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24 魔女、亡命

5000文字に納めきれず、長い話になってます。

 どれだけの時間が過ぎて行ったのだろう。

 そんな事さえ忘れる程、私は必死にこの国から逃げる為に足を動かしていた。着の身着のままで走り出したかったのだけれど、これまでの私が積み上げた物を捨てたいと思えず、大切な物の整理の間にも何度も犬の牙に襲われた。

 まるで猟犬に追われる兎のよう。残念ながら、私には兎のようなかわいらしさなんて持っていないけれど。


 食事には困らない生活を過ごしていたというのに、歳の割にあんまり成長していない身体。長い耳の様に跳ねる長いおさげ。ありふれた茶色い髪に暗い色の瞳。それが私だ。

 そしてかわいらしさが無いのは外見だけではない。その答えを言おうにも長い長い経緯を話さないと、私の話を聞いた人はそれが虚偽だと決めつけてしまうだろう。

 長くなるけれど聞いて欲しい。その前にまずは今の状況を簡単に説明しよう。

 私はプレニルの犬に追われ、プレニル国から出ようとしている。そしてそれまでの間、否、出国を決める前から私は数え切れない程に死を体験しているのだ。


 私の名前はヨナキウ。変わった名前だと自分でも思っている。鳥の名前から取ったと聞いた事もあるけれど、それがどんな鳥なのか今となってはわからない。名前をつけた父は亡くなったし、似た名前を持つ鳥を知っている人には出会った事が無かった。

 私は生まれも育ちもプレニルで、両親も祖父母もその前のご先祖様も普通のプレニル国民だ。だったのだが、私だけ一つ人と違う事があった。私が生まれた時に神が与えてくれたスキルが特殊スキルという他に同じスキルを持っている人はいないとされる貴重なスキルを持って生まれたのだ。

 そんな特殊スキルを持っているなんて、生まれてからも成長途中に気づけるものでもない。何せこの国では生活に必要なスキル以外は使う必要が無いからだ。なら何故私は私が特殊スキルを持っているとわかったのか。それは本当に偶然だったのだ。

 とある日、私は食事を乗せた器を落として壊してしまった。

 器なんてプレニルではそう簡単には手に入らない。生活に必要最低限の物資の配布はしてもらえるのだが、それを壊したからと言って新しいものをタダで与えてくれるほどの慈悲は無いのだ。必要ならお金を出して自分で買え。そういうことだった。

 だが、その代わりの物の費用は国民が一月に一度与えられるお金ぐらいの値段がかかるのだ。ただの一つの器にそれだけのお金をかけるだけの余裕なんてない。なので私はこれからは器無しで、どんなものが来ようとも自分の手の上かテーブルに直置きで食べなくてはならなくなる。その事を幼い私もわかっていて、涙を堪えながら壊れてしまった器を拾い、その際に器が元に戻せたらなぁと考えてしまった。

 そんな風に考えてしまったからだろうか。その器に再び目を向けると、器は何事も無かったかのように元に戻ったのだ。

 両親もその光景を目の当たりにして、私も一緒にその器を至る方向から眺めてしまった。だがその器は壊れていたとは思えない、むしろ最近作られたばかりでは?と思ってしまう程にピカピカに光るような状態だった。

 どうしてそうなったのか分からないが、私はこれでまたご飯が食べれると喜んでいたのだが、両親は器と私を持って近くの教会に向かい、そこにいる職員さんにありのままを伝えた。何を戯言を、と言いたげな表情だった職員さんも、再び壊した器を私が戻してみれば目の色を変えて慌てて動いてくれた。

 いつもならスキルを調べることにもかなりのお金がかかるのだが、教会にあった壊れた色々な物を直す事を約束として無料でスキルを調べてもらえた。専用の器具を使用して調べてもらった所、私のスキルは『あるべき姿に戻す』スキルらしい。あるべき姿とは何かと当時は分からなかったのだが、どうやら私が思っている姿のことらしい。なので私が壊れた物が壊れる前の姿が分からなければそれを壊れる前の姿に戻す事は出来ないのだ。つまりは知識さえあれば壊れた物は何でも元に戻せる。そういうスキルらしい。


 何かあった際には私がスキルを使う事を引き換えに、私達家族の待遇は少し良くなった。勿論平等を美とするプレニルで不平等な事はされないが、私の働きで食事が少しだけ良くなった。

