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交差する黒い影

ご報告です。


しばらく今回の様に更新頻度が下がります……


ご了承下さい。



「ご了承できるかぁ!」って方はぐっと言葉を飲み込んで更新通知をオンにして下さると嬉しいです。


ご了承してくださった方は更新通知をオンにしてお待ち下さい。


以上、sironeko*からの報告でした。

 あれから5日ほど歩いていると、魔族領へとたどり着くことができた。


「やっと着いたね!」

「うん、もう私足疲れたよ。……お姉ちゃんは大丈夫なの?」

「うん。大丈夫だよ」


 そういえば、全然疲れないなぁ。


 初めの頃は体力があるからだと思っていたけど、それにしても全然疲れない。

 ……流石に異常だよね?



 となればこれも神様の身体になった事による効果なのかな?……多少は人間の身体の影響も出ているらしい。

 というかそのせいで髪が赤いんだけどね。……元々の神様の身体は金色の髪だったからその部分に両親からの遺伝である人間の成分が出ているということ。



 今はそんな事考えている場合じゃないね。


「よし、早速行きますか!」


 ……魔国、といっても私とシオンが戦ったあの国じゃない。そこからかなり離れたところだ。


 しかし、防壁などの防御面で見れば首都であるあの国とそこまで変わりは無い様にみえる。



 そんな魔国の門へ私たちは近づいていくと……。


「何者だ!止まれっ!!」


 と、いう一際大きな声が聞こえてきた。



 どこから聞こえてきたのか分からなかったので、しばらくキョロキョロと見回していると……


 いつの間にか鎧を着た兵士のような人に囲まれていた。

 ……額には角が生えているので、魔族である事は間違いないだろう。


「ちょっと待ってください!私たちは怪しいものではありません!」


 ならば、敵対する気は全くないので大人しく両手を上げて抵抗しない事をアピールする。


「……なんだ?お前ら子供か?」


 目の前の兵士たちの中の一人がそう言った。


 中身は子供ではなくても今は外見は完全に幼女。

 これならば戦わずに魔国の中へ入れる筈だ!


「かまわねぇ、相手がなんだろうと殺すだけだ!」

「ちょっ!えっ!?」

「怖いよ、お姉ちゃん……」



 なんで!?こっちはよくそこら辺にいるか弱い幼女ですよ!?

 というか、こんな状況になるなんて……シオンの言ってた話と違うじゃんかー!


「シオン!この状況、どうにかならないの?」

「……分体を元の姿に力を一時的に多く使って変えることは可能だ」

「本当!?お願い!」

「おう」


 良かった!これでこの兵士たちも襲ってくることはなくなるだろう。なにせ、自分たちの目の前にいるのは魔王だと分かるわけだもんな。


 流石に襲いかかってくることはないでしょ。



 そんな事を考えていると、いつの間にか可愛かったシオンの姿が、完全にあの時見た魔王の姿へと変わっていた。


 ふぅ、これで助かったぁ。


「なんだ!?いきなりあの可愛かった奴が大きくなったぞ!?」

「何かの魔法か!?」


 うんうん、そりゃ驚くよね。目の前にいた可愛かった奴がまさか魔王だったなんて。


 驚かない人なんていないよね。



 ……実際、私の後ろに隠れていたユイも驚いているし。


「……子供だからって油断するなよ!こいつらはあの人間なんだからな!」

「ああ、分かってるよ!」



 あ、あれ?


 なにか空気が怪しくなってきたぞ!?


「いくぞ!」

「「おう!」」

「ええっ!?ちょっと待ってくださいよ!?」


 魔王だよ?あの魔王だよ!?



 流石に知ってるはずだよね?


「待ってくださいよ!この人魔王ですよ!?あの、偉大な魔王!」


 魔王、という部分を強調して目の前の兵士たちへ叫ぶ。


 すると、彼らは一瞬足を止めて笑い始めた。


「……おいおい、流石にその嘘はバレバレだぜ?」

「そもそも、魔王は男じゃなくて女なんだよなぁ!」


 ……お、女?



