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悪姫恋聖  作者: ねじるとやみ
エピローグ
81/82

・城の人々


『1番隊は妖魔を、2番隊は機械武者を排除して下さい。

巫女部隊は悪魔を、

魔術部隊はドド様と協力して無人鎧を』


ニギニの指揮が戦場に伝わっていく。

シルシは覚醒したヴァールで、

既に敵の首領らしい機体と組み合っていた。

町の前には双子の機体がどっしり構えているので、

敵が侵入する心配は無い。

後は状況を見つつ、危なくなった部隊を助ければいい。


数分後に敵は壊滅し、

今回も大きな被害は無く首都の防衛が出来た。

アミア達がいなくなってから半年、

敵は平均して5日ごとに襲撃があり、

それを防ぐのが新国家ルナの正規の騎士団、

『純真騎士団』の役目となっていた。

騎士団の半数は東の国の解放の為に出払っており、

防衛の指揮はニギニに任されている。

西側との行き来もひと月前に出来るようになり、

元各教団出身の騎士も増えて来ていた。


『シルシちゃんお疲れ』


『・・・まだまだだ』


見事敵の首領の首を取り、

戻ってきたシルシに声をかける。

ニギニとシルシは鎧を覚醒出来るようになったが、

反動が大きく、ニギニは戦場ではまだ使っていない。

指揮をする分には使わずとも何とかなるからだ。

シルシは無理にでも使って慣れようとしているが、

その疲労は傍から見てもよく分かった。

そして候補生の一人、シルシを慕っている赤毛の子も、

訓練で無理をしていて、よく似た二人だと、

ニギニは思っていた。


『敵はどんどん強くなるし、

あたし達も負けてられないな』


『アミアさん達みたいには無理だよ』


双子の言葉でニギニもアミア達を思い出した。

どれだけ頑張っても二人には届かない。

それでも、ニギニは何とか出来ている自分を、

少しは褒めてくれるのでは、と思った。


『みなさんお疲れ様です。

今日もありがとうございました』


『ゆっくり休んで下さい』


クルクとナナが、

ギルーンとクオンに乗って町から出てきた。

新国家ルナの君主であり、

最重要人物である二人だが、

こうしてたまに戦場に出てきて労いの言葉をかける。

本人達は戦闘にも参加したがっているが、

それは配下の者に止められ、

今はお飾りになっていた。

そして二人の仲が友人関係以上なのは、

騎士団内では有名になっている。


『クルク様、ナナ様、ありがとうございます。

今日も無事、首都を守る事が出来ました。

来月には候補生の一部も戦場に出てもらう予定です』


『そうですか。

ニギニ、貴方の活躍はよく聞いています。

これからもお願いします』


クルクからの言葉がニギニは嬉しい。


(アミアさん、リンリさん、

こっちは大丈夫ですよ)


行方の分からない二人へと、

ニギニは空に向かって伝えるのだった。

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