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皇国の精霊姫  作者: 雨野
訣別編
81/102

「あ、はい。わかりました」



 食後オーバンも皇宮に呼ばれて、関係者のみ集められたサロンで説明会が始まった。

 皇帝は大きく息を吐き、「ラサーニュ伯爵に罪状追加だな…」と呟いた。



 当のセレスタンは一足先に部屋に戻された。ベッドの上でグラスに抱っこされ、パンパンになったお腹をさすっている。


「んもー、たいきんおなかまわいがきになっちゃうわ」

訳:んもー、最近お腹周りが気になっちゃうわ。


「なんて?」


「やはいにゅうだいのこよとはちがいまちゅねえ。もちょっとひきちめて、くびえをといもどちゃないと」

訳:やはり10代の頃とは違いますねえ。もうちょっと引き締めて、くびれを取り戻さないと。


「1桁が何言ってんだ」


「お前よく通じるな…」


 それは…彼女の乳母、アイシャの真似。この頃はひたすら、誰かの真似っこが楽しかった時期。グラスは呆れてジェルマンは感心する。



 ※



「それで父上。婚約とはどういう事ですか!?」


 ルシアンは机を叩き父親に詰め寄った。セレスタンに好意を寄せてはいるが、このような形で結ばれたいとは願っていないのだ。


「すまん、思わず口から…嫌か?」


「嬉しいですが!!!…じゃなくて!!」


 ルシアンが真っ赤で叫ぶものだから、全員「えっ」と目を開く。その中でハーヴェイは終始ニヤついている。


「お前、まさか…」


「…そうですよ!!私はセレスを好いています、それが何か!?」


 半ギレでバンバン叩く。皆ルキウスの反応をそろりと伺うが…意外にも笑顔だった。エルミニアのお陰か、かなり吹っ切れたようだ。


「そうか…そうだったのか。ははっ、兄弟で好みが似ているのだな」


「(そういえばルキウスも…何故もっと本気で口説かなかった…)」


 皇帝は惜しい事した、と悔しそうに口を結ぶ。

 ただし彼はセレスタンを手に入れたいが、それより何より敵に回したくない。


「彼女は今の状態でも、精霊をコントロール出来るのか?」


「それは問題ありません。特にバラキエルが纏めてくれていますから」


 ルシアンの言葉に安堵の息を吐く。そして婚約は冗談としても…少なくともあと2年は身近に置いておきたいと唸った。

 何かあるのですか?というルシアンの質問に、皇帝は声を落として答える。



「魔物は数百年に一度、大暴走(スタンピード)と呼ばれる現象を引き起こす。これは天災のようなもので、防ぎようはない。それは皆知っているな?」


 全員頷き、数人は顔を曇らせる。


「最近魔物が活性化しているだろう。これは次の予兆であると研究の結果が出ている。

 そうなったら地道に全ての魔物を討伐するしかない。前回の大暴走はもう750年前、その間小規模な大量発生も数回あったが、人間だけで対処出来る程度だった」


 大暴走が起こると、結界など役に立たない。数の暴力で簡単に破られ、沈静化の為人間は古来より最上級精霊の力を借りてきた。

 普段は人間の呼び掛けなど無視する彼らも、緊急事態と判断して応えてくれるのだ。特に風のエンシェントドラゴンは協力的で、毎回出て来る。そして散々自分を褒め称える声を聞いてから帰る。


