【ツイッターコピペ記事】漫才競技としてはしゃべくり漫才は評価されにくい【評論】
漫才競技としてはしゃべくりは評価されにくい。キャッチーさと面白さがコントに比べれば出しづらいのだ。歴代の最終決戦を振り返ってみよう。
M-1グランプリ 2001
最終決戦
優勝中川家 融合型
準優勝ハリガネロック しゃべくり
漫才王の中川家は、しゃべくりにコントをミックスさせた融合型だ。
M-1グランプリ 2002
最終決戦
優勝ますだおかだ しゃべくり
準優勝フットボールアワー コント
3位笑い飯 ショートコント
ますおかはしゃべくりだが、特殊型へと分類したほうがいいかもしれない。漫談+ギャグ芸のダブルピン芸漫才。笑い飯はショートコントを天丼に持っていくための装置。
M-1グランプリ 2003
最終決戦
優勝フットボールアワー コント
準優勝笑い飯 ショートコント
3位アンタッチャブル コント
特筆すべきはアンタッチャブルで、導入のしゃべくり感満載の掛け合いと、コントへの切り替えのマジック。速度と強引な面白みで後の漫コン革命の引き金となるが、別格だ。
M-1グランプリ 2004
最終決戦
優勝アンタッチャブル コント
準優勝南海キャンディーズ 融合型
3位麒麟 しゃべくり
中川家のような形態模写を使うしゃべくり漫才は多く、ここでは融合型としておく。南キャン山里の天の声感、後年麒麟川島のコント導入の司会者然とした回しなど後の大成要素が光る。
M-1グランプリ 2005
最終決戦
優勝ブラックマヨネーズ しゃべくり
準優勝笑い飯 歌ネタ
3位麒麟 融合型
しゃべくりの完成形であり王、ブラマヨ。しゃべくりで勝つには究極のパッケージを作ることらしい。ブラマヨとミルクボーイが今回の結論だ。それは何よりのロマンであったりもする。
笑い飯は、部分的にはコントに発展せず、掛け合いのままに小ボケが放たれる形式もあり、それらは話芸らしく面白い。今回のネタは、M-1グランプリ史上トップランクに残るほどの上出来のネタだったが、形式としてはしゃべくりの中の歌ネタ、というものだった。
M-1グランプリ 2006
最終決戦
優勝チュートリアル キャラ漫才
準優勝フットボールアワー コント
3位麒麟 融合型
チュートはコントの上位互換と呼ぶにふさわしいキャラ漫才で、徳井の芝居に福田の普通なツッコミ。ひとり芝居プラスしゃべくりというところだ。妄想漫才というワードが当時席巻。
M-1グランプリ 2007
最終決戦
優勝サンドウィッチマン コント
準優勝トータルテンボス コント
3位キングコング コント
しゃべくりのトータルがコントに転向しての結果。昨年の見取り図のような。サンド発端の漫コン革命。導入のツカミをカットし、本編で大きく掴む、もはや漫才ならぬ漫才だ。
M-1グランプリ 2008
最終決戦
優勝NON STYLE 融合型
準優勝オードリー キャラ漫才
3位ナイツ 特殊型
ナイツはますおかのしゃべくりの変化球漫才の究極パッケージ。とりわけ土屋のツッコミは新しく、副音声的な話芸だ。漫談✕漫談。オードリーはしゃべくりのチュートよりも融合型が雛形となる。
M-1グランプリ 2009
優勝パンクブーブー コント
準優勝笑い飯 ショートコント
3位NON STYLE コント
パンブーの怒涛のワードボケの駆使はすさまじかれど、漫才の話芸としては特筆すべき部分のない戦い。パンブーの圧勝は当然かと。コントに完全移行のノンスタの動向からも分かるように、漫コン革命は進んでいった。
M-1グランプリ 2010
最終決戦
優勝笑い飯 ショートコント
準優勝スリムクラブ 特殊型
3位パンクブーブー しゃべくり
しゃべくりをしゃべらないことで成立させるスリムの特殊型話芸。コントの設定に入っても役に入るよりふたりが喋っている間でもたせる、これは話芸の究極に近しいかもしれない。
M-1グランプリ 2015
最終決戦
優勝トレンディエンジェル 特殊型
