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旅の道すがら……

今話も短めです

 空を飛んだり、車みたいなものを神の力で作れるとシオンから聞いたから、それを使って早く魔国へ行こうかなぁと思ったけれど。


「旅なんてした事ないので、とても嬉しいです。……それに翔さんと一緒に旅をする事ができて……嬉しすぎて死んじゃいそうです」


 と、ミサさんが言うもんだから使えなくなったよ。


 ……まぁ私も旅なんてはじめてみたいなものだし、長く楽しんでいたい!という気持ちはあるから、


 これで良かったんだ。と思っているんだけどね。



 あぁ、そうそう。


 町を出るときにミサさんに今までの事とこれから私のしなきゃならない使命を説明したりしたんだけど


 それでも、ミサさんはついてきてくれるって言ってくれたので、いまは一緒に魔国に向かっているところなんです。



 でも、シオン曰く私たちの子供の足だと3日、4日かかるそうなので……他愛のない話でもしながら気長に行こうかな。




 ……でも、少し困る事があるんだよね。


 ミサさんの事をどう呼べばいいのか分からない!


 私としてはユイの方がしっくりくるんだけど、僕としてはミサさんで呼びたいらしい。



 ……でも、正直なところ私はユイって呼びたい!


 というか、そう呼ぶ事に慣れすぎてミサさんって呼ぶ時、不自然に言葉が詰まってしまう時がある。



 ……これはどうすればいいの?


 という事で、ミサさん(ユイ)に直接、相談をしてみようという感じです。



「ミサさん」

「何?」

「……あの、実はかくかくしかじかで……」

「なるほど……。確かにそれは問題ね……」



 え!?それで伝わるの?


 かくかくしかじかって、もしかして魔法の呪文?


「私としては今まで通り、ユイって呼びたいんですけど……僕としてはミサさんって呼びたいんです」

「……そんなの簡単じゃない?翔くんの姿になった時は『ミサ』、シュナの姿なら『ユイ』で呼べばいいのよ」



 なるほど……。


「流石ユイ!頭いい!」

「……別にそんなに凄い案ではないと思うんだけど。

 ……なら、シュナとして過ごす時は私もユイとしていようかな。

 そっちの方が、お姉ちゃんも過ごしやすいでしょ?」

「それは嬉しいけど、ユイはそれでいいの?」


 私は嬉しいけど、やっぱり姉たるもの妹の意見は尊重するべきだと思うのです。


「うん」

「やった!ありがとう」


 ユイがそれでいいというから、オッケーです!



 ……強引じゃ無いよね?


「ところでお姉ちゃん、さっき話してくれたシオンって人は姿を表せないの?声だけでも私に届くようにしてくれると嬉しいんだけど……」


「確かに……シオン、どうなの?」

『んー、今はお前に取り憑いている様な状態でお前にしか話しかけたりできないな。姿は多分できないと思う』


 なるほどー。


「あ、でも取り憑いているんだったら私の体から抜け出せたりできるんじゃないですか?」

『あぁ、できる事にはできるが……ゼニアスの奴からそれは本当にまずい事態になった時の最終手段だときつく言われてな』


 うーー。これは難しいなー。


「なら仕方ないね……諦めるか」



 私がどうしようもないのかと、諦めようとしていたその時、シオンはいきなり


『ふっふっふっ、俺を誰だと思っている。諦めるのはまだ早いぞ』


 といった。


「もしかして何か手が?」

『俺はこの取り憑いている状態でも多少は力を使う事ができる様だ。……だから俺はその力を使って分身を作る!』


 分身を作る……。


「その手があったか!……たしかに分身を作って動かせればなんとかなるはず」

『ああ、いくぜ《分身(ドッペル)》!』



 シオンがそう叫ぶと、私の横に突然光の球が現れた


「ま、眩しい!」

「なにが起こってるの?お姉ちゃん」

「わ、分かんない」


 私たちは咄嗟に身構えた。



 ……やがて光が消えると、さっきまで光っていたものが何だったのかようやく分かった。


「シオン!?」

「何これ?可愛い!」


 ……そこにいたのはシオンだった。


 でも、体がものすごく小さくて、二頭身で……そして可愛い。


 ミニキャラと化したシオンがそこにいた。


「どうだ?喋れてるか?」

「はい、喋れてます!聞こえるし、見えます」

「シオン……どういう事?姿が……」


 疑問しかない。


 ……見ない間にこんなに小さくなって。


「……あー、そこにはふれるな。万が一のために力を多く使う訳にはいかなかったんだ。……なりたくてなってる訳じゃない」

「そ、そうなんだ」


 なんか、凄いびっくりした。


 ユイも、多分思っていたのはカッコいい人だったのに、まさかの可愛い人でがっかりしてるだろうなぁ……。


 そう思いユイの方を向くと……ユイはもの凄い目をキラキラさせて「かわいい……」と小声で呟いていた。




 えっと……お気に召したようで何よりです?

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