 今回の件は国の上層部、及び戦闘員となる騎士魔術師しか知らされていない話。皆緊張に身体を固くした。



「いつでも大規模な避難が出来るよう、常に警戒はしている。とある場所を起点とし、そこから爆発的に魔物が生まれて大陸中に広がるだろう。

 その場所の特定も進んでいる。恐らくグランツ、テノー、リシャルの国境…時期はこれより1年〜2年後の間。それ以上は現時点では不明だ」


 近いうちに貴族達、近隣諸国に知らせる予定だ。今回の事はグランツだけで対処出来る事態では無い。


「そこで…ラサーニュ、令嬢の力を借りられれば。フェンリル、ドライアド、フェニックスは味方となってくれるだろうと踏んでいた。

 逆に敵対してしまえば、最悪全ての精霊が人間界から撤退するだろう。そうなれば人間の被害は甚大だ。小国はいくつか滅ぶだろうし、大国グランツだって無事では済まない」


 最低でも大暴走が収まるまで、彼女にはこの国の味方でいて欲しい。その為ならば国が借金を肩代わりするのも吝かではない。

 だが…「皇国の貴族が有事の際に立ち上がるのは当然のこと」と言われてしまえばそこまでだ。故に皇帝は「霊脈である教会を国に売り借金を相殺、ラサーニュ家に恩を売る…」という目に見える形を取りたかった。


「それならば、多少優遇しても貴族達を納得させられるだろう。今は何より、無駄な諍いを起こしたくないからな…」


 皇帝は最後に大きく息を吐きながらそう言った。そして右手でこめかみを押さえながら弟に目を向ける。


「オーバン。お前があの子を養子に迎えろ」


「…そのつもりではあった。だが皇室の一員ではなく、ただの養護教諭の娘だ。そこは譲れない」


「それでいい。そして近いうちに、彼女が最上級精霊の契約者だと公表する」


「「父上!!」」


 ルキウスとルシアンが険しい顔で立ち上がった。皇帝はそれを手で制する。


「彼女を守る為だ。まともな人間であれば、最上級精霊に逆らう真似はすまい。

 ああ、性別は彼女の意を汲もう。いつかこの国を離れる…その時まで。秘すると言うのなら力になろう」


 他に何か質問は?と言えば、皆口を噤む。

 まずはオーバンが部屋を出て、次に皇后と皇子達も退室した。

 残されたのは皇帝と、騎士団総団長のモーリス及び給仕が2人…だったのだが。



「……ほっほ。貴方が愚帝でなく安堵致しました」


「「!!?」」


 突然、皇帝の背後から声がした。モーリスが反射的に振り向くも誰もいない。扉の外の騎士も呼ぼうと声を発そうとした瞬間、ぐにゃりと視界が歪む。


「(な…!?か、身体が、声が…陛下!!!)」


 気付けば床に倒れており、指一本動かせない。なんとか目だけ皇帝に向ければ、彼の首に何者かがナイフを突きつけている。侵入者はローブで顔を隠しており、声からして男だという事しか明らかでない。

 給仕もいつの間にやら意識を失っており、揃って横たわっている。皇帝は取り乱す事なく、冷静に口を開いた。


「……貴様は何者か。ここがどこで…私が誰か知っての狼藉か?」


「勿論でございます、皇帝陛下。儂の正体は…これにて判断していただければと」


 チャラ…と皇帝の膝に何かが落ちた。それを視認し、大きく目を開く。


「この…紋章は。ルシュフォード陛下の徽章…!?」


 革紐に吊るされた、手の平サイズの長方形の装飾品。それは確かに、ルシュフォードの(しるし)だった。皇室外でこれを持っている者は…1人しか伝わっていない。


「マ…マイニオ、カリエルバッハ…?」


「ほっほ…お話が早くて助かりますなあ。では…儂がこの徽章を差し出した意味、ご理解いただけますな」


 皇帝はごくりと喉を鳴らした。



 ルシュフォードの影と呼ばれた、伝説の暗殺者。彼はとある任務を終え帰還する際、一般人が魔物に襲われている現場に遭遇した。

 通常であれば仕事優先で、通り過ぎるべきだった。だが…彼は元々罪無き者達を守る為、敬愛するセレスティアの遺志を継いで暗殺者となった。故に人命救助を第一とし、間に入った。


 しかし運悪く、3体もの魔物が同時に出現してしまった。1体ならばともかく、一般人を守りながら全て倒す事は不可能。

 まずは避難を優先させて、襲われていた者を結界の範囲内まで誘導する事に成功した。後は援軍を呼ぶだけなのだが…彼はそこで膝に致命的な一撃を受けた。更にいくつもの怪我を負い、意識を失う。