 配給されるパンとスープの食材の他に甘い果物が増えるだけだったが、幼い私にとっては何よりのご褒美だった。


 そうして私達は過ごしていたのだが、早くに両親を亡くしてしまい、天涯孤独となってしまった。

 国民達に仕事は平等に与えられるし、配給も平等なので生活に困る事は無く一人で暮らしていく事は可能だったのだが、寂しさは募っていく。

 そろそろ結婚も考えて動こうとした際に出会ったのは、私が師匠と仰ぐことになる男性だった。

 師匠はその若さの割に聡明で落ち着いた雰囲気を持つ人だった。そして私のスキルを伝え目の前で見せてみるとその性格をぶん投げて目を輝かせて質問攻めをする人だった。

 師匠としばらく過ごした後、師匠は教えてくれた。自分がプレニルで魔女と呼ばれ処刑対象となる存在なのだと。魔女に関しては何も知らなかった私に師匠は教えてくれた。

 神から頂いたスキルではなく、自分達でスキルに近い魔法を研究する存在が魔女だそうだ。魔「女」であるが、男性も一定数いるらしい。そして師匠が学んでいるのは「治療」の魔法に関してだそうだった。

 人が怪我をしたり病気になった時は大人しく身体を休めるしかない。もしくは治療スキルを持っている人の手で治療するのが普通なのだが、治療スキルというのも特殊スキルに入る為、治療が出来る人はほとんどいない。いたところでかなりの料金を請求される。それをスキル以外で何とかならないだろうかと師匠は研究しているらしい。今のところは植物の中に怪我を治す効果がある物があると知った為、最近は植物の研究をしているそうだ。そんな彼だから、あるべき姿に戻すスキルを持つ私は治療に関係してくると目を輝かせたそうだった。

 私は人に対してスキルを使った事が無く、治療に役立てるかどうかはわからなかった。だが師匠はウキウキとナイフで自分の腕を浅く切り、血が流れるそこを治してほしいと言いだした。大丈夫かと不安は感じたが、急かして来る師匠に肩をすくめつつ、師匠の傷に手を向けた。イメージとしては皮膚が元通りにくっつくように考えた。そして傷は簡単に治った。その事に感動していた私を横目に、師匠は悲鳴を上げて腕を押さえていた。

 どうやら、私のあるべき姿に戻すスキルは人の身体の傷を治す事も可能なのだが、その傷以上の痛みをスキルを受けた人に与えてしまうようだった。これでは治療に使えないと肩をすくめる私に、師匠は言った。

 私に抵抗が無ければ、痛みを感じなくする方法を研究してみればどうかと。

 それは私も魔女になるということだった。

 下手をすれば処刑されてしまう。それをわかっていたけれど、私は魔女になる事を受け入れた。怪我をしたり病気になってもじっとしているだけだと言う状況が嫌だったのだ。両親は何かに苦しみながら亡くなったのを覚えている。あれがもし病気のせいだったのだとしたら、治療ができていたなら両親は亡くならなかったのだ。私がこのスキルを使えば、そうやって苦しむ人を少なくして行けるのならば、魔女になる事を躊躇わなかった。

 そうして師匠とは結婚をしたフリをしてお互いに研究の為に過ごしていた。周りの人にも気づかれないように、普段は農業に勤しむ夫婦のように過ごしていたのだが、どこからばれたのか、プレニルの犬が私達の元にやって来た。

 その頃は確かプレニル教皇が代わった年だっただろうか。新しい教皇はどうやら魔女を許せないらしくて、今まで以上に厳しく魔女狩りが始まったようだった。

 プレニルの犬によって、私達は殺された。殺されたのだったが、私だけ生き返ってしまったのだ。

 何故生き返ったのか、それを知ろうと自分の身体を見れば、プレニルの犬の剣を受けたはずの身体から傷が消えているのに気づいた。そして目覚める直前に酷い痛みを感じた事も合わさり、私はあるべき姿に戻すスキルが勝手に発動したのだと知った。

 これならと師匠にスキルを使ってみた。人体の構造等も学んでいたから痛みを伴う事は解決していないけれど治療だけは可能なのだ。

 でも、師匠は生き変える事はなかった。身体の傷は塞いで、病気も何もないのに。かなりの痛みが襲っても生き返られるはずなのに、師匠はその目を開くことは無かった。

 師匠の身体を土葬していたところに近所に住む人たちがやって来た。傷一つない私の姿に皆驚いていた。その様子から、プレニルに伝えたのは彼らなのだろうとわかった。


 それから私はこの国を出る事を決めた。

 師匠の育てていた植物を人の手に届かない場所に植えて、葉っぱの少しは自分様に持っていく。師匠の隣で過ごしていたから、治療の為に使う植物の知識はあった。

 そんな作業をしている間にもプレニルの犬はやってきて、私の身体を斬って、潰して、貫いて、斬って、潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰して潰した。