 そ、そうか、魔王さんが死んだ後新たな魔王が立てられたという可能性も。


「ほら、この人は十年前くらいに亡くなったけど復活したんだよ!」


 その可能性は高そうだったのでそう言ってみる。


 が、彼らの笑い声がさらに大きくなるだけだった。


「騙そうとしてるんだったらもっと魔族の事を学んでから来てくれよ、お嬢ちゃん?」

「……面白い奴だな!もうこの嬢ちゃん達は帰してやってもいいんじゃねぇか?俺たちが笑っている間にも襲ってなんかこなかったしよぉ」

「それもそうだな。人間に恨みを持ってる俺たちでも、流石にこんな子供は殺せねぇよ」



 ……っ。


 なんだかものすごく馬鹿にされている気がする。


 でも、今日のところは引き下がるしかないのかなぁ。取り敢えず知名度無しのシオンも連れて変えるか。



 そう思い後ろを振り向いた。


 ……その時、見てしまった。



「許さない……」


 そう言いながら殺気を放つユイの姿を。



 しかし、かなり押さえ込まれているため兵士達には感じ取れていないようだが。


 なぜ、そこまで恨んでいるのか聞きたいところだが取り敢えず先に二人を連れて戻る事を優先した。



 ……このままいくとユイが兵士達を殺してしまいそうな感じがしたから。



「戻るよ」


 私はユイにそっと小声で言った。


 ユイは、はっとした顔をして私の手を握る。



 ……暴走しなくて良かった。


「シオン、行くよ?」

「おう」



 そうして、私たち3人は元来た道を引き返して行ったのだった。



◇ ◇ ◇



 しばらく歩き、魔国から離れたところで私は


「作戦会議をします!」


 と、言った。



「おう」


 と、シオンは快く返事をしてくれたが、未だにユイは少し暗い顔をして座り込んでいた。


 私は心配になってユイへ


「どうしたの、ユイ?」


 と聞いた。


 すると、ユイは


「お姉ちゃんを、あいつらに侮辱された……だから許せないの!!」


 そう言った。


 私の事を思ってユイは…………


「ユイ、それは嬉しいけど……私はそんなにユイに怒って欲しくないなぁ」

「え?どうして?」

「……ユイの可愛い顔が台無しだよー?怒り顔でも可愛いけど、殺気を出しちゃったら可愛さも減退するでしょ?」


 可愛いは正義なんだよ!


 ……まぁ、あの兵士たちも悪い人ではないしね。


 心のそこから嫌っているはずの人族を見逃した。

 それは、本当に優しいからできることなんだと私は思う。



「また明日再挑戦しよう!」

「うん!」


 きっと明日はなんとかなるさ!


「じゃあどうする?寝る?」

「いや、待った」

「ん、どうしたのシオン?」


 もしかして魔王なのに知名度なかったから傷ついてる?

 やっぱりシオンは可愛い所、あるなぁ。


「いや、流石におかしくないか?俺の存在を知らないのは?」

「まぁ、しょうがないよ!これが現実なんだし受け入れていこう」


 強く生きろよ、シオン。


「……しかも、魔王が死んだということですら無かったことにされている」

「あ、確かに」


 それは確かにおかしいかも。


 国内に混乱を与えないため魔王の死を伝えなかった?


 いや、魔王は女だって言っていたからそれは無いよね。


「んーー、分からない」

「そうだな、俺は何者かによって事実を書き換えられていると踏んでる。

 ……そして、それは大規模なもので、国民全員に洗脳的な事を施したのかもしれない…………なんて、考えすぎだろうか?」


 大規模な事実改変。……洗脳かぁ。


「可能性としてはありそうかな」

「それに、今思い出してみればお前が英雄として人族に伝わっていないのはおかしくないか?」

「確かに!絶対おかしい!!絶対に!」


 だって、相討ちとはいえ魔王を倒したんだよ?


 流石に歴史の教科書の一ページにのるくらいの事はしたでしょ!


「これは、何かきな臭いね……」

「ああ」


 何者かに事実をもみ消された……そうとしか思えない!!


「あの、お姉ちゃん?」

「ん、何?」

「話についていけてないんだけど……説明して欲しいなぁ」


 あ、そうか……ユイには色々とざっくりと説明してきたから細かいところは分からないんだよね。


「よし!可愛い妹の為にここは一肌脱ごうではないですか!」

「本当?やったぁ」


 可愛い妹の為なら、私は何だってできる気がするよ!!

「ユイをすこれ!」




きっとここのコメ欄はそれで埋め尽くされるんだろうな……(露骨なコメ稼ぎ)

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