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シュナちゃんリベンジ

また次話まで日にちが開きます。

その代わりと言ってはなんですが、少し長めに作れるように頑張ります。

 私たちはユイにこれまでの事を色々と教えたあと、作戦を立てリベンジしにいくことにしようとなったのだけど……


「作戦……考えるの面倒くさーい」


 と、私は早くも弱音を吐いていた。


 作戦を考えるなんて事は殆どした事がないし、失敗したときの事を考えると私には少し荷が重すぎるよ……。


「なに弱気になってるんだよ、ただ作戦を考えるだけだろ?」


 いつの間にか元のミニキャラ状態に戻ったシオンがそんな事を言う。


「だってさ……適当な作戦じゃダメでしょ?失敗したら私たち今度こそ殺されちゃうかもしれないじゃん」


 私はともかく、ユイを傷つけることだけはしたくない……。


「大丈夫、万が一にもお前は死なないだろ。……適当な作戦でいいから言ってみろよ?」

「……見た目を《変身(レオン)》で変化させるとか?……私にはそれくらいしか思いつかないよ」


 要は人間だって分からないようにすればいいんだよね?……だったら姿を変えるのが一番手っ取り早いかなと思ったんだけど。


「それでいいんじゃないか?俺も一番手っ取り早く国に入れる方法だしそれでいいと思う」

「私もみんながそれでいいなら……いいかな」

「え!?いいの?」


 本当に適当に立てた作戦なんだけどなぁ。まぁそれは横に置いとくとしても……


「でも、どういう見た目にするかが問題なんだよね」


 魔族と一口に言っても色々な種類がある。獣の頭を持った魔族とか、角が生えていて他は人間に近いものだったりとか。

 因みにシオンは後者のタイプだった。


「どんな見た目の魔族が多いんですか?私たちもそれに合わせるのが一番だと思いますけど」

「あれ、ユイ……いつになく真剣」


 若干ミサさん成分が出てきちゃってるよー。


「だって、お姉ちゃんたちと違って私は弱いんだもん!慎重にいかないとお姉ちゃんたちの足を引っ張っちゃうかもしれないし……」

「大丈夫だよ!ユイの事は私が体を張って全力で死守するから!……それに私たちはユイのことを足手まといだなんて絶対思わないからね!」


 可愛い妹の事を邪魔だなんて思う姉がどこに居ようか!?

 私はいつも全力でユイのことをすこりますよ!!


「……お前、やっぱりシスコ……いや何でもない」


 ??


 シオンがなにかを今言いかけていたような……。

 シス…………って何のことだろ?


「まぁ俺たちはお前の事を見捨てたりしないさ。それでどんな見た目の魔族が多いかって話だが、基本的にはほぼほぼ人に近いものが多い。そしてその中でも角や尻尾や翼が生えているだけのものが多いな」

「ありがとうございます!シオンさん」



 はっ!……ユイがシオンにありがとうって言った!?


「ユイ〜、私も〜〜!」


 私だってありがとうって言われて良くない?

 いいよね?


 私はそう思ってユイにねだってみた。


「お姉ちゃんも、ありがとね!」


 すると、笑顔で私にもありがとうって言ってくれた。


「うん!」


 すっごく嬉しいよー!

 ユイが可愛すぎて、なんかもう大好き!


「……よし、じゃあ変身しますか!」

「やけに上機嫌だな……」

「まーね」

「……でも、お姉ちゃんはよく声も出さずに変身できるよね」

「ん……変身する時に声を出すのが普通なの?」


 『へんしーん!』みたいな事を言いたくなる衝動を抑えきれない感じなの?


「ああ、そういえばお前には分からないか。……《変身(レオン)》は骨とか内臓から身体を変えるから使用する時はかなりの激痛が襲ってくるんだよ。

 ……わざわざそんな魔法を使うやつは居ないからあの兵士も俺たちが変身している事を疑ってこないだろうと思ってその作戦に参加した節もある」


 なるほど……考えてみればそりゃそうだよね。


 でも、それならほぼ同じ体格の姿に変身する分には痛みも少なくて済むのかな。


「じゃあ私はミサーナの姿になろうかなぁ」

「え、大丈夫なの?痛くないの?」


 ユイの今の体とミサさんの体じゃかなり違いがある。

 そんな姿に変身したら痛みもかなりの大きさになるはずだけど……。


「大丈夫、私は《幻纏(レイジスコート)》を使うから」


 れいじすこーと?


