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第52話 誘拐

レビューありがとうございます。

レビューのタイトルに法則性が出てきて、もはや大喜利では?

という感じがします。

ちなみに僕はレビューを見て吹きました。

 人との衝突を避けながら走っていくと、クラリスを発見した。無事だったことが確認でき自然と安堵の息を漏らす。

 しかし声をかけようとしたところで踏みとどまった。先ほど別れたばかりでなんと声をかければいいのだろうか。

 不安だったから様子を見に来た、と正直に言うのもなにか気が引ける。なぜ? と問われれば、【危険察知】を説明することでしか納得されないだろう。ただ何となく危険な感じがした、と言えば俺自身が危ないやつに見られる可能性を否定できない。

 少し離れた位置で見守ることが最善なのではないかと判断した。

 となると、何も目的がないのに走っていたのは他の人から見れば不自然に映るだろう。

 周囲にある露店を見る。

 その中にアクセサリーを売っている露店があったので、足を運ぶ。


「これ一つください」


 以前、シャルにプレゼントされたことを思い出し、そのお返しにネックレスを一つ買うことにした。

 クラリスとの距離は、そう離れていない。この時間を使って丁度いい距離間を計ろうという考えもある。


「まいどありー」


 包装してもらい、クラリスの後を追う。

 先ほどと変わったところは見られない。何事もなく無事に宿屋に帰れそうだ。

 それなのに何故――。

【危険察知】が今まで以上に強く反応しているのだろうか。

 これは普通じゃない。間違いなく何かが起こる、そう思わせるほどの強い反応だった。

 変に取り繕っている場合ではない。クラリスと合流した方が賢明だ。


 だが、突如として目の前からクラリスが姿を消した。


「クラリス!」


 声をかけるが、返事はない。

 何者かに誘拐されたと考えるのが妥当か。

 鼓動が早くなる。自分でも緊張しているのが分かった。

 俺が上手く対処しなければクラリスの身に危険が及ぶ。

 背筋にひんやりとした汗が流れた。

 ……弱気になっているな。

 ふー、と息を吐いて冷静になるよう自分に言い聞かせる。落ち着きを失えば、見えるものも見えなくなってしまう。今俺に出来ることは、自分の能力を最大限に引き出すこと。


【気配察知】を使い、クラリスを誘拐したやつを探してみる。

 当然ながら見つかることはない。つまりこれは計画されていた誘拐と考えて間違いないだろう。


「──な」


 路地裏から男が現れ、攻撃を仕掛けてきた。

 俺は咄嗟に身を翻し、攻撃を躱す。身体の横を男の腕が通り過ぎた。躱されたとなれば、すぐに次の攻撃に転じてくるはず。それを感じとった俺は身を翻したときの反動を利用して、回し蹴りをはなつ。だが、俺の右足は男の左手によって掴まれ攻撃は失敗に終わる。それだけで終わればいいのだが、身体の一部を掴まれたため俺は不利的状況になってしまった。

 離脱を試みるのは悪手。対処されてしまえば、俺は完全に拘束される。すぐさま右腕を男の頭に伸ばし、掴む。そこから頭突きをお見舞いしてやった。


「ぐっ──」


 男は頭突きされた部分を手で押さえており、右足は男の手から離れた。

 すぐさま男の肘を自分の胸で抑え、手首を片方の手で下に押し下げる。


「貴様ッ──」


 激痛が走っているのか、男は顔を歪めた。剣術道場の師範ウォルスから教えてもらった関節技だ。ウォルスは剣術だけでなく体術も詳しいみたいで、稽古の空き時間に教えてくれた(ほぼ強引に)。

 思わぬところで役に立つもんだな、とウォルスに感謝した。

 周りの人は、何事だ!? と騒ぎたてている。だが、今は周りに気を遣っている場合ではない。


「お前はクラリスを誘拐した奴らの仲間か?」


 拘束したままの状態で男に問いかける。


「それは貴様だろう! 白々しい真似を!」

「俺はクラリスを助ける側だ。誘拐したのは俺じゃない」

「他の仲間はどうした! そいつらがクラリス様をさらったのだろう!」


 シャルとレナの存在を知っているみたいだ。俺たちを監視していたと考えるのが妥当か。となると、こいつはクラリスの護衛かなにかか。


「……分かった。状況は掴めた。説明は省くが、俺はクラリスを助ける側の人間、つまり今は敵対するのではなく協力することが先決だ」

「ふざけたことを!」


 説明を省きすぎたか。男を納得させることはできなかったみたいだ。

 申し訳ないが、これ以上時間を取られてはいけない。眠っていてもらおう。

 ──【スリープ】

 威勢の良かった男は、急に眼を閉じて眠りについた。

 初めて使ってみたが、効果はすぐ出るみたいだ。3レベルがどれほどの効力なのかは分からないが。


 さて、クラリスはどうやって攫われたのか。

 あてもなく探すより、誘拐の方法を解明した方が手掛かりとなる。

 今回のように突如としてさらわれるのは常識的に考えれば有り得ない出来事だ。だが、魔法ならそれが可能だ。最近になって魔法というものの有用性は身をもって経験している。だからこそ魔法であれば可能ではないか、という考えに達した。


 魔法とくれば、俺のスキルで使えそうなのは【魔力操作】だな。

 使ってみると、クラリスが消えた現場に魔力の痕跡があることに気付いた。

 それは路地裏へと続いており、俺に襲い掛かってきた男が現れたのと同じ場所だった。

書籍の発売日が決まりましたー!

8/30です!

一ヶ月後ですね! ワクワクが止まりません。早く書影もらってツイッターのアイコンにして、書籍化作家マウントをとりたいところです。

……え? やだなぁ、冗談ですよアハハ。


「続きが気になる!」


という方はポイント評価して頂けると、更新する楽しみに繋がります。

怠惰な僕は脳内プロットだけが進み書き溜めなど全くしていませんでした……。レビュー貰ったから更新したとか口が裂けても言えない(あれ?)。


多分、生まれながらの性格に致命的なバグがあるのではないかと思います。

書き溜めなんて出来ないから、読者の皆さまに「早くしろノロマ! クズ! 人でなし!」とケツを引っ叩いて欲しいものです。

執筆頑張ります。

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