 目が覚めた時は…治癒魔術も間に合わず、膝には後遺症が残る事となった。



 国が安定してきた事もあり、ルシュフォードはカリエに引退するよう告げ勲章を与えようとした。

 だが本人が「輝かしい皇国に、平和な世界に自分のような存在は汚点となる」と言って辞退した。その代わりに、秘密裏に白金貨と徽章を授けられたのである。




「その徽章を持つ者は…あらゆる罪を一度だけ許す。そう伝わっている…」


「左様。そして…この状況、説明が必要ですかな?」


「………!!」


 カリエは現在この世界において、大国グランツの皇帝を殺害しても罪に問われない人物である。モーリスは必死に身体を動かそうと、目を血走らせてカリエを睨み付ける。

 ナイフを首に当てられている皇帝は…静かに目を閉じて、穏やかな声で語り掛けた。


「…何が望みだ?」


「ほっほ…」


 ここまでか…せめて孫の顔を見たかった…と考えていたら。



「セレスタン・ラサーニュ様及びシャルロット・ラサーニュ様の保護を求めます」


「「………は?」」


 あ、声出た。とモーリスは思った。

 いやそれ以前に、それが要求…?と2人は目を丸くする。


「教会と引き換えに、負債は国が肩代わりする事。結界はご自分でどうにかなさってください。

 シャルロット様が成人し卒業なさるまで、国が保護して伯爵就任後もサポートする事。

 セレスタン様を国に縛り付けない事。ああ、皇弟殿下の養子にというのは賛成致します。

 ラサーニュ伯爵は釈放後…無一文で国外に放り投げる事。それと…」


 カリエはいくつもの要求をするが、ほぼほぼラサーニュ姉妹に関するものだった。



「……以上です。これらを守っていただければ、徽章は国に返還致します」


「あ、はい。わかりました」


 皇帝は茫然自失となりながらも、しっかりと徽章を懐に仕舞った。カリエは満足げに頷き離れる。


「本当は伯爵を始末する際に、それを使うつもりだったのですがねえ…」


 何やら不穏な発言をしつつ、完全に気配が消える。同時にモーリスも自由となり、勢いよく立ち上がった。開け放たれた窓、バタバタとカーテンが揺れる音が部屋にやたらと響く。

 まだ目覚めない給仕も気にしつつ…今のはなんだったんだ?と顔を見合わせる。



「あ、そうそう」


「「ぎゃあっ!!?」」


 にゅっとカリエが窓の上から逆さに顔を覗かせた。


「セレスタン様の婚約とやらですが。恐らく今後は皇弟の養子として、数多くの家から打診が来るでしょう。

 ですが…全て皇国の基準で進めるようにお願いします」


「そ、おふ…っ、令嬢には、平民の恋人がいると、さっき聞いたが…?皇国の基準だと、その者とは結ばれぬぞ…?そもそも、平民になりたいのでは?」


 皇帝はさっきよりも余程取り乱しながら訊ねた。対してカリエはニコニコしながら答える。


「ほっほ…試練ですよ。全て大人がお膳立てしては成長の妨げとなります。

 それに平民になればいい、という考えもよくない。逃げる事が最善手という状況もありますが、今回はその限りではありません。

 あらゆる手を使って確実な地位を得て、堂々と迎えに行くべきでしょう。ほっほ…儂もそれまで、長生きせねばなりませんなあ」


 ほっほっほ…という声が遠くなる。今度こそ帰ったようだ。



「……そういや、なんでラサーニュ姉妹を擁護するのか聞き忘れた…」


 皇帝はゆっくりと窓を閉める。そしてこの日から…モーリス・ミュールは己の未熟さを恥じ、騎士全員を巻き込んで鬼の鍛錬を始めたのである。



「今のままで陛下をお守り出来ると思っているのか貴様らはああーーー!!!」


「「「ぎゃーーーーー!!!」」」


 部下には厳しく指導、自分には更に厳しく。なんやかんやで全体のレベルアップは成功したのである。




 ※※※※※




 セレスタンが幼くなって…早くも1ヶ月が過ぎた。


「でーう、あっち!」


「へいへい」


 その間に学園は夏期休暇に突入、セレスタンは皇宮にて自由に過ごしている。

 最初はシャルロットやアイシャを求めて涙を流していたが…毎晩グラスが添い寝をしている事、笑顔の人々に囲まれている事。何をしても誰にも怒られない…望む物は全て手に入る。精霊という可愛い友達も沢山…この状況に家族を忘れそうになっていた。

