積もる話もほどほどに
良いお年をっ!
結局それから2分くらい経って、ようやく解放された。
目を閉じていたら、頭を撫でられたので……けっこう取り乱してしまったのは秘密だ。
……そんなこんなで色々疲れたけど、私が捕われている間にお姉ちゃんが帰ってこなかったことが唯一の救いかもしれない。
お姉ちゃんがさっきの状況を見たら…………想像もしたくない事が起こるのは間違いない。
……本当に良かった。
「そういえば、ゼニアスさんまだ帰ってきませんね」
「んーー、多分気にするほどじゃ無いと思いますよ。
ミサさん、朝に弱いんです」
実は、ミサさん――ユイは朝が弱い。
昔のミサさんは……僕の知ってる限り強かった筈だったんだけど、どうやらユイに生まれ変わってメイドでなくなってから朝に弱くなったようだ。
環境の変化って、かなり人を変えるらしい。
「多分、そろそろ戻ってくると思います。
流石に二十分はかからないと思うので……」
僕の気絶していた時間を考えても、おそらくお姉ちゃんが行ってから十五分くらいだと思う。
だから、そろそろ帰ってくるはずなんだけど。
「そういえば、私に昔の話し方で話そうって言っていたわりには、敬語で話すのね?」
「うっ」
痛いところを突かれた……。
「ふふふ。痛いところを突かれたって顔してるわね?」
「そ、その通りです。やっぱり咲には隠し事はできないね……」
あーー、やっぱり分かってしまうか。
「本当に恥ずかしい話なんですが、いつボロが出てしまうか分からないので……。
ひとまず敬語で誤魔化そうかな、と」
「ふふっ、翔くんは面白いね。
そんな事気にしなくていいんですよ?
誰も嫌がらないし、そんな事気にしてないから。
気にしているのは……翔くんだけなんですよ」
分かってはいるけど……。
「何というか…………いや、いいか。
うん、分かった。
ありがとう、色々と」
「うん。ちょっとでも、恩返しになったなら良かった」
「恩返し……?私何もしてないですよね?」
何か咲に恩返ししてもらうような事をした覚えなんて無いんだけど?
「それでいいんですよ。別に無理して昔のままでいるつもりなんて無いんですから」
「どういうこ……と…………っ!!」
さっき……僕、わたしって!!
「うわ〜〜っ!今のなしで!」
「分かってますよ……?」
「ん〜〜……わかり、ました」
……あぁ、またやってしまった。
いや、今は本当は私としているべき時間なんだけど……だから、体がというかシュナが嫌がってる。
しょうがないのかな……。
「た、だだいまっ……!」
私がそんな事を考えていたら、お姉ちゃんが帰ってきた。
そして、そう言うなりソファーに倒れ込んでしまった。
そして、そんなお姉ちゃんを見ている……ユイ、ミサさんがいる。
「連れてきてくれてありがとうございます!お姉ちゃん」
「あはは、その言葉を聞けるなら私は何だってやるよ……」
「ちょっと、なんでそんなに私のせいで疲れた感じを出してるんですか!?」
……多分、疲れたのは本当なんだろうけど。
旅の途中、野宿でもその朝の弱さは私たちを少し困らせたからね……。
いや、ユイの世話をできるなら全然苦じゃないんだけどね!?
でも、ユイが前まで親と一緒に寝ていたのは……そういう事が原因だったりする。
そんな事を何となく一人で解説していたら、急にミサさんが私の方を向いた。
いや、私と……咲?
「それに……お姉ちゃんはいつから私以外の女の子と仲良くなったんですか!?」
「あっ!……そ、それは……!!」
今更ながらだけど、私は先程の膝枕の関係で咲の隣に座っていた事を思い出した。
「……いいんですよ?別に?」
「いや、その……!」
……うぅ。まさかそうなるなんて思わなかった。
浮気がバレた人の気持ちをこんなところで味わうなんて思いもしなかったよ……。
今年もあと1時間ですよ!早いですね!
なんとか間に合いましたが……文字数としては短いかもしれませんね……。
2021年も残りわずかですけど、悔いのないようにお過ごしくださいね!
㍆㌋㌉㌏㌉㌸㌾㌋㌞㌹㌅のsironeko*でした!
阿部寛のホームページ新年初閲覧RTAに挑戦する皆さんも頑張って下さいね!今年は激戦が予想されるようです……!