 どんだけ潰して来るんだと文句を言いたかったけれどあの小さな犬はこちらを伺うことなく、その手に持った大槌で潰してきた。

 剣を持っている人は二回目の時に私の顔に見覚えがあったのか首を傾げていたけれど、大槌を持った少年は気にした様子も無く殺しにかかって来た。おかげで潰された方が生き返るのにかなり痛いと知る事が出来た。

 そしてなんとか私は住んでいた場所を離れ、点々と村を泊まり歩き(その間にもプレニルの犬がやってきた)、なんとか乗り合いの馬車に乗る事ができた。

 このままノヴィルに入国してそこでひっそりと暮らそう。ノヴィルならプレニル程に魔女を敵視していないし、前よりも平和に過ごせる。


「またおにぎり食べられるね。楽しみだねー」

「そうだね。今度はどんなおにぎり食べようか」


 乗り合い馬車の向かい側に座る親子の会話が耳に届いた。おにぎり?聞いた事が無いものだ。


「すみません、その、会話が聞こえて来たんですが、おにぎりって何ですか?」

「あら、お嬢さんはメガニアは初めてかしら?」


 恐らく同い年に見える母親にお嬢さんと呼ばれてしまった。見た目が子供とはいえ凄く、悔しい。

 それよりも、メガニアとまた知らない単語が出てきた。首を傾げていると母親は親切に教えてくる。


「最近国家となったプレニルとノヴィルの間に浮かぶ島の事です。昔は通るだけの人が多かったんですけど、最近では食べ物を提供してくれたり、宿もあったりでいい国なんですよ」

「そうなんですか。そうなると、プレニルよりの国でしょうか?」

「どちらの国とも違う国ですよ。とてもいいところです」


 母親の笑顔からとてもいい国なのだとは伝わってくる。それでも、不安は少し残ってしまう。

 その様子に気づいたのか、母親の隣にいた少女は両手を三角の形にした。


「あのねあのね。おにぎりってこんな形しててね、少ししょっぱいけど甘くてね。わたしはしゃけのおにぎりが大好きなの」

「色んな種類があるの?」

「うん。行くたびに変わるの。だから楽しみなの」


 少女が嘘をついているとは思えない。これはとても楽しみになって来た。

 そんな私達を乗せた乗り合い馬車は無事にメガニアについたらしく、私達を降ろした。このまますぐにノヴィルには行けず、メガニアで簡単な検査を行うらしい。

 検査は一組ずつ行っていき、自分の名前と目的を言えばそれだけで橋を通れる。橋を渡すと島に繋がり、そこには沢山の人が集っていた。皆が白い三角の物を持っていたり、木の器を持っていたりして和やかに過ごしているようだ。白い三角の物は恐らくあの少女が言っていたおにぎりなのだろう。少し小腹が空いていたから私も食べようと食事提供をしている場所に向かった。


「いらっしゃい」

「すみません。おにぎりを一個……」


 言いかけて、その人の姿に口があんぐりと開いてしまった。食事を提供しているらしい男性は見た事が無いもので目元を隠していた。彼の視線が見えないだけでかなり怖く感じる。

 彼もこちらをじっと見ている。身長差もあってかなり怖い。ものすごく怖い。なんで何も言わないのだろう。そう考えて先程の少女の言葉を思い出した。おにぎりにも種類があると。もしかしたら何の種類が欲しいのか分からなくて彼も黙っているのかもしれない。答えればその怖さが無くなるかもしれない。


「え、えっと、サケ?のおにぎりを一個欲しいです」


 とりあえず少女が好きだと言っていた物を告げた。彼はそれでもこちらから視線を逸らす様子はない。実はその視線は別の誰かに向けているのだろうかと後ろを振り返ろうとすると、彼の手が私の肩に置かれた。


「ひゃ!?」

「すみませんが、こちらに来てもらってもいいでしょうか?」

「へ、え!?」


 私に何をするつもりなのだろう。ここは断って逃げ出した方がいいのかもしれないが、断ったら断ったで怖い。

 いいだろう。何度も何度も殺された私だ。お金を取られるのは痛いけれどそれ以外ならどーんと来い。受けて立ってやる。

 そう思いながらも首を縦に振ると、彼は目を隠していたものを外した。その下に隠されていた目はとても優しい色をしていた。


「よかった。ちょっと待っててくれ」


 そう言って手を離した彼は近くの人に声を掛けてから私に近づいて来た。背が高いとは思っていたけれど、こうして並ぶと師匠よりも大きい。まだ恐怖は拭えないけれど、彼の優しげな笑顔に少し肩の力が抜けた。


「すみません。俺はフォルモって言います。メガニアの警護隊長兼食事提供隊長をしてます。おにぎりは用事が済んだら好きなだけ差し上げますんで、少しお付き合いお願いします」

