閑話:とある神様のある日の出来事
閑話に初チャレンジ!
一応ストーリーに関係はない……と思わせておいて関係しそうなのでご注意を
ここは神界、いつも世界を見守っている神様達の住まう場所。
そんな場所で今日はある神様の昇格の儀が行われていました。
もう、儀式も終盤に差し掛かっているようですけど、昇格の儀の主役である神様の生活を少し覗いてみましょう。
○ ○ ○
「今日を持って上位神≪契約神ソプラ≫を最高神≪管理神ソプラ≫へ昇格することとします。心をより一層改め最高神として恥じない神になるようにお願いします」
「はいっ!!」
ああ……ついに最高神になったんだ……。しかも世界や神、生物など、全てを作り出したと言われる母神様直々に伝えられたから余計に実感が湧く……。
今日は生まれてから今までで一番嬉しい日かも!
よし!明日から母神様の期待を裏切らないためにも最高神としての仕事を一生懸命頑張ろう!
そのためにも今日は頑張って寝なくては!お姉ちゃんにも『ちゃんと寝ないと一人前の神にはなれないぞー』って言われたし、睡眠って大切なんだね!
「それでは、これで昇格の儀を終わります。最高神という肩書が変わっただけでなく、神としての位も上がりより一層大きな存在になったことを努々忘れぬように。……特にソプラ、貴女はね」
「は、はいっ!!」
「よろしい。では」
母神様はそう言うと消えてしまった。あとには母神様が消えると同時に舞った光の粒がほのかに光を発し、優しく消えていく光景が残った。
「きれい……」
これは《降世羽衣》という母神様の使う転移魔法だ。世界から世界へ飛ぶことも、次元を超えて何処かへ飛ぶこともできると言われている。とても凄い魔法だなと思いつつ、いつかそんな魔法を使いこなす日が来るのかなぁと未来の自分の姿を想像してみる。
結果はいつもと同じ、自分の未来の姿は分からなかった。
運命神であるティファーニア様に聞けば分かるかもしれないけれど、神生の楽しみが一つ減る気がするし、やめておこう。
そうそう、私ってつい考えごとに没頭しちゃう癖があるんだよね。さっきもそう、母神様の前なのに考えごとに没頭しちゃった。
……直さないとな、この癖。一人前の神様になるための第一歩、そう思って頑張ろう!
「さて、今日はもう帰ろー。お姉ちゃんが家で待ってるよー」
「それが待ってないんだよねー」
え、だれ?待ってないってどういう……
「ふにゃっ!!?」
な、なに!?いきなり体当たりされた?いや違う……私、後ろから抱きしめられてる!?
何がなんだか分からないよー。……冷静に、クールになるんだ私。
いきなり後ろから私に抱きついてくるような神は一人しかいない!!
そう、お姉ちゃんである!!
と、結論を出した私は、冷静を装い
「……お姉ちゃん、何やってるの?」
と言ってみる。本当は心臓ばっくばくだけどね、バックハグだけに。
……我ながら寒いね。
……。いやいや、今はそこじゃない!本当にお姉ちゃんなのか!というか違かったら怖いというところである。
返答やいかに……!
「いやー、バレた?そうそう、絶賛妹に抱きつき中のお姉ちゃんです!」
「それでいいのかお姉ちゃん……」
お姉ちゃんの方が最高神としての自覚が足りていないんじゃないかな……。
「いいの、可愛い妹がいれば私はどうなったっていいんだから」
「私はよくないと思うな……」
でも、ちょっと嬉しいかも。……って、何考えてるんだ私!
お姉ちゃんはただの変態さんなんだから!それだけなんだから!
あっ、冷静。冷静を保たないと……。
「それで、お姉ちゃんはどうしてここにいるの?」
「妹に抱きつ……コホン、迎えにきただけだよ。不純なことは何もない、うん」
「あはは……」
不純なことしか考えていないみたい……。
「じゃあ、帰ろっか。今日は妹の昇格を祝して、私がご馳走を作ってやろう!」
でも、お姉ちゃんの姿を見てると、姉として一生懸命頑張っているのかな……なんて思えてくる。
なら、私もちゃんと妹として頑張れるようになろう。そして、いつかお姉ちゃんに追いついてやるんだ!
お姉ちゃんの保持している最高神昇格の最年少記録にはあと二か月及ばなかったけれど、いつか一緒に肩を並べて歩いていけるようになりたいな。
当分は無理そうだけど……。
だけど、私をこんな夢を持てるくらい育ててくれたお姉ちゃんには感謝しかない。だから
「お姉ちゃん、いつもありがとう」
「どういたしまして。…………で、どうしたの?いきなり」
「言いたくなっただけだよー」
「そうなの。でも、こっちこそ感謝してるのよ」
お姉ちゃんが私に感謝してる?
「抱き枕になってあげてるから?」
「それもあるけど……」
「それもあるんだ……!」
「そばにいてくれるだけで、私は幸せになれるの。ソプラのために色々とすることも、楽しいし、嬉しいの。だから、ありがとう!」
お姉ちゃん……。
「な、なんだか恥ずかしい」
「こ、この話はここでやめにしよ?私も恥ずかしい!というかなんで言われた側のソプラが恥ずかしがってるの?」
「いや、だって……お姉ちゃん優しいなって、思ったらつい……」
お姉ちゃんが私のことをそんなに大切にしてくれてるなんて思ってもなかったから。
驚きと、恥ずかしさとで…………もう、むりっ!!
「なっ……。もうお姉ちゃん我慢の限界だわ。ソプラ!」
「……なに?」
「結婚しよう!!」
「なっ……!!」
けっ、けっこん?お姉ちゃんはなにを言って……
「家は一戸建てで、大きな庭があって。そこで二人で暮らすんだ!子供は二人くらい欲しいな……。名前は男の子だったら…………」
「す、ストップ!!お姉ちゃん、それ以上はダメです!帰りましょう!」
なんか、話が変な方向に向かっていた。なんとなく、止めないとヤバい気がした……。
「あっ、私は何を…………!?」
「なにも無かった。なにも無かったんだよ。お姉ちゃん」
「そうだよね、私はなにも変なことは言っていない!」
「うん、その通りだよ!お姉ちゃんはなにも変なことは言っていない!」
……もう、お姉ちゃんのせいでさっきから心臓の鼓動がおさまらないよ……。騒がしくも楽しい毎日、のはずなんだけど。…………これじゃあちょっと騒がしすぎかな
「よし、今度こそ我が家へ帰ろっか!」
「うん!」
あれ、そういえば私、もうお姉ちゃんと大きな庭のある一戸建てに住んでいるじゃん。
結婚までの道は短かったりする?
お姉ちゃんとなら……なんて思っちゃってる自分もいるし、案外愛さえあればなんとかなるのかもね。
でも、やっぱり結婚はしないけどね!!
もう一話これの続きがくる予定です。
文量としては今回と同じかそれ以上かと。だったらまとめた方がいいかもしれませんが気力の問題的に許してください。すみません。なんでもしますから!(なんでもするとは言っていない)
 




