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閑話:転生

今回は閑話です。短いし、後半部分は眠かったのでやばいとだけ言っておきます。


また、多分直すと思います。

 コンコンコン


 扉をノックする音が聞こえる。布団から出て部屋を眺めてみると、カーテンの隙間から差す光が暗い部屋をほんのりと照らしていた。


「ソプラ、起きてる?」

「うん、起きてるよ」


 ついぼうっとしていて忘れていた。ごめんなさいお姉ちゃん。


「ご飯できたから起きてきてね」

「うん。ありがとう」


 私はお姉ちゃんにそう返事をし、重い足を上げベットから出る。


 ……眠くはないのだけど、まだ寝ていたい。そんなこと叶わないけど。



 仕事、行きたくないなぁ……。


 そんなことをふと思ってしまう。


 正直、最高神というものをよく理解していなかった。……甘く見ていた。本当は私の思っていたものよりも辛い仕事だった。


 本当は、周りから沢山の重圧をかけられて、私はまだ幼いから周りに認めてもらえなくて、妬まれて、恨まれて…………。そんな毎日の積み重ねで、もう心も体も疲れ果ててしまった。


 でも、私は仕事をし続けなければいけない。辛いけど大切な仕事だから、私じゃないといけないから。



 だから私は、今日も頑張る。



 ◇ ◇ ◇



「いただきます」


 今日もお姉ちゃんがご飯を作ってくれた。


 こんな私のために、いつもありがとう。



 そんなことを思いながら、私の好きな焼き加減に調節されたパンをかじる。


 ……おいしい。


 お姉ちゃんの作る料理は、いくらでも食べれちゃいそう。


 もぐもぐ……もぐもぐ……


 

「ねぇソプラ、最近どう?」

「どうって、何が?」

「んーー、色々……?」

「普通、かな」


 ……本当は普通じゃないけど。


 いや、いつも通りという意味では普通か……。


「そう?まぁ普通が一番っていうし、いいのかな?」

「うん、普通が一番!」



 ……やっぱりお姉ちゃんは優しいなぁ。でも、だからこそ怖い。


 もし、お姉ちゃんにいじめの件を話したら、きっと何があっても私を守ろうとするだろう。


 そんなことになったら、今度はお姉ちゃんが恨まれてしまう。


 だから、私はお姉ちゃんにだけは出来るだけ明るく、元気に話すことにしている。



 昔は楽しかったお姉ちゃんとのお話なのに、今はこんな風に自分を偽って接しているなんて、本当に私は酷い妹だと思う。


 でも、ごめん。私はそうしないといけないんだ。



 ◇ ◇ ◇



 その日の仕事終わり、いつもと同じようにいじめられた私は、ふとある事を思い出した。



 それは、『神殺しの剣』のこと。


 普通神は死ぬことができない。そのため私は終わることのない苦痛を味わっている訳だけど。その剣があれば神を殺すことができる。つまり、死ねるのだ。


 でも、そんな剣が存在するなんていう話は殆ど聞いたことがない。第一、全ての生みの親である総母神様がそんなものを作るとは思えない。だから、私はやはり死ぬことができないのか……と絶望していたのだけれど。


 その『神殺しの剣』の情報と共にあることも思い出した。


 それは、たしか管理神の仕事をスレイナ様に聞きに行った日。


 スレイナ様が他にも転生神も兼任していると話してくれた事だ。



 それを思い出した私はスレイナ様の所へ足早に向かうことにした。


 もしそれが本当なら消えることができるかもしれない……。そんな事を考えながら。



 ◇ ◇ ◇



 暫く歩き続けて、スレイナ様の居る部屋の前まで辿り着くことができた。


「スレイナ様!」


 私はノックもせずに大声で呼んだ。


 スレイナ様はそんな私の態度を気にせず


「はーい」


 と、返事をし部屋へ通してくれた。


 やっぱりスレイナ様はいい人だな。とあらためて感じているとスレイナ様は


「それで、ソプラ。今日はどうしたの?」


 と、私に尋ねてきた。


 私はここまで来たなら隠す必要はないと、スレイナ様に、ここまで来た理由を全て話した。


 スレイナ様は私の話を全て聞いた後、少し悩む様な様子を見せたものの


「はぁ……しょうがないわね。分かった。貴方を転生させましょう」


 と言ってくれた。


「でも、その前に一つ聞いていい?」


 私に聞きたいこと、ですか?


 特に断る理由もないので私はそれを受け入れることにした。


「聞きたいことって何ですか?」

「……貴方は自分が消える事をどう思っているの?」


 自分が消える事をどう思っているか?


「そんな質問でいいんですか?」

「ええ。私はそれが知りたいだけだから」


「私は、自分で言うのもなんですけど別にいいんじゃないかな、と思ってます。


 だって、周りのみんながあなたなんて要らないって、消えてしまえばいいのにって言うから。


 それに、このままお姉ちゃんを騙し続けるなんて、私には辛すぎるから」


 私がこう言うと、スレイナ様は少し寂しそうな表情で


「貴方は頭が悪いわ」


 と、一言どこかへ呟く様に言った。


 私も呟く様に、


「よく言われます」


 と、どこかへ向けて言った。



 スレイナ様とのそんなやり取りの後、スレイナ様は私に転生の事についてなどを話した。


 そして、結局私の記憶を消した上で魂を人に転生させる事に決まった。


「スレイナ様、ありがとうございます。」

「いや、良いんだよ。ソプラがそう願うなら私は何だってするから。……たとえあの子を裏切る事になってもね」

「……それじゃあお願いします」

「うん。じゃあ……」


 その時、私の体が白く光り出した。そして、完全なる白に包まれた時、少しの浮遊感と共に意識がどこかへ送り飛ばされるようにかすれていった。



「良い旅を」

次話はもう少し早く投稿できるようにしたい!

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