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第45話 テイマーは剣豪と出会う

「お前なぁ、そこは俺に紹介させろよな」

「別にいいだろ? 自分の紹介を自分でして何が悪いんだよ!」

「師範としての威厳ってもんがあるだろうが! この馬鹿息子!」


 ウォルスはゲンコツをお見舞いしようとしたが、


 ヒュン


 っと、ガッドはそれを避けた。


「ったく……まぁ、そんな訳でコイツは俺の息子だ。アレン達にはコイツと戦ってもらう」

「よろしくな!」


 何事も無かったかのように、ニカッと笑うガッド。

 普段からこんな感じのノリなんだろうな、この二人。

 めちゃくちゃ親子仲が良さそうだ。


 ガッドは短い赤い髪が特徴的で長身だ。

 凄く明るそうな奴だなー、という印象を受けた。


「よろしくお願いします。ガッドさん。アレンです」

「あー、さん付けとかしなくていいぞ。そういう他人行儀みたいなので嫌いだし、年齢もあまり離れてないんじゃないか?」


 そう言ってくれると有難いな。

 敬語で喋るより打ち解けやすいだろうし。


「……分かったよ、ガッド。それと俺は16歳だな」

「ほー俺は17歳だ。やっぱり近かったな」


 17歳か。

 レナと同じ歳だな。

 ステータスはどれくらいなんだろうか。

 鑑定で見てみるか。



 ――鑑定


―――――――――――――――――――――――――――

 種族:人間

 名前:ガッド=レイヴァース

 性別:男

 年齢:17歳

 職業:剣豪

 レベル:51

 HP:28000

 MP:0

 攻撃:35000

 防御:27000

 魔力:0

 敏捷:30000


 《職業スキル》

【闘気:レベル6】


 《攻撃スキル》

【抜刀斬:レベル5】


 《防御スキル》

【流水円舞:レベル3】


 《通常スキル》

【閃空:レベル4】

―――――――――――――――――――――――――――


 職業は剣豪か。

 剣士の上位職だな。

 MPや魔力が0なところを見ると、魔法を使わない職業のようだ。

 今となっては、俺の方がステータスは高いが、レベル51で約30000のステータス値は中々の高さだ。


「そして、私はレナです! 武術祭には出ません!」


 俺に続いて、レナが挨拶をした。


「あー、やっぱり? 強そうには見えないもんな」


 ハハハ、と笑うガッド。

 いや、親子揃ってレナの扱いがひでえな。


「うぅ……みんなひどいよ……」


 レナは割と本気で落ち込んでいるようだった。


「気にしないでやってくれ。さっきウォルスさんにも同じような事を言われたんだ」

「げ、親父と同じ事言ってんのかよ俺。えーと、レナだっけか? ごめんな」


 父親と同じ事を言ったから、という理由でレナに謝るガッド。

 理由がひどいな。

 だが、素直に謝れるのはガッドの良いところなのだろう。


「いいんですよ……慣れてますから」


 ガチ凹みしているレナ。


「そうか? なら大丈夫そうだな」


 と、父親同様にサラッと流すガッド。

 似た者親子とは、この事を言うのかもしれない。


「それでそっちの子は?」


 続けてガッドが喋る。

 そっちの子というのはシャルの事だな。


「シャル」


 無表情のままシャルは、そう呟いた。


「ふーん、なるほど。武術祭にはアレンとシャルが出場するって事だな。親父から聞いてるかもしれないけどさ、俺も武術祭に出場するんだ。お互い頑張ろうぜ」


 そう言って、ガッドは手を出して来たので、


「そうだな」


 と、言って握手をした。


「シャルも握手するか?」


 俺と握手をした後にガッドがシャルに話しかける。


「いい」


 いつも以上に短い返事で断るシャル。

 もしかしてシャルはガッドの事が苦手なのか?


「そっかー、残念だな」


 と、そんな感じでお互いの自己紹介が終えたところで、ウォルスは口を開いた。


「んじゃ、早いとこ模擬戦始めちまうか」


 ウォルスはそう言って、ガッドを呼びに行った方へ向かっていった。

 模擬戦はここでやらないのかもしれない。


「あっちに闘技場があるんだ。俺達も行こうぜ」

「分かった」


 扉から出ていくと、屋外に出た。

 そして、そこの地面には白線が引かれており、ガッドの言うように闘技場となっていた。


「ハァァァァッ!」

「でりゃあああああ!」


 闘技場では、2人の門下生による模擬戦が繰り広げられていた。

 その周りに何人もの門下生達が見学をしている。

 そして今の一撃で丁度決着がついたようだ。

 女の門下生が男の門下生を倒したみたいだな。


「流石スズナだな。見事だ」


 女の門下生に近づき、ウォルスは女の門下生を褒めている。

 どうやらスズナという名前らしい。


 ウォルスの言うように俺もスズナは見事な腕前だと思った。

 最後の一撃しか見ていなかったが、確かに良い剣筋だった。


「いえ、私なんかガッドに比べたらまだまだです。さっきも完敗でした」

「俺が言うのも何だが、ガッドは天才だからな。あまり比べない方がいいぞ」

「親父! 嬉しい事言ってくれるじゃねーか!」


 ウォルスの言葉を聞いたガッドは横で闘技場に向かって叫ぶ。


「うっせえ! 調子に乗ってんじゃねーぞ! 馬鹿息子が!」

「お前もでけえ声出してんじゃねーかよ! クソ親父!」


 この親子本当に仲が良いのだろうか。

 周りの門下生を見ると、やれやれ、といった表情をしている。

 たぶんこのような言い合いは、日常茶飯事なのだろう。


 ……そういえば、スズナという子がさっきまでガッドと模擬戦をしていたと言っていたな。

 つまり、ガッドは模擬戦をやった後に俺たちのところへ来たということになる。

 だと言うのにガッドは、汗一つかいていなかった。

 一方、スズナは連戦という事もあるのだろうが、かなりの汗をかいている。

 これらからガッドの実力の高さが伺える。



「……ゴホン。見苦しいところを見せたな。これからガッドと横にいるアレンとシャルの模擬戦をやるからお前らちゃんと見とけよ」

「「「「はい!」」」」


 それを見たガッドは、


「よし、闘技場も空いた事だし始めるか」


 と、眩しい笑顔を見せながらそう言った。


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