表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇国の精霊姫  作者: 雨野
訣別編
71/102

アリスティドの秘密


 騒動の発端は数日前に遡る。



「ラサーニュ。いつグラスに会えるんだ?」


「………知らん」


 エリゼはグラスと勝負する!と宣言した日から、毎日セレスタンに同じ事を訊ねていた。


「勝負!」「いつ予定が空く?」「逃げるなと伝えろ!」「しょ…」「うるせえええーーーっ!!」

 と、不毛なやり取りが繰り返され。会いたきゃ神殿行け!!!と言われたので…



「なんだ相談で金貨5枚って!」


「払ったんですね…2回目以降は指名料もいただきますよ」


 エリゼは金を使って会いに行った。


「まあいい、時間は30分しかない!さあ表に出ろ!」


「全く…どのような勝負をお望みですか?」


「まずは強化系からだ!実験体を2人用意しろ!!」


「はあ…」


 という訳で。暇そうに礼拝堂を彷徨いていたファース&トマス。トマスは喚いていたが、エリゼが2人の相談料も払えば快く応じた。

 神殿は広く、一般の客が入れる礼拝堂や展示室等含め様々な施設が存在する。中には魔術の鍛錬場もあるのだが…利用者は少ない。



 彼らは屋外の鍛錬場に移動、実験体を中心に立たせる。


「よし。では同時に術を掛けるぞ」


「今更ですけど…ジャッジは?」


「……なんとなくでいくぞ!!」


 ゴリ押しで進めるエリゼ。グラスは諦め杖を構える。エリゼがトマス、グラスがファースをターゲットにする。


「「強化!」」


 実験体の足下に、同時に魔法陣が広がった。速度はほぼ互角、グラスは感心する。


「(こっちは杖の力が大きいのに…天才の名は伊達じゃねえな)」


「よし、お前ら全力で跳んでみろ」


「「はい…わわっ!?」」


 言われた通り力を入れると2m程跳んだ。


「高さは…ファースのほうが上ですかね。元々の身体能力も関係あるのでしょうか」


「そうだな。だがどう考えてもそっちのデブのほうが元々悪いだろ。くそ…速度は互角、精度はボクの負けだ!次!!」


 続いて能力低下、デバフの魔術だが。これは人間相手には危険だな…と断念。


「では四大元素を…」


「あ、もう時間ですね」


「はああーーー!!?」


 ここまでの移動やらもあり30分経ってしまったのだ。憤慨するエリゼだが、規則なので仕方がない。また来る!!と帰って行く。



「お…おもしろい、方だった、ね」


「まあ…悪い人ではないな」


「また金貰えんなら大歓迎だぜ〜」



 その後3日連続でやって来たが。残念ながらトマスとファースはお呼びでなかったのである。


 杖という有利があるにも関わらず、互角の勝負を繰り返す。グラスも流石にプライドが傷付き、夜遅くまで修練を積む。


「くっそ…!いつか杖無しで渡り合ってやる!!」


 杖に頼るのは有事の際のみにし、己を高め続ける。




 ※※※




「ちくしょう!発動はボクの勝ちだが、やはり完成度はあいつのが上だ…!!だが結界の硬度はボクのが上だ!!」


「あそ…」


 学園にて、エリゼはセレスタンに愚痴をこぼす。

 セレスタンは「僕ですら会えないのにぃ…」と不機嫌顔。金持ちはいいっすねえ!!とやさぐれる。

 もうあっち行け!とエリゼを蹴飛ばすと、入れ違いでシャルロットが近付いて来た。



「セレス、一緒に試験勉強しない?」


「……はっ」


 その誘いは鼻で笑って追い返す。


「一方的に僕が教わるだけじゃん。その優しさはジスランにでもあげなよ」


「そんな事…一緒だと楽しいし…」


「ああそう。僕は楽しくない」


