表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/184

両腕に花




 地上生活二十五日目。


== 9時32分 ==


 結果的に言うと俺はマコトを雇う事にした。

 あれからマコトの人脈を使い印刷機と紙等を購入し、仕事を頼める彫り師も見つかった。

 旅館の中に利用頻度の少ない物置があったので、そこに木版を刷るための印刷機を設置し印刷所の完成だ。


=====

 印刷機×1=金貨30枚

 墨などの消耗品=大銀貨2枚

 還魂紙かんこんし×2000=金貨2枚

 彫り職人への依頼×1=金貨2枚

 部屋の改装費=金貨12枚

 合計:金貨46枚、大銀貨2枚

=====

 所持金

 金貨:4196枚

 大銀貨:29枚

 銀貨:1枚

 大銅貨:43枚

=====



 還魂紙かんこんしとは古紙を漉き返した質の悪い紙で、価格は一枚大鉄貨2枚、日本円で一枚20円くらいの値段だった。

 一枚の値段にしては高いと思ったが、この国では大規模な製紙工場などはないので仕方が無い。


 ちなみに所持金の計算にはツクモに一日金貨一枚を食べさせているのも入っている。

 他の従業員の給料などは国から支給されているが、魔物の類いであるツクモの給金はもらえないだろう。


 ん? でもまてよ。

 オウカは意外と話しの分かる姫ちゃんだから、相談したらオッケーでそうだな。

 今度城に行った時にでも頼んでみよう。


 俺とセルフィナとペティ、それにマコトを加えた四人で広告の内容を話し合い最終的に決まったのがこれだ。


=====

 ◆宣伝広告

 生まれ変わった日乃光屋旅館においで下さい

 当旅館をおすすめできる三つの理由

 その一、近場に三つの観光名所がある!

 その二、料理が格段に美味しくなりました!

 その三、源泉掛け流しで効能抜群の露天風呂!

 さらに、今ならお一人様金貨1枚で宿泊できる割引期間中です。

 この機会にぜひ一度お越し下さい。

 癒しのひとときをお約束致します。

=====


「すごく良いと思います! さすが私のご主人様です!」


 ペティが俺の右腕に抱きついてきた。

 ペティは俺と夜ラブするようになって積極的に俺にくっつくようになった。

 何回でも抱きついても良いぞペティちゃんよ!

 可愛い娘は何をしても許されるのだ。


「おれは原案を出しただけだ。ここまでできたのは皆の意見があったからだよ」


「わたくしも良い出来だと思います。ユラリ様が提案してくださった、今だけ宿泊料を安くするというのは効果的ですね。さすがは私の運命の人です、惚れ直しました!」


 セルフィナも俺の左腕に抱きついてきた。

 彼女の胸プリンが腕にあたり心地よい。

 ああ、幸せだ。

 両腕に花とはこの事か。

 あ、それは両手に花だった。


「普通の客室で一泊金貨三枚というのは庶民には敷居が高いからな。元々宿泊料については下げようと思っていたんだ」


=====

 ◆パッシブスキル【広告】を獲得しました。

=====


 お? 【広告】というスキルを習得したようだな。

 たぶん広告の内容を考えたからだろう。


「あれ、でもご主人様? 旅館から近い観光名所は三つとも魔物が蔓延っていて今は誰も近づけないはずじゃ?」


「ああそれな。版木を職人に作ってもらって二千枚の印刷が終わるのに二日はかかるというから、その間に俺が北にある虹の滝と、西にある妖精の森の魔物を掃討してくるよ。南の青の晶洞はすでに俺が一人で討伐したから魔物は一匹も残っていないよ」


「お、お兄さん。そんな国の軍隊でも難しいことを一人でできるんですか?」


「たぶん大丈夫だろ」


「さすが大名の屋敷に単身乗り込んだだけのことはありますね」


「そうですよマコトさん。ユラリ様は強いのです。はぁ、私を助けに来てくれたときのユラリ様は凛々しく猛獣のように猛々しい雰囲気で素敵でした……。もちろん普段のやさしいユラリ様も大好きですけれど」


 セルフィナは目をつむって頬を赤く染めている。

 あの時のことを思い出しているようだ。

 猛獣って……まあ、あの時は実際に焦って本気モードだったからな。

 ほんとにセルフィナが切り刻まれてなくて良かったよ。


「そうです。ご主人様は夜もすごいんですから!」


 ぺ、ペティちゃん!?

 そういう事は言わないで。

 褒められているにしても、はずかしいからっ!


 あ、マコトがジト目で俺を見てるよ。


「さっきから、のろけばかりですねお兄さん?」


「いや、俺自身は何ものろけてないだろ。そんなことより、印刷作業は職人を雇わなくていいのか?」


「紙に刷る作業はぼくでもできますから、お任せあれっ!」


 マコトに頼んで広告の内容は版を彫る職人に伝えさせた。

 あとは俺が北と西の二つの観光名所をお掃除するだけだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