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救いと未来

今回は短いです。すみません(>人<;)

 ……えっと、突然の事で思わずおかしな事を思ってしまった。


 ……僕の前世はゼニアスさんの妹?……つまり神様だったって事!?というか、妹って事は女だったのかな?


 今の僕とは全く違うな。…………あれ、また一つ気になる事がある。僕がここにいるって事は……神様って死ぬのかという疑問もあるけど、ゼニアスさんは妹を亡くしてしまっているということになる、のでは……?


 


 ……色々考えたけど、特に何も言えない……。強いて言うなら複雑な気分になった、ぐらいだ。



 僕が何とも言えない表情で固まっているとゼニアスさんは


「あれ?そこまで驚かないの?」


 と僕の思っていたより数倍明るく言った。


「いや、驚いてますけど……。こう、何て言ったらいいのか分からなくて……」

「あぁ、えーっと気にしなくていいよ。私の事は。さっき話をしてきたから」


 ……話をしてきた?どういうこと?


「話をしてきたって、どういうことですか?」

「えーっと、ごめん。翔くんの中には実は私の妹の記憶というか、魂というか、そういう物があるんだよね……。だから、翔くんと会う前に一度妹だけを起こして話していたんだよ」


 そんな事ができるのか!?……というか僕の中にもう一人いるという事がまず驚きなんだけど。


 んー、つまりゼニアスさんの妹は死んでいないってこと……なのかな。


 だから変な気は使わなくていいのか。……安心した。


「そうだったんですね。ところで、既に僕の前世が重要な気がしているんですけど、他にも何かあったりするんですか?」


「実は、今世界がこんな事になっているのはその消えた妹が関係していてね。……実はあの子管理神っていう世界を管理する……というか世界を元の状態に保ち続けるみたいな仕事をしていたんだよ。だから……」

「そのゼニアスさんの妹がいなくなったから魔族と人族との関係が悪くなっても、それを止める事ができなかったと」


「ええ、だから翔くんには世界を救うか助けるかを選んでほしいの」


 救うか助けるか?それってどっちも同じなのでは?


 違うところと言ったら字……とか?……まさかそんなにしょうもない事の訳ないよね。


「えっと、救うと助けるの違いって何なんですか?」

「文字が違うわ」

「…………」


 えぇ……。


 まぁこういう展開も予想できていたといえばできていたけど。


 ……ゼニアスさんの性格的に。


「待って、そんな顔しないで!ちゃんと違いあるから!」

「本当ですか?」


 嘘っぽさが抜けないのは僕だけでしょうか?


 そう思い魔王さんを見ると……何とも言えない表情をしていた。


 魔王さん……分かるよその気持ち……。そう思い僕が頷くと、魔王さんも頷き返してくれた。


 そんな感じで魔王さんと謎の共鳴をしていると、ゼニアスさんが頭の上に「?」を浮かべながら話し始めた。


「……絶対信じてないでしょ……。まぁいいわ。救うというのは世界を元の状態に戻すこと。まぁ、魔族と人族との関係を完全に元に戻す事ね。それで助けるというのは、単純に世界の意思を助けること。……世界の代わりに人族を完全に滅ぼす事。……分かった?」

「は、はい」


 しっかり違いがあった。……ゼニアスさん、すみません。


 でも、世界すら人族を嫌っているのか。もうこれ人族ダメじゃない?


 ……勇者としては世界を救った方がいいと思うんだけど、僕はもう勇者じゃない。それに、勇者の称号は持っているけど本物の勇者じゃない。


 なら、世界を助ける方が楽だし、ミサさんとの約束を果たすためにも都合がいい。


 それに、人族のした事は許していい事じゃないと思うから。


「あっさり決めてしまってもいいのか分からないのですけど、僕は世界を助けたいです」

「やっぱり?……うん。覚悟があるなら大丈夫。安心して翔くんに任せられるよ」

「ありがとうございます」


 ミサさん……どうやら約束を果たす事ができそうです。


「よし、そうと決まれば早速行きましょう」

「え?どこにですか?」

「そんなの決まってるじゃない。世界しかないでしょ?」


 え?……も、もう行くんですか!?


「もう行くんですか?というかどうやって行くんですか?」

「そこら辺は後で準備できたら教えてあげる。……逃げられたら困るし」


 え?いま最後何て?


 物凄い不安にさせる様な事を言っていた気がする。


 でも、声が小さくて聞こえなかったなぁー。



 …………ゴクリ。



ーーーーーーーー


 この日、かくして人族の未来は、一つに決まった。

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