 何それ?聞いたことない魔法だなぁ。少なくともあの時見た教科書には書いてなかったはずだけど。


 ()の魔法の知識はあの時見た教科書の知識で止まっている。……さらに初級・中級までの教科書しか読んでないから簡単な魔法しか知らない。


 私の魔法の知識はというと……。家がそこまで裕福だった訳ではないし、学校でも日常で使える魔法くらいしか習ってないので、私の魔法の知識は中級程度で止まっているんだよね。


 だから、知っている魔法よりも知らない魔法の方が圧倒的に多い…………自分で言っていて恥ずかしくなるよ。



 だから、そのれいじすこーと……とかいう魔法がなんなのか教えてもらいたいんだよね。


「れいじすこーとってどういう魔法なの?」

「その魔法はな、《変身(レオン)》のように体を作り変える様な物じゃなくて、幻を纏わせて自分の姿を偽る事ができる魔法だ」

「なるほど!」


 凄い便利な魔法じゃん!

 あれ、私が変身する意味無いのでは?


「そう。だからその魔法を使って魔族の国の中へ……」

「それは無理だな」


 え?なんで?


「言っておくが魔族はそんなに甘くは無いぞ。……幻で物を掴んだりできないし、幻には触れないから……触られたりでもしたら一発アウトだ。

 というか……危険物を所持していないかとか普通チェックされるだろ。お前、もしかして魔族を舐めてる?」

「レディにそんな事をしていいのですか?……と脅せばいけるかな、と」

「あ、それは確かにワンチャンあるかも」


 いや、ワンチャンあるんだ!?



 というかミサさんよ……レディだなんて、完全に女の子に染まってしまったんだね。

 じゃあ、もうミサさんよりもミサーナさんって呼ぶのが適切なんじゃないかな?


 ……多分。



 まぁ、私も人のこと言えないけどね。


「じゃあ結局《変身(レオン)》を使うしかないの……?お姉ちゃん、痛みを軽減できたりする?」

「痛みを軽減?……そんなことできる魔法なんてあるのかな?」

「あるぜ、《痛覚軽減(ケイルドペイン)》ってやつが。……お前の前持ってた痛覚弱化の魔法版だな。因みに使用者の力量で痛みの軽減率が変わるぜ」


 力量で変わる魔法なんだ。


「とりあえずやってみていい?」

「うん!」


 よっしゃ、いくよー!!


「《痛覚軽減(ケイルドペイン)》!」


 特に痛みを軽減させるイメージが上手くわかなかったから、痛みに対して体が鈍くなるイメージでやってみたんだけど。上手くいくかな?


 一応それっぽいエフェクトが私からユイの方へ飛んで行ったけど。


「つねって確かめてみよー」


 効果はどうなっているのか見た目じゃ分からないのでほっぺをつねってみることにします。


「てやっ!」


 私はユイのほっぺたを優しくつねってみた。

 そして次の瞬間、もちっという感触が私の指を襲った。


 ずっと触ってたい……。

 でも、しっかり魔法の効果を確かめないと。


「どう?痛い」

「痛くないよ。でも、お姉ちゃんが優しくつねりすぎなだけな気がする」

「もっと強くする?」


 私としてはこれ以上強くつねりたくないんだけど


「だめ!痛いのやだ」

「分かった」


 良かった……。


「それにしても、お姉ちゃんはよく無詠唱で魔法を使えるよね」

「ん?あー、前世の時も初めから無詠唱で習わされたしね。そっちの方がむしろやりやすくなってるかも」


 本来は詠唱をして魔法を発動させるのが普通なんだけど、頭の中で魔法が発動するイメージを強く持つことによって魔法の名前だけで発動させることを可能にしている。


 本来はそのイメージを持つのが難しいので無詠唱で魔法を扱える人は少ないのだが、私は前世でアニメとかを見ていたせいでそこらへんのイメージはほぼ完璧になっている。


 そのせいか、難しい詠唱をするよりもイメージをして発動する方がやりやすくなっているのだ!