 彼女の部屋にはオーバンや兄達が購入したおもちゃや綺麗な服が。少しずつ、年相応な振る舞いもするようになってきた。


 その間セレネも戻って来たのだが…


「どうしようもないぞ…

 クロノスが言うには、とある人物が鍵を握っていると。それ以上は何も…それでもセレネはシャーリィの味方だぞ〜!!!」


「ふわふわ〜」


 それからセレネは側にいる。いや、たまに不在にするが…情報収集だったり、ストレス発散にパスカルを齧りに行っているようだ。




「おにわいきたい」


「あいよ」


 ジェルマンがひょいっと抱っこして、花が咲き乱れる庭園にやって来た。


「わ〜!!」


 セレスタンは目をキラキラとさせて走る。たまに転ぶが「いてて」とすぐに立ち上がる。

 この1ヶ月の間…シャルロットは一度も訪ねて来なかった。それは単に忙しかったからであり、兄を蔑ろにしている訳ではない。その証拠に、何度もバジルは足を運んでいる。

 今もセレスタンの部屋にて、カリエと共に庭を見下ろしていた。


「先生、お聞きしたかったのですが」


「なんだ?」


「何故…シャルロットお嬢様の保護も求めたのですか?僕はてっきり…セレスタンお嬢様だけを可愛がっていらっしゃるのかと」


「ほっほ…」


 カリエは口角を上げて、まだまだ修行が足らんなとバジルを小突く。


「儂にとってのラサーニュはセレスタン様だが。シャルロット様も…可愛い孫娘なのだよ。孫の不幸を願う爺がどこの世界にいようか。

 ただセレスタン様と違って、儂の保護は必要なかった…それだけよ」


 そう言われてバジルは、腹を押さえながら確かに…と思考する。


 姉妹には平等に誕生日プレゼントも贈ってたし…どちらかを贔屓する事も無かったな、と。そう考えながら、もう一度窓の外に目をやる。



「で、でーう…あおいばやが…!!」


「青い薔薇?これがどうかしたのか?」


 その視線の先には…顔面蒼白になり後退るセレスタンがいる。ジェルマンが青い薔薇に近付くと絶叫した。


「いやーーーー!!!えほんでよんだのっ、あおいばやはまどのてちたなのっ!!」


 窓の手…チタン…?ジェルマンは首を傾げた。



「魔女の手下、だろ。そういう童話がある」


「あ、デニス卿」


 そこへ姿を現したのは、近衛騎士であるデニス・ミュールという男。モーリスの息子であり、普段死んだ目をした覇気の無い男なのだが、たまに今のように輝いている時もある。大体ロクでもない理由だが。