「わかりました。……でも、なんで私を?何かこちらのルールに違反する事をしていましたでしょうか」

「そんな事はありません。俺達は貴女みたいな人を探していたんです。詳しい話は猊下の元で」


 そう言って歩き出すフォルモさんに私は一つ思いついた事がある。もしかしたら、魔女である事がバレタのかもしれないと。

 メガニアという国が魔女に関してどう思っているかはわからない。だが、プレニルと同様に魔女の存在を許さないのであれば、私はまた殺されるだろう。


 橋から恐らくメガニアの領地に入ったのだろう。そこに広がる光景はプレニルとは違い、とても穏やかな空気が流れていた。道行く人も笑顔で私に挨拶してきて、とても良い場所なんだとわかる。

 しばらく歩くと大きな屋敷に辿り着き、中に入る。案内された部屋で座って待っていてほしいと言ってフォルモさんはどこかに行ってしまった。

 ここは逃げるチャンスだと思ったけれど、その椅子の座り心地に腰を上げる事は出来なかった。殺されたとしてもこの椅子の上で死んで、生き返った時にもこの椅子の座り心地を楽しもうと決めていたところ、扉が開かれた。

 入って来たのは黒い短髪の青年だった。私よりも年下に見える青年で、その目に透明な何かをかけている。

 彼は私の向かいに座り、笑顔を向けた。


「こんにちはヨナキウさん。突然すみません」

「え、私の名前を知っているんですか?」

「この国に入る前に申告してくださったでしょう。遅れましたが、私はこのメガニアの教皇をさせて頂いているナハティガルと申します」


 教皇。彼が。それを知った瞬間、椅子から腰を上げようとした。王様相手にリラックスして座っている場合じゃない。だが彼はそれを手で制した。


「座ったままで構いません。……教皇と言えどまだ日が浅いので、公式の場ではない時は敬う必要は有りませんよ」

「……ありがとうございます」


 お言葉に甘えて腰をおろす。私が考えている教皇像とはまた違った人物のようだ。

 しばらく私を見つめていた猊下はすこしして口を開いた。


「実は私共で探しているスキルがあったんです。それは人の傷や病気を治せるスキルなんです。……そこで、貴女のスキルが気になったフォルモが貴女を連れてきてくださったのです」

「私のスキル……?でも、私スキルの事は伝えてないですよ?」

「そうですね。実は見るだけで人のスキル等を確認できる物を我々は使用しています。貴女が魔女である事も知っていますよ」


 溜まってきた唾を飲み込む。見るだけで確認できるなんてものが存在するなんて。幼い頃に行ったスキルの確認の時には血を少量渡したというのに、とても便利なものだ。恐らくその物体は彼らが目を覆うように掛けているものの事だろう。

 そのものがプレニルにも渡ったらと思うと悲惨な状況を迎えるだろう。


「貴女のあるべき姿に戻すスキルに関して説明を、もらってもよろしいでしょうか?」


 猊下に乞われ、私は嘘偽りも無く答える事にした。もしそのものに嘘を見破る機能もついていれば嘘をついたら殺されてしまうかもしれない。

 私の話を最後まで聞いてから、猊下は考え込むように顎に手を当てる。


「そうですか。怪我や病気を治せても、それ以上の痛みが伴うのですか」

「はい。ですので、私はその痛みを抑える事が出来る方法が無いかと研究しております。一応植物を使っての治療方法も少しは知識があります」

「それは有り難いことです。……そうですね、もし貴女がノヴィルでなくこのメガニアに移住して頂けるのならばこちらで支援させて頂きたいのですが」

「支援?」

「えぇ。貴女には痛みを抑える研究を積極的に行ってもらいたいのです。ただ、治療が必要な者が現れた時は貴女の力を借りたいのです。それを約束してくださるのであれば、住居も食事もこちらで用意させて頂くのですが、いかがでしょうか」


 それは私にとってはとても有り難い話だった。そして私だけが美味しい話でもないだろう。このメガニアとしては治療できる人を持つことにもなるのだから。

 そう考えると、私がその誘いを断る事は無かった。


 そうして私はメガニアに住むことになった。プレニルでは見れなかった植物も自生しているので研究はとてもはかどった。しかも、巫女様だと紹介してくださったメガネ様という少女から私専用の眼鏡という巫女様と同じ名前を持つ道具を頂いたのだ。これがあれば植物の名前や簡単な効果も見るだけでわかるという優れものだ。

 メガニアの環境はとても良く、師匠とも過ごしたかったと思える素敵な場所だ。この場所で二人でいたならば二人で研究三昧だっただろう。


 ちなみに初めて食べたおにぎりはとても美味しくて、まともにご飯を食べる余裕が無かった私には涙が出る程しょっぱかった。

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