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第79話 英雄になった

 氷竜を倒したあと、フリエルドで大きな宴が開催された。

 それは1日で終わることなく、なんと1週間も続いた。

 外に出ることが無かった街の人達も元気にはしゃぎ回って、どんちゃん騒ぎだ。


 そして、俺はナナちゃんが心を手に入れたことに驚愕した。

 感情豊かになり、表情も以前とは比べ物にならないぐらい変わる。

 それの引き金となったブルーノは仮死状態だったみたいだが、レナとクラリスの回復魔法で治すことが出来たようだ。

 二人はあまり氷竜との戦いで活躍できなかったことを申し訳なさそうにしていたが……いや、レナは別にしてないな。

 それはさておき、ブルーノを助けてくれた功績はかなりデカいだろう。


 あと、俺に新しい仲間が出来ていた。


『いやー、見事でしたね旦那。完敗ですよ』


 なんと、氷竜が仲間になっていたのである。

 100レベルになった恩恵はステータスだけでなく、モンスターとの会話にも影響があった。

 召喚していなくても1体となら会話が出来るようになったのだ。

 それで氷竜に何でフリエルドを襲っていたのか聞いてみると、


『おもちゃで遊ぶみたいな感じですよ。お腹が空いたときに腹も満たして、暇もつぶせるので一石二鳥! モンスターの大群を引き連れたのもどんな反応するのか見たかっただけですね。それが結果的に旦那を強くさせちゃったみたいなんですけども。アハハハ』


 悪い奴じゃなさそうだけど、危険な奴だった。

 野生の頃はもっと凶暴でクレイジーだったのを思うと、本当に倒しておいてよかった気がする。


 そして、今日は宴が終わり、街の広場に皆が集まっている。

 広場の中央にある檀上にはテオドアさんが立っており、皆が注目している。


「長年、フリエルドを恐怖のどん底に陥れていた氷竜がついに倒された。ワシ達は、それに貢献してくれた英雄達を称えねばならん」

「そうとも! そうとも!」

「アレンさん達のおかげだよ!」


 最初と比べて俺達はかなりフリエルドの民に信用されるようになったな。

 ありがたいことだ。


「静粛に。まずは隠れた英雄を紹介せねばならん。彼はフリエルドの憎悪を背負い、希望の光を灯し続けてくれていた。彼の功績はとても大きく、ワシ達はそれに多大なる感謝と敬意を示せねばならん。──ブルーノ、こちらに」


 テオドアがブルーノの名前を告げると、ざわついた。


「ブルーノだって!?」

「もとはと言えば、ブルーノが元凶なんじゃ……」


 そんな声が聞こえてきた。

 それでもブルーノは凛とした態度で壇上へと上がった。


「私は何も誇れることをしていない。英雄なんて柄でもなければ、そんな大層なことをした覚えも無い。好きな人を守れなかっただけのろくでなしだ。その影を追うように発明をし、憎き氷竜を倒すために力を注いだだけ。しかし、それで皆の笑顔が戻ったのなら非常に嬉しく思う。今までお疲れさまでした」


 ざわついていたのが嘘のように静まり返る。

 そして一人が拍手をした。

 意外にもそれはセオだった。

 拍手はセオを中心に波のように広がっていき、皆がブルーノに拍手をした。


「今までごめん!」

「ありがとう! ブルーノ!」

「手のひら返しするようで悪いけど、お前はフリエルドの英雄だ!」


 どうやら認めてくれたみたいだ。

 氷竜を倒して、ブルーノだけが皆に嫌われていたら、それはとても悲しいことだろう。


「……ありがとう」


 ブルーノは目頭を押さえて、空を見上げながら檀上から降りて行った。


「そして、次はフリエルドのために命をかけて戦ってくれた冒険者の方々じゃ。みんなもご存知、氷竜を倒してくれた英雄じゃ。そこで一つ、ワシから提案がある。感謝の印にフリエルドの領地の一部を彼らに譲り、そこに屋敷を建てるのはどうじゃろうか」


 屋敷……?


「いいねえ! 賛成だ!」

「さすがテオドアの爺さんだ! 分かってるぜ!」


 なんか反対する人だれもいなさそうなんですけど。


「屋敷……ついに家を手に入れた」

「こんなところを拠点に出来たらお風呂に入り放題ね!」

「ふふふっ、ナナちゃんとも毎日会えますね」


 みんなめちゃくちゃ貰う気満々だし……。


 うーん。

 じゃあ、いっか。

これにて第3章終了です!


新作の「世界最強の努力家」を優先して更新しているため、テイマーは中々更新出来ませんが、


「面白かった!」

「続きが気になる!」

「更新応援しています!」


少しでもそう思って頂けた方は下にある


「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にしてください!


あと良ければ、新作の「世界最強の努力家」も読んでみてください!

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― 新着の感想 ―
[一言] 続きが気になります。
[一言] 不遇職テイマーは更新しないのですか?
[一言] そろそろ書いてください… お願いします
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