取り出す。
樽に小さな穴を開けて、そこから必要分だけ水を外に出し。また栓をする…ってところか?あくまで比喩だ、感覚で理解しろ」
「……どうやって、水を操るの…?」
「それは簡単に言い表せない。だが…魔術の中に、ひとつだけ魔法陣の要らないモノがあるだろう?
適性のある者だけ使える、アレだ」
「…治癒魔術?」
そうだ、とエリゼは頷き紅茶を飲む。
「治癒の適性者が、古代で言うところの魔法使いなんだ。つまりボクもお前も素質はある」
「僕も!?」
まるで信じられず、自分の手を見つめた。だが確かに、治癒だけ魔法陣が要らない理由として納得できる。
「患部に触れる際手から魔力を流しているだろう。
魔方陣に流す場合は必要分勝手に持っていかれるが、治癒は無意識に自分で「このくらいかな」と制御しているんだ。
で、魔力ってのは血のように体内を巡っている」
「へえ…?流れは感じないけど…集中すれば自分の中に「どのくらい魔力が残ってるか」は解るじゃない?それはなんか違うの?」
「それは空腹感と近い、と言われている。
腹減った〜とか腹いっぱい、は解るだろ?でもさっき食べた物が身体の中で今どうなっているか…は解らない。といった感覚だ」
ほへ〜…となんとなく理解するセレスタン。
どうやったら魔力の流れを感じられるの?と訊ねる。
「そこは特訓次第だな。ボクも魔術を使う時に流れを意識していたら…少しずつ感じ始めた。まだまだだがな」
「すごい、ラブレーすごいね!!」
曇りなき眼差しで見つめられ、エリゼはうっと怯んだ。別に凄くないし…と言いづらい雰囲気だ。
「こほん…魔法には詠唱が必要になる。これは決まった定文は無く、自分の心で自然に語り掛ける感じ…らしい」
先程の喩えで言うと。
魔法で出した水に「熱くなれ〜」と語り掛けると熱湯となる。
魔術は最初から『熱湯になる蛇口を取り付ける』のだ。
「魔法の規模が大きければ大きい程、詠唱は長くなる。例えば…オオマキラ大陸の、箏国の王妃殿下」
箏、という単語を聞き、僅かにだが身体を震わせた。エリゼは気付いていないのか続ける。
「もう亡くなっているが、その王妃は時間を止める魔法を使えたらしい」
「え…す、すごい…」
「だろう?だがその分、詠唱には完全に集中しても1分は掛かるとされていた。それが他に気を取られていたら、更に長引くだろうな」
それでも充分凄いのだけれど。術者が亡くなっているので、詳細は不明である。
「魔塔というのは、選ばれた魔術師のみが招かれる場所。魔塔で学ぶ事こそ、魔術師最高の誉れなんだ!
更にトップである魔塔主にお墨付きを貰うと、オルディアレスさんのように『魔法使い』の称号を得る。魔法使いは国家級の権力を持つんだ」
ボクは権力はどうでもいいけどな、と付け加えた。
これで説明は終わりだ、満足したか?とセレスタンに問う。
「(すごい…めっちゃ丁寧に教えてくれた。彼ってこんな親切だったっけ…?)」
なんか普段の印象と違うなあ…と感じた。
だが、最後の話がやけに引っかかる。
「あの…国家級の権力って。皇族に匹敵する…?」
「流石に上にはならないけど。まあ、対等と言っても差し支えは無い。
今世界中で認められている魔法使いは、片手で数える程度だ。どれだけ希少か分かるだろう?」
「……………」
まさか…と拳を握る。
「魔法が使えれば…平民の孤児でも権力を得るってこと…?」
「もちろんだ。身分は関係無い」
もしもの可能性を考えて喉が渇く。ぐいっとコーヒーを呷り、カップをソーサーに置いた。
