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…その人はそこにいた。

もの凄い間が開きました…。


すみません…。


これから、もう少し頑張ります!!

 さっき時計を確認したところ10時だったので、これは遅めのご飯になるのだろう。


 10時ともなれば食欲が少し落ち着くのだが、食べないと明日を生きていける自信が無いので……というより目の前に出された料理が食欲をそそるので……しっかり食べます。


「いただきます!」

「はい、どうぞ」


 この前は和食で今は洋食だ。なんかハンバーグっぽい……というかハンバーグがある。他にもジャガイモとか、白米とか、パンとか……。

 

 なんか、ファミレスのご飯みたいだな。あまり行ったこと無いから知らないけど。

 

 美味しそう、というか美味しいけど全体的に量が多い気がしなくもない……。別に食べれなくは無い……というか昼食を食堂でクラスメイト達と一緒に食べるのは流石にきつくて、食べていなかったので丁度いいくらいなのだけれども。


 まさか!そのことを知っていて……!!


 いや、そんなわけないか……。


 最近、こう、気持ちが浮かれていく傾向があるみたいだ。……悪いことでは無い、というかむしろいい傾向なのだが。浮かれていて何かを失敗するなんてことはしたくない。だからもう少し、自制心?を鍛えなおさないとな……。


 今の、楽しい時間がずっと続くように……。


 ところで、なんで僕の顔を彼女……ミサーナさんはまじまじと見つめているのだろうか?


 なんか、恥ずかしいのだけれど……。


「翔さん?どうかしましたか?」

「えっ!………まあ、な、なにもないです……よ?」

「本当ですか?嬉しいことがあった時のような顔をしているように見えましたけど……?」

「本当になにもないです!」


 楽しい時間がずっと続くように……なんて思っていたなんて死んでも言えない!もし言ってしまったら最後……末代までの恥だ。………こんな何もとりえのない僕に末代なんてまずないだろうけどさ………。


「あっ、顔が戻りました」

「…………ご飯、美味しいです」

「えっ、あ、ありがとうございます」


 でもこれ、頑張って食べないと大浴場へ行く時間が無くなっちゃうのでは?


「あの、翔さん」

「ん、なんですか?」

「ちょっと用事があるので部屋を出ます。食べ終わった食器はそのままにしておいてください。後で取りに行きます」


 用事?どうしたんだろうか。まあ、僕が気にしても意味ないか。


「わかりました。……でも、場所さえ教えてもらえれば、自分の食べた食器なので片づけますよ」

「………それには及びません。それに、翔さんも早く行かなければならないところがあるでしょう?」

「それは……まあ。そうですね、わかりました」

「では、失礼します」


 こういう時って確かこう言うんだっけ。


「………行ってらっしゃい」

「っ…………。……行ってきます」


 そう言ってミサーナさんは出て行った。


 そういえば忘れていたけど、扉が復活したんだったな。なんか記憶の中の扉と比べて豪華になっている気がするのは気のせいだろう。……たぶん。


 まあ、先ずは目の前にあるこのご飯を食べきっちゃいますか。

 ミサーナさん、忘れそうになるけど心に闇を抱えてそうだし、多分この料理を残したら、


「お残しは許しませんよ!」って、怒られるよりもっと酷いことされそうだし。


 それに、ミサーナさんが一生懸命作ってくれたご飯を残すのはかなり気が引けるし。


 それじゃあ、改めまして……


「いただきます!」



 ◇ ◇ ◇



 ……やっと食べ終わった。


 かなり時間がかかるだろうとは思っていたけど、これは……食休みする暇も無いな。


 大浴場に急いで向かおう。


 えっと、確か大浴場は隣の棟にあるって言ってたっけ、


 んー、ホテルみたいに自分の部屋に風呂が無いとちょっと不便だなぁ。


 まさか、ほかの部屋にはあるけどこの部屋には無いなんてことは……


 いや、まあここ物置だし、無いのは当然だけどさ。


「まあ、うん、行こう。隣の棟って言われても三つあるからどれなのかわからないことに今気づいたし」



 この寮棟に案内板みたいなのあったっけ?ちょっと探しながら隣の棟を目指すか。



 ◇ ◇ ◇



「ついた……!案内板みたいなのが寮棟にあって助かった。無かったら今頃……」


 まあ、それは置いといて、早速入りますか。時間も限られているし。



 で、どっち?



 うぃっち いず おとこゆ?


 日本だと一目見ただけで分かるじゃん。「あ、これ男湯だ」って


 主に青と赤の暖簾で


 しかしだ、目の前にあるのは――



 ――紫の暖簾と緑の暖簾




 う そ だ ろ



 ここにきて最難関の二択クイズだよ!


 当たればお風呂、外れれば……想像もしたくない結末。



 そして、部屋を出る時に見た目覚まし時計みたいなやつは11時を指していたから、多分今は11時10分過ぎ。対して大浴場の使用可能時刻は12時まで…。


 迷っている時間は無いっ!!


 部屋に戻る?いや、それは悪手だ。僕に対するいじめの深刻化に繋がるし、何よりミサーナさんの気持ちが報われない。


 考えるんだ、青は男性のイメージ、赤は女性のイメージ。なら、紫や緑は?


 紫が女湯で緑が男湯……か?



 ……まあ、今は11時過ぎだし、流石に人はいないだろ……



「…………失礼します……」


 僕は緑の暖簾をくぐり中に入る。



 ……目の前に何か置いてある。これは………石鹸とタオルと髭剃りか?




 髭剃りは日本のものとは形が全然違く、使い方もよくわからなかったが、………それは髭剃りだった!




「よかったー!!すごい緊張した………。しゃべり方もさっきすごい変になってたし」



 落ち着いたところで周りを見てみると、これまた使い方のよくわからない物があることに気づいた。



 機械っぽい?ってことは……ドライヤーみたいな魔道具ってとこかな?近くに鏡があるし。



 他には、日本のものと同じように木でできたロッカーと籠がある。多分、ここに脱いだ服を入れておくのだろう。




 観察は終了!!


 日本人としては早くお風呂に浸かってゆっくりしたいのである。


 僕はちゃちゃっと着替えて風呂場に向かうことにした。



 ◇ ◇ ◇



「広い……そして白い……」


 大浴場はとても広くて、さすが()浴場なだけあった。



 白いというのは……湯気のことだ。絶対湯加減を間違えてるだろ!ってくらい湯気がたっている。


 もはやこれはサウナだ……。



 そういえば露天風呂があるみたいだ。あの扉から外に出られるのかな?


 流石に常時サウナ状態でゆっくりできる気がしない。


 行くか……。



 ガチャ


 おお、中は湯気であまり見えなかったけど、外はそこまでだ。


 やっとゆっくりできる。


 じゃあ、先ずはあのお風呂に………って



 ……え。


 誰か、いる?……こんな時間に?


 クラスメイト……は無いか。


 じゃあ、誰だろう?



「え……?……あ。」



 目があってしまった。……………。



 ……え。



「ミサーナさん……!?」

「翔……さん……!?」

読んでくださりありがとうございました!!

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