「セレス…」


「行きましょう、ルシアン」


 ちなみにセレスタンは試験勉強を全くしていない。高得点を目指す理由が無いのだから、真ん中らへんで十分なのだ。

 そんな事よりストーキングだ!今日こそアリスティドを捕まえるぞー!と気合を入れる。




「………」


「「………」」


「(なんか…)」


 校舎を出たところでアリスティドがくるっと振り返る。


「やあいい天気ですねえ」


「曇ってるなあ」


「明日は晴れに違いない!」


「嵐の予報だったような」


 彼の視線の先には空を見上げるセレスタンとルシアン。暫く見ていたが動かないので歩きを再開する。

 彼は寮に入って行った。もう部外者であるセレスタンだが、寮監に「バジルの部屋に用が〜」と言って侵入成功。


「部屋はあそこか…」


「(私は一体何を…いや、見方を変えればこれはデート…!)」


 放課後デートだと思い込む努力を始めるルシアン。現実は厳つい後輩のストーキングだが、妖精さんを追い掛けていると自己暗示。


 数分後私服に着替えたアリスティドが出て来て尾行。だが…



「見失ったーーー!?」


 路地に入った所で撒かれてしまう。がっくりと項垂れるが、ルシアンはどこか嬉しそうな雰囲気。


「し、仕方ないな。折角街まで来たんだし…どうだ、カフェでもいかないか?折角だから」


「うー…はあい」


「(よしっ!!)」


 小さくガッツポーズ。その様子を…遠くから護衛で付いて来ているハーヴェイは頬笑みながら見守る。



「ねえねえ兄さん達、ちょ〜っといーい?」


「ちょいと俺ら懐が寒くてえ…」


「ちびっと恵んで欲しいな〜なんて?」


「「………」」


 が。路地を出ようとしたら…チンピラ風の若い男3人に絡まれ道を塞がれてしまった。男達はニヤニヤとセレスタン達を見下ろしている、アカデミーの制服姿なので金を持っていると思っているのだろう。

 貴族に手を出したらどうなるかなど一般常識なのだが…稀にいるのだ。「証拠が無ければ大丈夫」「気弱そうだから、脅せばいい金ヅルになる!」と考えてしまう愚か者が…



「(どうしようかなー。護衛も精霊もいるし、正直怖くないけど。

 下手をしたらこの3人の首が飛ぶし(物理)…皇子(ルシアン)を危険な目に遭わせた!って僕も罰せられたらどうしよう。

 はあ…ここは穏便に…へ?)」


 冷静に思考を巡らせていたら、ルシアンが彼女の前に立つ。


「どけ。私達は忙しいのでな」


「え〜?」


 チンピラ達は睨みも軽く流して、今度はお金貸して〜と言う。


「貸す義理は無いし、返ってくる保証も無い。生活が苦しければ役所の生活相談窓口へ行け」


 ルシアンは淡々と述べ、セレスタンの手を取り横を通り過ぎようとする。


「ああ?おい坊ちゃんよお…」


「(やっば…!!)」


 バンダナを巻いた男が、苛つきながらルシアンに手を伸ばす。それにセレスタンは大慌て、言葉で絡むくらいならともかく、手を出したらこの男は厳刑は免れない。

 不本意だが先手を取ってぶっ飛ばそうとしたら…


「ぎゃひっ!!?」


 バンダナ男が豪速で吹っ飛んで壁にめり込む。これにはセレスタン達も、すぐそこまで来ていたハーヴェイもびっくり。

 一体何が…?とセレスタンが後ろを振り向くと、そこには。



「……マジで俺になんの用だよ、アンタら?」



 呆れ顔のアリスティドが立っていた。彼は片足を上げており、バンダナは蹴っ飛ばされたようだ。

 セレスタンとルシアンの肩を掴み背中に隠し、呆けていた男達がアリスティドを睨み付ける。ただ見た目からしてヤベエ…!と若干尻込み。それでも頭に血が上っているのか、標的を変えて殴り掛かってきた。


