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平民である俺が王女のお世話係になったのは  作者: レモンチャンネル
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お世話係の悩み2

夕方になるとため息が出る。


青オオカミには2日に一度食事が必要だ。しかも死んでから1時間以内の新鮮な獲物でなくてはならない。

何度かアリエノール様の狩りのお供をさせて頂いたがこれが結構つらい。足手まといになって叱られることも度々だ。

剣の稽古もつらいのになぜ狩りまで。だいたい僕を食い殺そうとした青オオカミだ。狩りを覚えさせればいいのに。


その日の狩りの後、思い切って聞いてみた。

「アリエノール様、伺ってもよろしいでしょうか?」

「なんだ」

「あの、狩りのことですが、なぜ青オオカミに覚えさせないのですか?」

「なぜ、そんなことを聞く。狩りが辛いのか?」

「いえ慣れてきたので、そんなには辛くありません」でも、目をそらしてしまう。

ウィルの背中をアリエノールが笑いながらポンポンと叩いた。

「やせ我慢するな、辛いならそう言え」

これは以外だった。いつも鋭い金褐色の瞳が笑ったら優しい土色に変わってとても魅力的に見えた。でもその瞳はすぐに陰った。

「これが何かわかるか」

アリエノールはポケットから小さな小瓶を出して、ウィルに渡した。

小瓶には青い粉が入っている。それ以外は何もわからない。

「いえ、わかりません」

「青オオカミの牙を粉にした物だ」

「えっ」

「今年に入ってから、霊力を得る高級薬として市場に出回り始めた」

「本当に霊力が得られるのですか?」

「霊力は得られんが麻薬のような効果がある。すさまじい多幸感と万能感が得られる。他にも全く痛みを感じなくなるという作用がある。このおかげで青オオカミに襲われた動物は痛みを感じずに死ぬことが出来るのさ」

呆然としてしまう。

「レトとラトの母オオカミは何者かに殺されていた。そして死体には牙がなかったんだ」

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