「すごいね!流石お姉ちゃん」

「えへへ……照れるなぁ」


 ユイに褒められてしまった。……すごい嬉しい。


「じゃあそろそろ変身しようかな。変身って結構難しい魔法なんだけど、前世の姿に角を生やすだけなら想像しやすいし、私も無詠唱の方がやりやすいかも」


 ユイはそう言うと《変身(レオン)》を唱え、多少痛がりはしたものの葉を食いしばって耐えていた。


 変身している最中は大丈夫だろうかとヒヤヒヤしたけど、数分後にはミサさんの姿になっていた。


「わー、戻ってる。私、身長こされちゃった」

「ん……痛みも引いてきたし、動けるか確かめましょうか。……それにしても懐かしいですね」


 ()と違ってミサさんはミサさんの記憶がずっとしっかりあった訳だし、角が生えているとはいえ、確かに久しぶりの元の体ということになる。


「じゃあ、私も僕に戻ろうかな」

「ちょっと待て」

「え?」


 何、いきなりどうしたんだの?


「お前の元の姿は少し有名すぎないか?」

「あー、確かに」


 僕の姿を知っている人がいるかもしれない……って


「そういえば観客の皆をシオン自身の手で殺してなかった!!?」

「あ、あれは一応観客は転移魔法で避難させたから」


 本当かなぁ?


「全員?」

「…………八割がた」


 だめじゃん……。


 でも、まぁその八割は僕の姿を知っていることになるのか。


 そして、街中でばったり会う可能性があると。


「じゃあ、私は何に変身すればいいの?」

「知らん」

「ええっ!?」


 どうしよう。私が足を引っ張っちゃってるよぉ。


「すみません。一つ提案があるのですが」


 ミサさん……助けてくれるの?


「シュナの何年後かの成長予想の姿になればいいのではないでしょうか」

「ん……その心は?」

「特徴は基本的にそのままなので変身する際のイメージは比較的しやすいかな、と」


 なるほど。……たしかにそれならいけるかもしれない。


「なるほどな。で、本心は?」

「シオンさんには筒抜けですか……。単に見てみたいだけですよ、お姉ちゃんの成長した姿を」


 ……そんな事を考えていたの!?


 びっくりしたよ。私の知らないユイの一面を知ってしまった。


「そしてあわよくば……いや、何でもないです」

「え!?なんか怖いよ……!」


 あわよくば……一体何をするつもりだったんだろうか?


 まさかナニをするつもりなんだろうか!?


 ……すみません、何でもないです。


「まぁ、いいや。その案でいこうよ」

「あぁ、問題は特に無いな」


 よし、じゃあ早速やってみるか。


「自分の成長した姿をイメージすればいいんだよね?…… 《変身(レオン)》!」



 骨や内臓がごちゃごちゃになり、体が作り替えられていく感覚……。何度やっても不快な感覚であることに変わりは無いなぁ。


 私の場合はそれに痛みが加わらないだけマシなんだけどね。



 そんな事を考えていると、体のごちゃごちゃがだんだんと収まってきた。そして、気づいた時には……


「お姉ちゃん……可愛い」

「お前……盛ったな?」

「盛った?……そんなに?わたしのイメージではこんな容姿なんだけど」


 というか、順調に成長していけばこんな感じだと私は思うんだけど。


「いや、盛ってるだろ…………胸を」


 その時、突然シオンがどこかへ吹き飛んでいった。


 ……私の無意識のうちに放たれた渾身の一撃が炸裂したともいう。


 どちらにせよ、シオンの分身はいつか見たアニメの様にキラッと光ってどこかへ飛ばされていった。



「流石に無いよ!それは!」

「……あれは殴られても仕方ないですね」

「…………ねぇ、そんなにやばい?」

「いや、その……挟まれたい」

「……」


 だめだ、ミサさんまでおかしくなっている。


 そんなにやばいのだろうか……そう思い《創造(クリエイト)》を使って鏡を作り出し、自分の姿を眺めてみた。



 ロリ巨乳が、そこにいた。


「な、な、何!?これは!!?私、こんなのイメージしてないんだけど!??」

「お姉ちゃん、分かるよ……分かるよ」

「分からないでぇ!!」


 こ、これは絶対におかしいよ!?