「なんだテメエ!?」


「うるせえよ」


 サングラスの男が殴り掛かるも、あっさり受け止め腹を殴る。一撃で沈み、残ったモヒカン男が…


「お…覚えてろ〜〜〜!!」


 見事な捨て台詞を吐き、仲間を捨てて逃走。



 後処理は通報して呼んだ騎士に任せて…4人でその場を離れる。


「……はあ、で。なんの用だよ」


 アリスティドはため息をつき、不機嫌そうにセレスタンを見下ろす。

 尾行は完全にバレていたようだが、その理由が分からないようだ。


「(やっべ…何コイツ。テクニックとかそういうんじゃなくて…純粋に強い、速い)」


 ハーヴェイは先程のアリスティドの動きを思い返していた。

 彼は何も特別な事をしていない。ただ蹴飛ばして、殴っただけ。シンプルが故に、底が知れない。



 そして睨まれているセレスタン。普通の女性であったら、泡を吹いて倒れてしまいそうな眼力だが…


「か…かっこいい…!!」


「はっ!?」


 目をキッラキラに輝かせ、アリスティドの大きな手を両手で取った。


「すごい、強い!!お願い僕を弟子にして!!」


「はああっ!?」


 彼が一歩後退るごとに、彼女は2歩詰める。

 天下の往来のど真ん中で、可愛らしい少年が厳つい男に迫る絵は異常だろう。通行人は興味を持ちつつも巻き込まれたくないので距離を取る。


「お、おまえ…そもそも誰だよっ!?」


「はっ!?そっかごめん、僕は4年生のセレスタン。君は3年生のアリスティド・ユルフェ君だよね?」


「知ってんのか…?」


「うん!お願い、僕を立派な不良にして!!」


「ちょ、何言ってんだテメエ…!」


 アリスティドは…その手を振り払わない。彼の力であれば、セレスタンくらい障害にもなりはしないだろうに。

 眉間に皺を寄せて汗をかき、頬を紅潮させて目を泳がせている。



「お願いっ!」


「………!」


 彼は喉をごくりと鳴らし…


「…っお前みたいな得体の知れねえ……なんて相手してられっか!!」


 と叫んだと思えば、そっと優しく手を離させ猛ダッシュで逃走。待ってー!!と追い掛けるセレスタン。

 ルシアンとハーヴェイは…目を見開き彼らの背中を見送った。


「…ハーヴェイ卿、今…」


「得体の知れねえ『女』なんて…って言いましたね」

 

