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第40話 テイマーは騎士団と知り合う

 あれから俺たちはヴァスノスへ戻る事となった。

 現在、ラルフと共に馬車に乗って帰っているところだ。

 ラルフの部下は定員オーバーということで別の馬車に乗って王都に帰る事になった。

 ラルフもあっちに同行すれば良いと思うのだが、どうやら俺達と話がしたいようだ。

 まぁ、俺も色々と聞きたい事はあるから丁度いいのだが。


「自己紹介が遅れたね。俺はヴァスノス王国騎士団の副団長を務めているラルフ=ファーディナンドだ」


 ラルフは、予想通りと言うべきか騎士団の副団長だった。

 俺が山賊だと思っていた3人はラルフの部下で、彼らも騎士団の団員という事になる。

 人は見かけによらないな。


 ラルフの自己紹介に応え、俺達も自己紹介を行った。


「俺はアレン。で、こっちの二人がパーティメンバーのシャルとレナ」


 レナは「どうもー」と言って、頭を下げて挨拶をした。

 それに見習って、シャルも無言で頭を下げた。


「アレンにシャル、レナか……よし、覚えたぞ。さっきも言ったが、部下達を助けてくれた事本当に感謝している」

「いえいえ、こちらこそ。それで……あの男は一体何者なんですか?」


 先程まで俺とシャルが戦っていた、あの男。

 ラルフは……ヴァレンスと言っていたか。

 団長の仇とか何とか言っていたな。


「ヴァレンスか……奴は以前まで俺達と一緒に騎士として仕事をしていたんだ」

「何やら因縁があるようでしたね」

「あぁ……ヴァレンスは、俺達騎士団の団長を殺害したんだ」

「殺害……」


 そういえば……あいつは人を殺すのに何も躊躇わなかったな。

 増してや、楽しんでいるようにも見えた。


「え、それじゃあヴァレンスは犯罪者ってことですよね。指名手配とかされてなかったような……」


 レナが疑問を口にした。

 冒険者ギルドには犯罪者の指名手配書が掲示板に貼られている。

 チラっと視界の片隅に入ることがあったが、ヴァレンスの顔は無かったように思える。


「団長が殺害されたということは公開出来ないんだ。団長が殺害されたとなると、民衆の不安を煽ることになり、敵国にも隙を見せることになってしまう」

「なるほど、それで騎士団内だけで解決しようとしている訳ですね」

「そういう事だね。騎士団全員がヴァレンスを追う訳にもいかないから少数の部隊しか動かせないし、ヴァレンスも中々逃げ足が早くて困ったものだよ」


 そう言うラルフの表情は随分と疲労しているようだった。




 ヴァスノスに戻り、ラルフ達の部下とも軽く挨拶を交わして宿屋に戻った。

 今日はひどく疲れたので、夕食を済ませた後、すぐに眠ることにした。


 ヴァレンス……強敵だった。

 やはり世の中には、ああいう悪党がいるものなんだな。

 平和に生きていくには強さがいる。

 みんなを守れるように、地位を手に入れるために。




 ◇




 翌日、俺達はレベル上げとモンスターの吸収を目的にレアンダ渓谷へ向かった。

 レアンダ渓谷に出現するモンスターは、



 ――――――――――――――――――――――――

 Dランク:シルバーウルフ、ポイズンフロッグ、ナイトバード、ブルーボア


 Cランク:ベアー、アスモネラ、オーク


 Bランク:オーガ

 ――――――――――――――――――――――――



 と、なっている。

 今までの経験上、Cランク相手なら危なげなく勝てることが分かっているので、Bランクのオーガに挑まなければ問題ないはずだ。


 狩りの効率を上げるため、俺はトレントを召喚することにした。


『お呼びですかな、ご主人様』


 トレントの話し方と声は老いている感じがした。

 木のモンスターで幹も太いから、イメージ通りと言えばイメージ通りだ。


『トレントには、モンスターを狩る手伝いをしてもらいたい。自分より強いモンスターや冒険者などに遭遇したらすぐ俺に知らせてくれ』

『ふむ……畏まりました。ご主人様に一つお願いがあるのですが……ウルフを貸して頂けませぬか』

『ウルフ? 何故だ?』

『ウルフは鼻がよく利くため、索敵能力に長けているのです。私だけでは索敵能力が欠けているので、ご主人様の望むような結果を得る事は難しいでしょう』

『なるほど、ウルフは索敵能力に長けているのか……それならダンジョンのトラップを処理するも可能だと思うか?』

『それは難しいでしょうな。ウルフは鼻が利くだけであるため、トラップの発見すら厳しいでしょう』

『分かった。トレントの補佐としてウルフを召喚しよう。何匹欲しい?』

『3匹は欲しいですな。ウルフは群れで行動するため、1匹や2匹では能力を活かしきれないでしょう』

『では、5匹召喚しよう。上手くウルフ達を指揮してくれ』

『ありがとうございます。仰せのままに』


 トレントは賢いモンスターなようだ。

 喋り方や口調などもゴブリン達と比べると、天と地の差である。

 これなら安心して任せられそうだ。


 ウルフを5匹召喚すると、トレントとウルフ達は渓谷の奥の方へ進んでいった。


「トレントを召喚しても大丈夫なの? トレントがステータスの半分ぐらいを占めてるんじゃない?」

「Cランクまでのモンスターを相手にするぐらいなら問題ない。トレントとウルフを召喚しても、ステータスはどれも約12000程ある。十分すぎるだろうさ」


 それにモンスターを倒していれば、ステータスは上がっていくだろうからな。

 すぐにステータスの上限に辿り着いてしまうことだろう。


「では、狩りを始めるとしよう」


 俺達も渓谷の奥へと足を進めていった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 騎士と山賊を外見で見間違ったりしない。つまり主人公は山賊討伐の邪魔をして尚かつ山賊に丸め込まれているバカ野郎という図式しか成り立たない。
[気になる点] 主人公が、思い込みのため、騎士団を山賊と早とちりしてしまったせいで、結果的に討伐の邪魔をしてしまい、ヴァレンスを逃してしまう結果になったことについては何〜にも触れられてない件……。
[一言] 騎士団と山賊を見間違えるってどういうことなの…?
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