「青い薔薇は…魔女が呪いで染めたからで。この鋭い棘で生き血を吸い…人間を食べちゃうんだよな…」


「ぴい…!!」


 プルプル震えるセレスタン。デニスはひっくい声で続ける。


「今も…この下には、いくつもの死体が眠ってるんだろうなぁ…

 夜な夜な生者を妬み、地面から這い出て来ては…冷たい身体で温もりを求めて…!!」


「み"ゃーーーーーっ!!!」


「やめんかどアホウがっっっ!!!」


「おぐっ」


 セレスタンはパタリと後ろに倒れた。ジェルマンがデニスを一撃で沈め、彼女を抱き起すと…白目を剥いて気絶していた。

 デニスは放置して部屋に戻る。すでにバジルは消えていて、カリエが呆れたように笑っている。


「全く…」


「すまん、デニス卿は後で袋叩きにしておく」


「頼みますよ。ふむ…貧血ですな」


 すぐに目覚めるでしょう、と診断をする。デニスはその間精霊達に散々突つかれており、窓の外から逃げ惑う声が聞こえてくる。


 それから数分後…訪問客が現れた。それは「セレスタン」に会いたいというものだった。



 セレスタンが最上級精霊と契約していると、つい先日公表した。その為国内外から面会を希望する者が多く、その対応はオーバンかランドールが行っている。

 どうしても必要な場合は、ファイがセレスタンに化けて精霊を引き連れ対応する。まあ大体セレネが威嚇して終わるが。


 今日の面会者も、跳ね除けられない相手なのだろう。いつも通りファイが応接間に向かうと、そこにはランドールと…



「んん…んんん〜?貴方は精霊ですね?」


「へ…」ピシ…


 即座に見破られ、ファイは驚きに固まってしまった。


「貴方…あの時の変人糸目です…?」


「あれっ、此方ってそんな認識でした?」


 それはテノーの宮廷魔術師、タオフィだった。彼は以前お茶会で、一目で精霊たちの力を見抜いている。


「ファイですよね?前より強くなってる…さては眷属になったのですね〜!?

 しかもそちら、精霊最強(最上級除く)と名高いケンタウロスではありませんか!?素晴らしいですね〜、是非お手合わせを!って此方今日は別の用事で来たんでした!」


 たはー!と自分の頭を叩いた。彼のテンションにやや引き気味の精霊達だが、その能力は高く買っているので無下にはしない。


「では聞きますが、我が君になんの用です?」


 開き直ったファイがソファーに腰掛け訊ねる。タオフィはう〜んと考える仕草をした。



「最上級精霊様の事を公表したようですし、堂々とお話を聞きに来ました!他にも色々あるんですが、彼はお忙しいのですかね?」


「「…………」」


 ファイとランドールは顔を見合わせる。タオフィは首を傾げるも、何かに気付いた。


「あれ?バラキエルとセラフィエル…セレスタン君との契約切れてません?」


「「!!?」」


 そこまで判るのか!?と2体は声を上げた。


「イエス!ファイやケンタウロス、エルフはセレスタン君の「色」をしているのですよ〜。

 ですが貴方達にはありませんね、どうしました?」


 説明をするべきか…味方に引き込めば役に立つのでは…?と会議をする精霊。なので試験として、遠くからセレスタンに会わせてみる事に。ランドールも許可して、彼女の部屋に移動。

 カリエに事情を説明し、扉を薄く開けると…



「…んんんん?あっれー、セレスタン君縮みましたね!いや…時間が巻き戻ってる?」


 なんと彼は、顔も見ていないのに気付いてしまった。カリエが部屋に招き、ベッドで眠るセレスタンに近付けた。


「すよすよ…」


「か、可愛いですね〜!

 巻き戻りとは…違うな?んー?若返った、と言うほうが正しいか?いや…」


 ランドールとセレネが「なんか分かるのか!?」と詰め寄った。タオフィは圧される事もなく続ける。


「んー…肉体と精神は巻き戻ってますが、魂に刻まれた経験はそのままという事です。よろしければ彼の現在を説明していただいてよろしいですか?」



 かくかくしかじか



「なるほど女神!って無属性の最上級精霊!?また知識が増えました!

 で…いかに神の言動が人間には理解し難くても、そこに理屈は必ずあるはずですよね。それにこの糸…」


 糸?と彼が指す場所を皆が目を細めて見てみる。だが何も無い。


「そうですか…セレスタン君の右手首に、細い金色の糸が絡み付いています。それは外に続いて…誰かと繋がっているのかも?その人物が鍵を握っているのでは?」


 そこまで聞いて、セレネがボフンと大きくなった。


「案内するんだぞ!!」


「え、まさか乗せていただける!?ヒュー!此方一生の思い出にします!!」


「いいから乗れ!!」


 強引に背中にランドールと共に乗せた。どっちだ!?こっちですね〜というやり取りをしつつ、糸を辿り到着したのは…




「ここです。この屋敷から出てますね〜」



 地面に降りた彼らが見上げるのは…シャルロットのいる、ラサーニュ邸だった。



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