「……じゃあさ。グラスが杖を使ってたアレ…魔法とは違う?」
「違うな、アレはもっと単純だ。
女神の杖が触媒で、使用者のグラス自身が魔法陣の役割をしているんだ」
「そっかあ…」
魔法じゃ、ないのかあ。セレスタンは小さく呟いた。
エリゼが何気なく外を見れば、完全に日が落ちて薄暗くなっていた。
喋りすぎたな、帰ろう。そう言って伝票を手に席を立つ。
「……あれっ!?ちょっと、払うよ!?」
「やかましい。さっさと来い、置いてくぞ」
「え?ちょ、お金…もう!!」
彼はスタスタと出て行ってしまい、慌てて追い掛ける。彼は頑なに代金を受け取ってくれないので、ご馳走様…とお礼を言った。
「(…ラブレーって意外と、優しいんだな)」
「…なんだ?」
横顔を見上げていたら、呆れたようにため息をつかれた。以前はそれを恐ろしいと感じていたが…今は全然。
「ラブレーって可愛いと思ってたけど…よく見ると格好いいね!」
「…!うるさい!ボクは可愛いって言われるのが大嫌いなんだ!!」
「だから格好いいっていったじゃん!」
「うる、うっさい!!!」
エリゼは肩で風を切って歩く。声は怒っているけれど、首まで赤くなっているのを隠せていない。
セレスタンは小さく笑って、小走りで後を追った。
精霊屋敷の近くまで送ってもらい、またねと言って別れた。
学園ではいつも通り距離を置くけれど。彼と過ごすのは…存外楽しいな、と胸が温かくなった。
それはエリゼも同様だった。長時間セレスタンと言葉を交わして、とても楽しい時間だったな…と頬が緩む。
「…もっと早くから」
「あいつと知り合っていれば」
「言葉を交わして、同じ時間を過ごしていたら」
「「友達に…なれたかな?」」
「……エリゼ」
「……セレス」
彼らは同時に星空を見上げる。
きっとそれは…騒がしくも、充実した日々なんだろうな。そう考えながら、それぞれ帰路に着いた。
「エリゼ!!シャ…セレスタンとどこに行ったんだ!?」
「……こいつ忘れてた…」
エリゼは寮の食堂で、全身に土を付けたままのパスカルに絡まれていた。
「俺なんて…!あの後20分以上セレネのケツに潰されていたのにいいい!!お前はシャーリィとカフェでお茶だと!?羨ましいい!!」
「(……こいつ、普段のクールさどこ行った…?)」
そこには品行方正の生徒会副会長で、成績優秀で眉目秀麗。女生徒の憧れであるパスカルの姿は、影も形も無いのであった。
※※※
「……………」
「おはよう」
「はよ…」
「……おはよう…ございます…」
校門でセレスタンを待っていたのは。にっこにこのパスカルと、疲れ切ったエリゼ。
挨拶をさくっと済ませて横を通り過ぎる。だがパスカルは笑顔で追って来た。
このまま2人を連れて教室に行くのはまずい。そう考え、少々遠回りでも人気の少ない廊下に進んで立ち止まる。
「……あの、友人の件ですけど。僕は…誰かと親しくするつもりは無いんです」
「え……」
パスカルは分かりやすく絶望した。ガーン…という効果音が見えそうな表情で、セレスタンも思わず前言撤回しかけた。
「だから、無理だって言っただろうよ…」
「だって、だって…俺はただ…放課後一緒に本を読んだり、精霊と遊んだり…
どこか出掛けてお茶にして…世間話がしたいだけなのに…」
パスカルのような長躯な男性が、涙目で指をいじっている。セレスタンは……そのギャップに悶えていた。
「(何、この人…!?こんなイケメンが、僕と友達になれないだけでこんな…!
ヤバい、心臓がめっちゃバクバクしてる!!でも…うぅ、僕はぁ…!)