 絶対に妖怪の仕業だ!



 私はそんなこんなで困惑して、変な事をただ考えて叫び続けていると……。


「やっぱり……思った通り妹がさらに可愛くなったわ!」


 という声がどこからか聞こえてきた。

 でも、どこか聞き覚えのある声だ。


「この声は……まさか!?」

「お姉ちゃん、知ってるの?」

「うん、たしか名前は……」

「そう……私は」



「誰だっけ?」

「酷くない!?」


 どこかで聞いたことのある声なんだけどなぁ、忘れちゃったなぁ。


「私をこんな体にしたのは……貴方ですかゼニアスさん……」

「あ!!覚えていてくれたんだね!」

「当たり前じゃ無いですか」


 ……正直なところ、少し忘れていた。

 それは秘密ということで。


 そんな事を思っていると、私の後ろの茂みからゼニアスさんが現れた。


 突然現れてこんな事をするなんて、本当に神様なのか?


「何故こんな事を?」

「膨れ顔も可愛い……」

「え?」

「や、何でもない。……ただその姿を拝みたかっただけ」


 ……それだけ?……なんか酷くない?


「戻して……」


 こんな姿じゃ国に入れても……恥ずかしくて出歩けないよ!


「……名残惜しいけど、直してあげる。はい、どうぞ」


 ゼニアスさんがそう言うと私の姿がさっきのイメージしていた物に変わった。


 良かった……これで一安心。


「……すごい、無詠唱どころか魔法の名前すら口にしなくても魔法が使えるのですか!?」

「……最近やっとこの技を我が物にしたのよ!」

「そうなんですか!」



 ……そういえば魔法の名前も言わずに私を戻したよね。


 やっぱり神様なんだな……。


「それにしても、何故ここに?」

「ん?変身しようとしてたから可愛くしてあげようかなーーって」

「……やっぱり見損ないました。帰って下さい」


 というか、仕事とかはいいのかな?

 神様が仕事をさぼってるとか、なんかダメな気がするんですけど。


「えーー。酷くない?じゃあお姉ちゃんって私のことを呼んでくれたら帰ってあげる」

「じゃあ一生そこで仕事をさぼってて下さい」

「むーー。……しょうがないか。酷いことしたもんね……。じゃあ帰りますよ、シュナ……頑張ってね」


 ゼニアスさんがそう言うと、目の前に音もなく大きな光る魔法陣が現れた。

 あれはたしか、転移門というやつだった気がする。


 …………何故だか罪悪感が。


「あーもう、分かったよ……お姉ちゃんもお仕事頑張ってね!」

「…………うん」



 私がそう言うと、ゼニアスさんは笑顔で転移門の中へ入っていった。


 そして、その場からゼニアスさんが居なくなると


「ふぅ…………」


 という深いため息が口から溢れてきた。


「お姉ちゃん、あの人は一体?」

「あー、あれはこの前話した神様のゼニアスさん」

「え!?あの人が……。だからお姉ちゃんって呼ばせようとしていたんですか」

「そうそう」


 まさか、このタイミングでやってくるとは。あの時にいつか遊びに行くと言われていたけど……すぐ来たね。

 ゼニアスさんにとっては十年くらい――神界では少し時間の流れが違うらしいけど――待たされた訳だし、すぐじゃないのか。


「ところで……シオンはどうする?」

『本体はここにいるぜ。でも、分体は……地平線の彼方まで飛ばされたな』


 っ……。ごめん……。


「まぁ、すぐ戻ってきたけどな」

「あっ、戻ってきた!」

「……かなり遠くに飛ばされたと思ったのですが、戻ってくるのが早いですね」


 良かった……。


「ところで、何か言わなきゃならない事あるんじゃないですか?」

「す、すまなかった!まさかアイツの仕業だとは思わなくてな」

「いやいや、こっちこそつい……ごめんね」


 ……本当に戻ってきてくれて良かった。


「仲直りもできた事だし……そろそろ行きませんか?」

「そうだな、ハプニングはあったが全員変身できた事だし」

「よし、そうと決まれば早速向かおう!」


 気を取り直して……


「魔国へ向かって出発進行ーー!!」

\\٩( 'ω' )و //

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