準優勝銀シャリ しゃべくり
3位ジャルジャル しゃべくりコント
トレエンは斎藤の小ボケor一発ギャグの応酬にたかしが上手いツッコミを入れていく。どことなくマヂラブの風。ジャルは融合型ではなくしゃべくりを演じるコントだ。
M-1グランプリ 2016
最終決戦
優勝銀シャリ しゃべくり
準優勝和牛 コント
3位スーパーマラドーナ コント
しゃべくりの究極形であるブラマヨ、ミルクボーイのようなパッケージ漫才ではなく、生粋のボケとツッコミのパワーの融合の銀シャリのしゃべくり話芸は、しゃべくり漫才の頂点かもしれない。
M-1グランプリ 2017
最終決戦
優勝とろサーモン コント
準優勝和牛 コント
3位ミキ しゃべくり
ミキのしゃべくりはツッコミのキャラを活かした事実上キャラ漫才。和牛の漫才コントは特筆すべきで、コントの役柄が掛け合いによる話芸の妙で引っ張っていく、コントしゃべくり漫才をなしている。それは、フットボールアワーの漫才における話芸、の系列に入るものかもしれない。
M-1グランプリ 2018
最終決戦
優勝霜降り明星 特殊型 融合型
準優勝和牛 コント
3位ジャルジャル しゃべくりコント
霜降りはせいやの動きに粗品がピン芸ツッコミを融合させていくという、ナイツ系の特殊型漫才の亜種。和牛の本質はしゃべくり、ジャルの本質はコントに、と反転現象が見られる。
M-1グランプリ 2019
最終決戦
優勝ミルクボーイ しゃべくり
準優勝かまいたち キャラしゃべくり漫才
3位ぺこぱ キャラ漫才
しゃべくりの完成形であるミルクボーイは後述。かまいたちは話芸の組だが、キャラ化も不可欠の案配。融合型のぺこぱは、ツッコミがナルシストという独特の世界観。話題になったツッコまないツッコミの部分はむしろ凡庸で、本質的には不要とさえ思える。さて、ミルクのパッケージしゃべくり。基本的に理詰めで進めるしゃべくりの欠点をことごとく凌駕していくパワー漫才。面白みとキャッチーさが削がれていかない。最強内海の間、話芸の完璧さ。毒舌と天丼のハマり。
M-1グランプリ 2020
最終決戦
優勝マヂカルラブリー 融合型
準優勝おいでやすこが 歌ネタ
3位見取り図 コント
マヂラブ論争が起こったが、あれは紛れもなく漫才だ。漫才コントだが、しゃべくりに形態模写を融合する爆笑問題や中川家系の融合型と逆の、南キャンや麒麟と同列の観察型漫才コントだ。
結論
漫才競技としては評価されにくいしゃべくりだが、いくつかのブレークスルーがあった。マヂラブ論争も同様だが、王道しゃべくりと思われがちな漫才師も、実は漫才コント師だったりもするので、世間的なイメージだけでは本質は計れないことが分かる。パッケージしゃべくりがブレークの一つだった。その意味でブラマヨとミルクはすさまじい。しゃべくり漫才にはロマンがある。話芸は小説家にとっての文芸に通ずるものがありそれが世間に通ずる瞬間の事実が、痛快でもあり誇りであったりもするのだ。そんな中、銀シャリは生粋のしゃべくり漫才だと思う。漫コンの和牛の本質のしゃべくりも特筆すべきだ。
発見したこと。
ミルクボーイ内海の最強さ。銀シャリは生粋のしゃべくり漫才師(時に融合ネタも駆使)、強い。フットボールアワー、和牛は役に入りつつ掛け合いの妙で引っ張っる、漫才というパッケージングを駆使し成立された漫才コント師。
アンタッチャブル、千鳥、とろサーモンなど台本を持たない漫才コント師は漫才師らしい組。
ナイツなどの特殊型漫才は、遡ればますだおかだに行き着く。しゃべらないことでしゃべくりの本質を成立させるスリムクラブはかなり特異的だが、話芸としての究極と呼ぶにふさわしいほど光るものがある。
現在、個人的に話芸の観点で推しを3組を選ぶとすれば、ミルクボーイ、銀シャリ、スリムクラブになる。今後も推していきたい。
以上、しゃべくり漫才はコントに比べて漫才競技で評価されにくい、でした。ありがとうございました。