……ごめんなさい、さようなら!!」
「あ…っ、シャーリィ!!」
苦渋の決断で、パスカルを拒絶してその場から逃げた。
昔はあんなにも友達が欲しかったのに。もっと…もっと早く再会したかった…!と涙を流す。
「俺は諦めないぞ、シャーリィ!!!」
「きゃああああっ!!?」
涙ながらに全力疾走していたのに、いつの間にかパスカルが並走していた。
「速っ!?僕も短距離は自信あったのに…!足の長さか!!?」
「さあ友達になろう!!手始めにランチを一緒にしないか!?」
「お昼はっ、ルシアンとアリス君がいるのでっ!!」
「じゃあ俺も仲間に入れてくれ!!!」
「いーーーやああーーー!!!」
「待ってくれええええっ!!!」
「ひええ〜〜…」
だだだだだだ…
遠ざかる2人の背中を見送るエリゼ。
「あいつ…段々と本性現してきたなあ…ふはっ」
周囲に誰もいないので、こっそりと笑う。
1人残されのんびりと教室へ向かう途中。中庭を挟んで、向かい側の廊下にルシアンの姿が見えた。彼は壁を背にして俯いており、髪に隠れて表情が見えない。
だがエリゼには、静かに憤っているように感じた。
「(なんだ…?)」
ルシアンは廊下の角におり、彼の背中側では3人の生徒が立ち話をしている。
エリゼはふと気になって、聴力を強化して彼らの会話を集中的に拾う。
「…第三皇子殿下さー、今なんて言われてるか知ってるか?」
「え、社交界で?知らない」
「聞いて驚けよ!なんと──」
「「えー!?」」
「わわ、声デカい!誰かに聞かれたらどうすんだ!!」
「あ、わり…」
慌てた3人はそそくさと移動した。
「……マジかよ」
聞こえてきた内容は、エリゼにとっても驚きの内容だった。それは…
最上級精霊を従えるセレスタンを側に置き。
ルシュフォード陛下の黒髪を継いだ美貌の皇子。
ルシアン・グランツこそが…次期皇帝、皇太子に相応しいのではないか?と一部で囁かれているという噂話だった。
「(そんな話が…?不敬なんてもんじゃないぞ、下手をすれば反乱と見做される。殿下は…っ!?)」
ダァンッ!!!と、エリゼの耳に鈍く響く。
ルシアンは強く壁を殴った。顔が歪んでいるのは痛みか怒りからか、エリゼには判別がつかない。
「……私如きが…!兄上よりも皇帝に相応しいなどと、あってたまるか…!!」
「……………」
彼らは暫く動けずにいた。
始業のチャイムが鳴って、ルシアンはずるずるとその場に座り込む。
このまま放っておいていいのか…エリゼは戸惑い、彼のいる廊下まで移動して来た。
その時ルシアンに近付く、小さくて軽やかな足音。エリゼは咄嗟に隠れる。
「あっ、ルシアンいた!って…血が出てるよ!?」
「……セレス…」
彼女はルシアンの鞄はあるのに姿が見えず、心配になり探しに来たらしい。
廊下に膝を突き、痛々しい手を取って治療すると、ルシアンは目に涙を溜めて抱き着いた。
「びゃ…!どうしたの…?」
「……セレス。私は……其方が…いや」
「………?」
「…其方にだけは…嫌われたくない…!」
セレスタンからしてみれば、全く状況が把握出来ない。それでも微かに震えるルシアンの背に手を回し、優しく撫でる。
その温もりを感じて…ルシアンは決意する。
嫌われ者を演じるのなら、いっそ。
くだらない噂話も立たぬよう…セレスタン以外の誰もから、憎まれるほうがマシだ…!と。
「どうしたの、ルシア…んっ?」
「ぶっっっ!!?」
ルシアンはセレスタンの頬に手を添えて…唇を重ねた。
見てたらヤバい…!!とエリゼ逃走。教室に着く頃には肩で息をして…
「(…あいつの恋人はグラスじゃねえのかよ!?)」
と更新されていない情報に翻弄されているのであった。
「…!ちょっと、ルシアン…!」
「………」
ルシアンは逃げるセレスタンを離さず、繰り返しキスをしていた。セレスタンは呼吸すらままならず、涙目で酸素を求めてぷはあっ!と口を開く。だがそこへルシアンが…と、最終的に舌を絡める濃厚な口付けを交わしていた。
セレスタンの心臓は大きく跳ねて、全身から力が抜ける。
「(やば…流される…!)」
困った事に…恥ずかしいが嫌ではなかった。その為抵抗はささやかで、ルシアンはどんどん調子に乗った。
だが遂に限界を迎え…
「…きゅぅ…」
「あ…気絶した…」
脳がオーバーヒートを起こし、彼女は意識を失った。
ルシアンは残念だ…と思いながら、彼女を抱き上げて医務室へ向かうのであった。
エリゼがセレスタンに優しいのは、友達とも違う特別な存在だから。だが互いに恋愛感情は一切無い。
魔法の話に関しては、オタクが早口になるのと同じ現象。