 一応男装中なのに、である。ルシアンはアリスティドの調査をするように命じ、遅れて追い掛けようとしたが…どこに行ったのか分からず帰宅した。




 ※




「待って!!」


「げええっ!?(速えなこの女!?)」


 セレスタンが背中にタックルをかまし、ようやくアリスティドは止まった。


「ごめん、ちょっとお話ししない?」


 走りまくった2人は街の外れまで来ていた。平民の住宅地のようで、家は多いが人通りは少ない。


「まず離れろ…!」


「だって逃げるでしょ!?」


「逃げねえから離れろ!!」


 渋々背中から離れるセレスタン。どこか落ち着いて話せる場所を探すも見当たらず。仕方なく学園に向かって歩きながら会話をする。



「で…不良がなんだって?」


「僕は立派なワルを目指してるの!だから色々教えて…先輩!いやパイセン!」


 立ち止まり、腰を直角に折り頭を下げるセレスタン。アリスティドは強面に似合わず狼狽える。


「やめろ!つか先輩はテメエだろうが!?」


「……もっかい」


「は?」


「呼んで」


「…先輩?」


「は〜い!」


 締まりのない顔で返事をする。余程先輩呼びが嬉しいのか、何度も何度もお願いしては喜びを感じている。


「……で、先輩」


「なんだね!?」ドヤ顔


「いや…不良って言われても。別になんも教えらんねえっつーか」


「えー!?」


 やーだー!弟子にしてっ!!と大騒ぎ。

 段々と人通りが多くなってきたので冷静になるも、どうにも諦めない様子。

 と、その時。アリスティドの肩に誰かぶつかった。



「あ"…?」


「どこ見てんだテメ…っぼあ!!」


 相手はちょいワル風のおじさん。即座に顔面に拳がめり込む、いと哀れ。


「何してんのーーー!?」


 セレスタンは大慌てでおじさんを起こす。顔にそっと手を当てて折れ曲がった鼻を治して…


「ごめんなさい、ちゃんと言っておきますから」


「……天使…」


「へ?ちょっ…!」


 突然殴られたおじさんには…セレスタンが天使のように愛らしく尊く映る。手をがっちり握られてしまい、立ち上がる事も出来なくなってしまった。



「ひゃあっ!」


 アリスティドはバツが悪そうに舌打ちし、セレスタンを小脇に抱えて大股で歩く。下ろしてー!と抵抗も虚しく連行される。

 ふと、ある事に気付いた。


「(…?さっきまで、もっとゆっくり歩いてたような?)」


 2人の足の長さは歴然だ。今彼は普通に歩いているだけなのにかなりの速度が出ている。


 で、また誰かとぶつかった。


「あ、あばばば…ごめ、ご、めふっなさ…!」


 今度は妙齢の女性。明らかに堅気で無いアリスティドを見上げて顔面蒼白。


「…気ぃ付けろ」


 ふいっと顔を逸らして、一言だけ残してその場を離れる。これは…まさか…



「んっ?」


 おっと何処からかアリスティドの顔面目掛けてゴムボールが飛んで来た。空いている手で難なくキャッチ、発信源を探す。


「わー!にいちゃんすっげーーー!!」


「キッちゃん必殺の一撃だったのにー!」


 6歳前後の少年少女が…8人寄って来た。すぐそこにある公園でボール遊びをしていたようだ。

 目撃していた大人達は、すぐに通報出来るよう構える。


「おい、ガキ共…」


 アリスティドはゆっくりとセレスタンを地面に下ろし…


「危ねえだろうが!だがいい肩だ、センスあるぜテメエ!!」


「ほんとっ!?わーい!」


 あっという間にちびっ子に囲まれて、あれよあれよと仲間入り。

 イキイキしながらボール遊びに加わる姿を見て…セレスタンは確信した。



「(女子供…弱者に優しいタイプの不良だ!ひゃあ〜、まさに僕の理想…!)」


 喰らええっ!!と言いながら超優しいボールを投げたり、わざとやられてあげたり。とても面倒見の良い少年のようだ。

 だがそれで行くと…セレスタンも『女子供』扱いされているのだが。それでいいのか?




