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シュナ、動きます!!(ネタ回ですね)

「はぁ、今日は楽しかったなぁ」

『そうか、それは良かったな』


 楽しい時間というのはあっという間で、もう家に帰ってきて自分の部屋で寝ようとしている所だ。


 んーー。色々な疲れが一気に襲ってきて、もう眠い。


「じゃあ、おやすみーー」


 私は布団に潜り込むと静かに寝息を立て始め……


『……寝るなよ』

「え?どうして?」

『……忘れたのか?』


 忘れたって何のこと?


 それは分からないけど、シオンがいまもの凄い呆れた顔をしているのは見えないけど分かる……。


『はぁ……夜にここを立つって言っただろ?』

「ああ!確かに言ってた」


 ……思考がシュナに引っ張られていって、変な事ばかり考えてしまう。


 ……前世の記憶。


 記憶は記憶か……。記憶を取り戻したからといってシュナとして過ごした十年は本物なんだし、性格とか考え方が全部前世のようになるなんて事はないよね。


 今の私に残っている僕の要素は知識だけかなぁ。


 喋り方とか、性格とか、直そうとすれば直せるけど変な感じがする。



「ごめんね。……それで何時ぐらいにここを出るの?」

『大体一時位だな』

「あれ、じゃあまだかなり時間ある?」

『まぁ、な。でも寝るなよ。お前は正直寝ると、もう手がつけられない』


 ……手がつけられないってどういう事?


 なんか、いつもシオンに迷惑をおかけしている感じがする。


 寝相が悪いとか?朝起きれないとか?寝言がうるさいとか?


 ……どうしよう、考えつくもの全てに当てはまっている様な気がするよ。


「……寝ないように頑張ります」

『頑張れ。応援してる』


 こんな小さな事で応援しないでよ……。


 なんか、私がかわいそうな子みたいじゃんか。



「……ふぅ。じゃあお風呂に入ってきます」

『おう』

 疲れて入る事を諦めかけていたけど。これはお風呂に入って少しでも時間を潰さなければ。


 後、眠気も落とす!


「……そういえば、シオンってもしかして私のお風呂入ってるとこ見えてた?」

『…………』


 え!?何その無言。やめて、なんか怖いんだけど!


『一応……見えて、た』

「そうなんだー。私にはシオンのこと見えないけど、シオンからは私のこと見えるんだね。大発見」


 んーー。私の目を通して見えてる訳じゃないのかな?


 実は透明になっていて近くで見ているとか?



 ……私に取り憑いていて、意識だけ飛んでる感じかな?


 魔王に憑依されている少女、シュナ!……なんて言ってもカッコよくも何ともないかな。


 素のシオンを知ってるからかな?


『あーー、怒らなくていいのか?』

「いや、別にシオンならいいかなーって。言ったことなかったっけ?私にとってシオンはお兄ちゃんみたいなものなの」

『そういえば、そうだったな』

「それに、実はゼニアスさん一途なんでしょ?」


 作った、作られたの関係だとはいえ血は繋がってないし、それに別に親と子という関係でもない。


 ……側から見れば恋人同士みたいにすごく親密な感じするし。


『な……んな訳ないだろ!?流石にそれは無いって!』

「えー?本当ー?」

『本当だって!』


 ……リアクションが面白いなー。


 ここら辺でやめておこう。シオンがかわいそうだし。


「……わかったよ。でも、側から見ればお似合いだということは、言っておくね」

『い、言わなくていいって!』



 そんなこんなでシオンをからかっている内に、何時の間にかお風呂場へ着いていた。


 シオンに見られていると分かり緊張気味な私だったが、極力目を逸らしたりして頑張っているとの事だったので、緊張は和らいだ。



 ……そしてその時、事件は起こった。


「あっ、私、自分の体見れないかも……」

『は?』

「……いや、前世の記憶がこんなところで……」


 やばい、これは不味いよ!


 なんか、幼女の裸を見てしまうことに不可抗力とはいえ罪悪感が。



「これ、私どうすればいい?」

『いや、知るか』

「えぇーー」




 ……その後、数分悪戦苦闘しようやく体を洗おうというところまできたのだが、そこでさらに罪悪感が増す。


「ぐっ、見るだけでも不味いのに触るなんて……私にはできないっ!」


 洗えない……。私には無理だ。


 だって、体を洗うとなれば当然……あそこも見たりするわけで……。


「もうっ……無理っ!!」


 私は顔を真っ赤にしてその場にへたり込んでしまった。


『お前っ……いいから早くしろっ!……そろそろ視線を外すのも疲れてきた。


 ……分からんと思うが、お前から視線を外し続けると、俺の頭がどんどんおかしくなっていく感じがするんだ』

「私だって頑張ってますよー!」


 んーー。取り敢えず一番ダメージが薄く済みそうな髪から洗うことにしよう。


 取り敢えず石鹸を取って泡だてて……しっかり洗っていく。


 シュナとして何時も洗ってきたから、大分慣れてる……


「待って、髪洗うだけでも大分キツイよ!?」

『どうしてだよ!?頼むから頑張ってくれ』

「だって、サラサラしてるしなんか、なんかアレなんだもん!」


 ぐっ、男子の心にはハードルがキツすぎた。


 これから私はどうやって生きればいいんだ……。


 誰か、誰が助けて……。



◇ ◇ ◇



 ……疲れた。シオンも私も、お風呂という強敵を前にやられるがままだった。


 何とか耐え切ったけど、次はもう無いかもしれない。



『なぁ、シュナ』

「な、何?」

『俺は、最後に美味しい食べ物が食べたいんだ。作ってくれないか?』


「シオンが死にかけてるっ!!?」

『シュナ、後は任せた、ぞ……』

「シオン……シオンー!!」



 この日、図らずもお風呂に入った事によってシュナの眠気はバッチリ覚め、時間も潰すことができたが


 失った代償は大きかったのだった……。



 ー完ー



『いや、勝手に終わらすなよ!』

「あっ、シオン生きてた!よかった……」

タイトルを変えたとたんPVが増えて困惑している白猫です……。


え?学生はもう夏休み……?


食感の良いカキはフライだよ……。

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