異世界勇者は転生して、転性する。
何と本日投稿三話目です。
書き溜めはしていないのです!
と、いうことなので暫く燃え尽きて投稿しないかも知れません。
許して下さい!!m(_ _)m
「シュナ、朝だよー。起きなさーい」
んー、むにゃむにゃ。
……まだ眠いよー。
「まだ朝じゃんかー。寝る時間だよー。寝る時間」
にゃーー。みゅーー。みゃぁーー。
私は寝ているのが気持ちよくて、特に意味のない言葉を小声で言い続ける。
布団に包まると、ふかふかでさらに心地が良い。
眠ることってやっぱり気持ちいいなぁー。
と、その時いきなり大きな声が聞こえてきた。
「早く起きなさーい!!!」
「はっ、はひぃっ!!」
やばい、やばいよ……。早く起きないと殺されるっ!!
私は急いでベッドから出て寝巻きを着替える。
『ほら、早く起きないからそうなるんだぞ』
「むー、だってーー」
『ほら、喋ってないで早く着替える』
「ひどいよシオンー」
シオンはいつの間にか私の心の中にいて、いつも話しかけてくれる。
でも!優しい時もあるけど、大体の時はひどい!
私が考えていることも何となく分かるっぽいし。私のプライバシーが守られる事は無いのだ!
邪魔……って訳じゃないんだけどね。
というか、居なくなったら悲しい。私のお兄ちゃん的な存在だし。
「シュナー?早くしなさーい!」
「うっ、うん!!」
まずいまずい。
よし、着替えられた!
早くお母さんの所へ行かなくては!
私はダッシュでお母さんのいる所へ行く。
「着いた!どう?」
「……起きてきたはいいけど、もっとちゃんとした服を着て来なさい」
え?どうしてだろう。
いつもこんな感じの服を着てるのに……。
「どうして?」
「……今日はシュナの誕生日でしょ。たがらもっといい服を着て来なさい」
あっ、そういえば今日は私の誕生日だった!
「ごめん、忘れてた!」
「はぁ、自分の誕生日くらい覚えなさいよ。……これで十歳になるんだから、しっかりしなさいよ?」
「うん!」
……今日が十歳の誕生日。……という事は明日は神殿に行く日か!
楽しみだなぁ。
『なぁシュナ、楽しみにしているところ申し訳ないが、明日は神殿には行かない方がいいぞ?』
「えっ?どうして?」
『声を抑えろ。お前の母親は俺の事を知らないんだろ?』
あっ、そうだった!
「……?どうしたのシュナ?」
「な、な、ナンデモナイヨ」
「そ、そう?ならいいんだけど」
ふぅ、危なかったぁ。
続きは部屋に戻って話そ。
バタバタバタバタと少し走って部屋へ戻る。
「それで、神殿に行ったらだめってどうして?」
『いや、行ったら駄目というか、不味いことになるんだよ』
「え?ただステータスを測りに行くだけでしょ?……それのどこがいけないの?」
自分のステータスを測るのを楽しみにしてたんだけど……。
『そういえばお前は知らないんだったか』
「知らないって何を?」
全く想像がつかないんだけど。
『えーっと、辛いと思うがお前には思い出してもらうぞ』
「え、何を?どうやって?」
『取り敢えず自分の胸に手を当ててみろ』
「うん」
何をするのかわからないけど、取り敢えず胸に手を当ててみる。
『そして、《金獅子の精神》と唱えてみろ。お前の才能ならそれだけでできるはずだ』
「できるって何をですか?」
『魔法』
「え?……えぇぇぇ!!?」
嘘でしょ!?私、魔法を使えるの?
「シュナ!?どうしたの?」
「えっ?いや何でもないよ!」
危ない危ない。……つい大声を出してしまった。
「本当に使えるの!?やってみていい?」
『おう』
よし!やってみよう。どんな魔法なのかは知らないけれど、そこはやってみてのお楽しみだね!
「金獅子の精神!!」
その時、私の体が突然黄金に光った。
「わぁ!光った!凄ーい」
『お前もう静かにする気ないだろ』
「あっ、ごめん」
あれ?でも特に何も変わってないよ?
『大丈夫だ。ちゃんと変化している』
「本当?」
『ああ。これでようやく思い出してもらうことができる』
そういえばそうだったっけ。
一体何を思い出させてくれるんだろう。
『気を強く持ってろよ?お前の記憶のカギを外す』
「うん」
『じゃあ日野翔、そろそろ起きろ』
ズキンッ!
シオンがそう話した瞬間、何故か頭が痛んだ。
そして、その時頭に沢山の情報が流れ込んでくる。
「あっ、ああっ!」
駄目だ、声を抑えられない。
自分がナニカに押し出されてしまうような、ナニカと混ざっていくような、変な気分だ。
私に一体何が起こっているの!?
あれ?……僕だっけ?
その時頭に流れ込んでくるナニカは勢いを増し、私の意識はそれに抗いきれずに持っていかれる。
「シオン……お母さんっ…………」




