組織とは、リーダーとは
『成長した』という一言じゃ片付けられないものがそこにはあった。
でも、人間驚いたときはそういう変な反応になってしまうんだよ。
――つまり何が言いたいかと言うと
「一体全体何があったらそうなるの!?」
「んん…………修行?」
修行でそんなことになったら、もう怖すぎなんだけど!
小さなネズミが見ない間に小さな人間になってました――――って、そうはならないでしょ!?
「うぅ…………何か、見ない間にみんな遠くに行ってしまった気がしてきた」
歳月人を待たずとは言うけれど、まさかこれほどのものとは思いもしなかったよ……。
「まぁまぁ、十年あったら色々と変わりますよ。…………私のは少し変わりすぎかもしれないけれど。
でも、日野さんだって見ない間に女の子になってたじゃないですか。私よりもよっぽど変化してると思いますけど……」
「たしかに……それもそうなんだけどさ」
そう言われると本当に何も言い返せないんだけど、それでもちょっと気になってしまうからしょうがない。
――――でも、こう考えてみると十年って僕や私の思っていた以上に長かったんだね。
「まあ、この話はこの辺までにしておこ?……盛り上がりすぎそうだからさ」
「そうですね、それなら早速ここへ呼んだ理由を話しますね」
彼女はそう言い、コホンと一つ咳払いすると、この場に集まっている全員に向けて話し始めた。
「今日ここにいる皆に集まってもらったのは、大切な事をいくつか話すから。
一つは、ここにいる女の子……シュナもとい日野さんと、ユイさんがうちに新しく入るって伝えたかった事。
後は、現状確認とこれからのことについて話し合うためだよ」
「「はい!」」
集まっている団員達から、よい返事が聞こえる。
しかし、シュナはといえば、少女の言葉にかなり動揺している様子だ。
それはなぜかと言うと――
――――私が革命団に入るって話、初耳なんだけど!?
と、あわてているからだ。
そして、隣にいるユイはと言うと――――やはり、とても驚いている様子だった。
「お姉ちゃんは聞いてた?」
私が忠太郎から突然思いも寄らない事を言われてびっくりしていると、隣から小さくそう言われた。
「いや、私も初耳なんだけど」
できるだけ小声を意識してユイと話す。
「やっぱりその様子だと、そうだよね……。でも私、革命団そのものが分かってないんだけど、大丈夫かなぁ」
そう言えば、そうだったっけ。
私はお姉ちゃんに聞かされてそれを知っただけだから、ユイは知らないのか。
「革命団って言うのは魔族も人族も敵に回して戦う事で、逆にその二種族を協力させて仲良くさせようって言う事をしようとしているの」
「なるほど……それで魔族と人族の間の戦争を止めようって事かぁ」
簡単に説明したのに分かってくれるなんて……まさに以心伝心だね!
「コホン…………この二人がうちに入ることになったのはある人の紹介によるものなんだけど、その人には二人には最大限配慮するようにって事だからよろしくね?
……あと、彼女らに何かあったら全員の首が飛ぶから、そのつもりで」
……忠太郎は私たちが話終わるのを待ってくれていたみたいで、一つ咳払いするとそう話した。
でも、私たちにここまで配慮させるって事は……革命団に私たちを入れさせたのは、もしかしなくてもお姉ちゃんだよね?
――――でも、私たちにとって悪い事は無いし……お姉ちゃんには怒れないなぁ。
もしかして、お姉ちゃんはそれを分かっていて…………って、そんなわけないよね。
――――ないよね?
でも、私たちに何かあったら全員の首が飛ぶ……って言うのは流石に言い過ぎだと思うけど。
お姉ちゃんがそう言ったのか、忠太郎が忠告を込めてそう言ったのか。
……どちらにしろ、団員さんたちが少し震えちゃってるし、やり過ぎだと思うなぁ。
そんな風に、私は他人事の様にそう考えていた。――いや、実際他人事かな?
「さて、これからのことについてだけど……正直、今までと特に変わるところは無いかな」
私がいつもの癖の、考えに集中しすぎて周りが見えなくなる癖が発動しかけていたタイミングで、丁度忠太郎は話を変えた。
――あぶないあぶない、ちゃんと聞かないと。
「具体的には、表向きに飲食店や酒場を経営しつつ、裏で情報を集めたり……戦力の強化のために武器を開発したり、技術を身につけたりだね」
私がいつもはどういう感じのことをやっているのかと疑問に思っていると、丁度、忠太郎が解説をしてくれた。
なんか、予想外と言うわけではないんだけど――――周りを取りまとめている姿を見ると、ちゃんと団長してるんだなぁと思ってしまった。
だって、私が最後に見たのはあんな小さな小動物の姿だし……。
「今のところ、順調に進んでいるみたいだし特に報告とかはいいよ。……と私が言っても、どうせみんな資料を送ってくるんだろうけど。
それは、まぁ置いておいて……一つ聞いておきたいんだけど、昨日のあの騒動は何?」
騒動……って何?多分私たちは関係ないよね?
――――私が覚えていないだけで何かやらかしていたりしたらと考えると怖いけど。
そんな風に心配していると……咲が手を挙げた。
ん……と、どういう事?
「多分、それって私ですね。門番と兵士がうるさかったので、のしました」
のした……って、相手を兵士たちをのしたって事?
咲って、やっぱりすごい事をするよね……。
あれ、という事は――――あの門番さんが眠らされていたのって咲のせい?
……私はこの件についてどう反応したらいいのか分からなくなってしまった。
「のしたって、随分と物騒な事をしたね!?
まぁ、私はそういうのは別にいいと思ってるんだけどさ…………ほら、後始末が大変だから気をつけてね?」
「そうですね……それは、すみません」
咲が反省している姿を見て『あの時は助かった』なんて言えないし……心の中で思うだけにしておこう。
「ちゃんと反省できて偉い。……次は無いようにね?」
……何というか、圧力で人を纏めるのではなくて、信頼とか、そういったものでまとめているんだなぁって、そう思った。
上手くいくのかどうかは別として、そういうのはいいなぁと……思う。
「じゃあ、話したい事は話したし、聞きたい事も聞けたし……解散!質問がある人は後で来てね」
そんなこんなで、突然始まった集会?は突然に終わった。
でも、本当は私のイメージと違って、意外とそういうものなのかな……?
この小説は文がアレなので、内容は同じだけど最初から書き直すかもしれないです……。
それか、一話からちょっとずつ書き直していきます。
そうなったら許してくだせぇ……⊂((・x・))⊃