 カアカアとカラスが鳴き、子供達は大きく手を振りながら夕暮れ道を帰って行く。


「にーちゃんまったねー!」


「また遊んでねー!」


「前見て走れ!帰ったらうがいと手洗い忘れんなよ!!」


 アリスティドは常に威圧的な声色だが…言葉は優しいものばかり。ふふっと見上げれば、またも顔を逸らされる。


「んだよ…」


「ううん?えへ〜」


 2人は特に会話も無く歩く。注意深く観察すれば…やはり歩幅を合わせてくれている。

 それを指摘したら、きっとうるせえ!と怒鳴られるのだろう。


「(これまで怒声は…恐怖しか無かったけど。不思議だね、彼の言葉は全然怖くない)そうだ、出会い頭で人を殴っちゃ駄目だよ?」


「…相手は選んでる」


「んもー」


 そうなのだろうが、見ているこっちは気が気でない。

 いつの間にか不良とか関係無しに…セレスタンはアリスティドを気に入っていた。友達になれたらいいな…そう願うくらいに。




 学園で別れ、セレスタンは踵を返す。その背中に声を掛けられ、振り返るとアリスティドは眉間に皺を寄せている。


「テメエ、寮じゃねえのか?」


「違うよ、ここから歩いて…へっ?」


 最後まで聞かず、アリスティドは隣に並んでいた。「家はどこだ」と言われ、反射で「あっち」と道路を指差す。


「え、え?」


「………」


 アリスティドは先に行く。まさか送ってくれるの?と正面から訊ねれば、無言で顔を逸らされた。


「あの、嬉しいけど…僕鍛えてるし。それに実は精霊と契約してるから強いよ!」


「……武器持ってようが精霊がいようが、夜道を女1人で歩くんじゃねえよ…」


 太陽は完全に沈み、街灯がちらほら点きはじめている。彼は正論しか言っていないのだが、見た目とのギャップが凄まじい。


「(ヤバ…不良紳士…!僕の目の保養リスト入り…なんつって!)ん?今…なんて?女?」


「女だろうがよ」


「……なんで、分かったの?」


「………勘。なんとなく」


 それ以上は何も答えてくれず。

 女だとバレたというのに…彼女の心はおかしいくらいに平静だった。男装する気が無くなっているのか、相手がよかったのか。恐らくは後者だろう。


「そっかあ。内緒にしてね?」


「……趣味でやってんのかと思ったぜ」


 違うわい、嫌々だわ!と微笑む。


「(厭な笑顔だ…)」


 アリスティドは顔を顰めて、無言で歩く。



 セレスタンが家だと言った場所には何も無い空間。待っててと言うので道路に立っていたら…数分後包みを持ったセレスタンが走って来た。


「これ、よかったら。昨日作ったパウンドケーキなんだけど…」


「……なんで俺に?」


「もしかして…甘い物好きかな?って思って。マカロン食べちゃったし」


「ゔ…!あの毒物か!」


 失礼な!?と声を上げて笑った。

 どうやら甘い物好きとは図星らしく、貰ってやると言い大事そうに抱えた。この強面では、スイーツも食べづらいのかもしれない。



 寮に戻ったアリスティドは、夕飯後いそいそとお茶の準備をした。

 パウンドケーキは3切れあり、まず一口。


「……美味え」


 これも毒か…?と思ったりもしたが。フォークが進みあっという間に完食。

 ソファーに背を預けて紅茶を飲み、天井を見上げて大きく息を吐いた。セレスタンとの別れ際言われた言葉を思い出す。



『よかったら明日、お昼一緒に食べない?プリン作っておくからさ』



「……プリン」


 その味を想像して、頬を緩めて「行ってやってもいいかな」と前向きに検討。

 明日の楽しみができた。スイーツ好きの少年は、足取り軽くベッドに潜る。




 翌日、昼。


「別にプリンに釣られた訳じゃねえ…そう、誘われたから義理で…よし」


 アリスティドは言い訳を考えながら屋上に向かう。



「あら、失礼しましたわ」


「!!!」


 階段を上がろうとしたら、横から来た女生徒…シャルロットと軽くぶつかってしまった。


「き、気い付けろ」


 急いで顔を逸らしてその場を離れる。だがその先に、すぐ近くにルネが現れた。


「!!?」


「?どうかなさいまして?」


「な…んでも、ねえ!」


 ギっと睨み、足早に階段を上る。女子2人は顔を見合わせ、同時に首を傾げた。




「はあ、はあ…!」


 アリスティドは…顔を隅々まで赤くして、心臓を押さえながら屋上までやって来た。


「あっ!待ってたよー!」


「だあああっ!!?」


「ええ〜…?なんか君、僕と会う度に一度は叫ぶね?」


 扉を開けてすぐ…可愛らしい笑顔のセレスタンが出迎えたのだ。

 この短時間で3人もの美少女と遭遇したアリスティドは…実は。


「離れろ馬鹿が!!」


 単に、女の子が苦手な純情少年だったのである。

 セレスタンの正体に気付いたのも、彼女に近付き触れられると…胸が高鳴ってしまうから。



 要するに、異性として意識しているだけであった。



別時空のセレスタン「強面、不良、喧嘩強い、女子供に優しい、甘い物好き、女の子に弱い…属性もりもり過ぎん?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